【集客のプロが解説】外国人観光客を呼び込む!ホテル・旅館、宿泊施設が取り組むべき7つのインバウンド対策
2024年現在、日本の観光業界は大きな転換期を迎えています。長らく続いたコロナ禍が明け、訪日外国人旅行者の数は目覚ましい勢いで回復しており、多くのホテルや旅館にとってインバウンド対策は、売上増加、ひいては経営を安定させるための重要なポイントとなっています。
外国人観光客の日本への旅行に対する需要は非常に高く、今後もこの傾向は続くと期待されています。観光庁のデータを見ても、訪日外国人の消費額は増加の一途をたどっており、宿泊施設はその恩恵を直接的に受けることができます。
しかし、外国人客を迎え入れるためには、日本人客とは異なる視点での対策が必要です。言語の壁、文化の違い、旅行の目的など、さまざまな要素を考慮し、快適に滞在してもらえる環境を整備することが、顧客満足度の向上、そしてリピーター獲得へとつながるのです。
この記事では、英語が苦手な経営者の方や、中小企業のWeb担当者、飲食店のオーナーの方でも理解しやすいように、ホテル・旅館におけるインバウンド対策の基礎から実践的なノウハウまでを詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、あなたの施設のインバウンド集客に役立ててください。
目次
1.インバウンド対策の第一歩:多言語対応で外国人観光客を迎え入れる準備
インバウンド対策の最初の一歩は、外国人観光客が情報を取得しやすく、利用しやすい環境を用意することです。そのために欠かせないのが、多言語対応です。
1. 2多言語対応ウェブサイト制作:世界中の旅行者へ情報を発信する
外国人観光客が宿泊施設を選ぶ際、最も重要な情報源となるのがウェブサイトです。もしあなたのホテルや旅館のサイトが日本語のみであれば、多くの海外からの旅行者は情報を得ることができず、予約をためらってしまうでしょう。
多言語対応のウェブサイトを制作することで、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語など、主要な言語に対応し、世界中の旅行者にあなたの施設の魅力を発信することが可能になります。
また、外国人旅行者にとって、日本人が管理と運営するWEBサイトの多くは、紹介が分かりにくいと思われている状況にも注意が必要です。
理由としては、宿泊を目的とした時に、余計な機能が多かったり、他の施設との差別化ポイントが伝わり辛いケースが少なくはありません。
大事なのは、外国人の観光客の選び方を考えることです。
具体的な方法は多岐に渡りますが、周辺の観光スポットや施設内の魅力、部屋の詳細、特定の文化に対する配慮などを一覧で紹介するとでより評価されることになります。
また、定期的な情報発信も重要で、季節の料理の情報、季節ごとの楽しむ工夫、おすすめのプランなどを中心に発信してみましょう。
一方でWEBサイトの内容を変更するのは予算も必要で、業務の負担になってしまう場合もあります。
そんな時はプロに相談することも視野に入れてみましょう。
MILOKUでは課題の洗い出しから、戦略から方針まで相談を無料で受入ています。
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豊富な導入事例もあるのでご安心ください。
1.2. 多言語対応予約システムの導入:予約のハードルを下げる
多言語対応のウェブサイトと合わせて、予約システムも多言語に対応させることは非常に重要です。外国人観光客は、自分の言語でスムーズに予約できることを求めています。
多言語対応の予約システムを導入することで、予約ページや確認メールなどが複数の言語で表示され、海外からの旅行者も不安なく予約手続きを進めることができます。
オンラインでの予約は、時間や場所を選ばずに可能であるため、外国人観光客にとって非常に便利です。クレジットカード決済など、海外で一般的に利用される決済方法にも対応することで、さらに利用しやすさが向上します。
1.3. 多言語対応スタッフの配置と育成:スムーズなコミュニケーションを実現
外国人観光客が宿泊施設を利用する際、言語の壁は大きな不安要素となります。英語をはじめとする外国語を話せるスタッフを配置することは、顧客満足度を大きく左右します。
フロントでのチェックイン、チェックアウト、館内案内、周辺情報の提供など、さまざまな場面で外国語での対応が求められます。
スタッフの語学力向上のため、研修プログラムを導入したり、外国語を話せる人材を採用したりすることを検討しましょう。最近では、タブレット翻訳ツールなどを活用して、スムーズなコミュニケーションを図る施設も増えています。
1.4. 多言語案内表示の整備:ストレスフリーな滞在をサポート
館内の案内表示も、多言語対応を行うことで、外国人観光客が快適に過ごせるようになります。フロント、レストラン、トイレ、エレベーターなど、主要な場所には英語や中国語、韓国語などで表示を追加しましょう。
ピクトグラム(絵文字)などを活用することで、言語がわからなくても情報が伝わりやすくなります。Wi-Fiの接続方法や館内設備の利用方法なども、多言語で案内することで、問い合わせの数を減らすことにもつながります。
2.集客を加速させる!オンラインでのインバウンド対策
多言語対応の環境整備と並行して、外国人観光客にあなたの施設を見つけてもらい、予約につなげるためのオンラインでの集客対策も重要です。
2.1. SEO対策:検索エンジンで上位表示され、見つけやすく
外国人観光客は、旅行の計画段階で、Googleなどの検索エンジンを使って情報を探します。「Japan hotel」、「Tokyo ryokan」、「Kyoto accommodation」といったキーワードで検索する人が多いため、これらのキーワードであなたの施設のウェブサイトが上位表示されるようにSEO対策を行うことが重要です。
SEO対策には、ウェブサイトのコンテンツを充実させる、キーワードを適切に含める、モバイル対応にする、表示速度を速くするなど、さまざまな方法があります。
地域名や観光地名と組み合わせたキーワード(例:「Osaka hotel near station」、「Mount Fuji ryokan view」)も効果的です。外国人観光客がどのようなキーワードで検索するのかを調査し、対策を行うことが大切です。
2.2. OTA(オンライン旅行代理店)活用:世界中の旅行者にアプローチ
Booking.com、Expedia、AgodaなどのOTA(オンライン旅行代理店)は、世界中の旅行者が宿泊施設を予約する際に利用する主要なプラットフォームです。これらのサイトにあなたの施設を掲載することで、海外の多くの潜在顧客にアプローチすることができます。
OTAは多言語対応がされており、決済システムも整備されているため、外国人観光客にとって利用しやすいというメリットがあります。
OTAへの掲載には手数料がかかりますが、自社サイトからの予約だけではリーチできない層にアプローチできるため、集客効果は高いと言えます。複数のOTAを活用し、それぞれの特徴を理解した上で運用することが重要です。
2.3. MEO対策:地図アプリでの露出を増やし、来店を促進
Google Mapsなどの地図アプリは、外国人観光客が旅行中に周辺の宿泊施設やレストランなどを探す際に頻繁に利用します。MEO対策(ローカルSEO対策)を行うことで、地図アプリでの検索結果であなたの施設が上位表示されやすくなり、来店を促進することができます。
Googleビジネスプロフィールなどの情報を充実させ、写真を多く掲載し、口コミへの返信を丁寧に行うことがMEO対策の基本です。多言語での情報提供も重要です。
2.4. SNS活用:魅力的なコンテンツで外国人観光客を惹きつける
Facebook、Instagram、WeChatなどのSNSは、外国人観光客にとって情報収集やコミュニケーションの重要なツールです。これらのプラットフォームであなたの施設の魅力を発信することで、認知度向上や予約のきっかけにつなげることができます。
客室の様子、食事、周辺の観光地、イベント情報など、写真や動画を活用した魅力的なコンテンツを多言語で発信しましょう。外国人観光客が興味を持つような日本の文化や体験に関連する情報も効果的です。
SNSでのコミュニケーションは、顧客とのつながりを深める良い機会にもなります。コメントやメッセージには丁寧に返信し、顧客との関係性を構築しましょう。
3.外国人観光客の満足度を高める!宿泊施設で提供すべきサービス
インバウンド対策は、単に外国人観光客を集めるだけでなく、彼らに満足してもらい、良い口コミを広げてもらうことも重要です。そのためには、宿泊施設で提供するサービスの質を高める必要があります。
3.1. 無料Wi-Fiの提供:快適なインターネット環境は必須
外国人観光客にとって、無料のWi-Fi環境はもはや必須の設備と言えます。旅行中に情報を検索したり、SNSで写真をシェアしたり、家族や友人と連絡を取ったりするために、安定したWi-Fi環境は不可欠です。
客室だけでなく、ロビーやレストランなど、館内のさまざまな場所で利用できるように整備しましょう。接続方法もわかりやすく案内することが大切です。
3.2. キャッシュレス決済の導入:スムーズな支払いをサポート
海外ではクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済が普及しており、多くの外国人観光客が現金を持ち歩くことを好みません。スムーズな支払いをサポートするために、クレジットカード決済や主要な電子マネー決済を導入しましょう。
決済時にトラブルが発生しないように、操作方法などをわかりやすく案内することも重要です。
3.3. 食事のバリアフリー対応:多様なニーズに応える
食事は滞在の大きな楽しみの一つです。外国人観光客の中には、ベジタリアン、ハラール、グルテンフリーなど、食事に制限がある人もいます。事前にこれらのニーズを把握し、可能な範囲で対応することで、顧客満足度を向上させることができます。
メニューにアレルギー表示や外国語での説明を加える、予約時に食事の希望を確認するなどの対応が考えられます。
3.4. 外国人向け館内情報・周辺情報の充実:旅行体験を豊かに
館内の設備やサービスの案内だけでなく、周辺の観光情報や交通アクセスなども多言語で提供することで、外国人観光客の旅行体験をより豊かにすることができます。
パンフレットや地図を多言語で用意したり、タブレットなどで周辺の情報を検索できる環境を設置したりするのも効果的です。地域の文化体験ツアーやイベントなどの情報を提供することも、滞在をより思い出深いものにするでしょう。
4.忘れずに!インバウンド対策を進める上での注意点
インバウンド対策を進める上で、外国人観光客特有の文化や習慣、そして常に変化する市場の動向を理解しておくことは非常に重要です。
4.1. 文化や習慣の違いを理解する:トラブルを避けるために
日本とは異なる文化や習慣を持つ外国人観光客も多く訪れます。例えば、日本では一般的でも、海外ではそうでないこと(例:入浴時のマナー、チップの習慣など)もあります。
これらの違いを理解し、事前に案内することで、トラブルを避けることができます。多言語での注意書きを用意したり、スタッフが説明できるように研修を行うなどの対策が有効です。
4.2. 最新情報の収集と変化への対応:常にアンテナを張る
インバウンド市場は常に変化しています。人気の観光地やトレンド、主要な国からの旅行者の傾向なども変わってきます。常に最新の情報を収集し、変化に対応していくことが求められます。
業界のセミナーに参加したり、観光庁などの情報をチェックしたり、競合施設の取り組みを参考にしたりしながら、自社の対策を常に見直し、改善していく姿勢が大切です。
4.3. 費用対効果を意識する:持続可能な対策を
インバウンド対策にはある程度の費用がかかります。多言語対応サイトの制作、予約システムの導入、スタッフの研修など、さまざまなコストが発生します。
それぞれの対策にかかる費用と、期待できる効果をしっかりと比較検討し、費用対効果の高い対策から優先的に実施していくことが重要です。また、一度実施した対策も、定期的に効果を測定し、改善していくことで、より持続可能なインバウンド集客体制を構築できます。
成功事例から学ぶ!インバウンド対策で成果を上げたホテル・旅館
実際にインバウンド対策に積極的に取り組み、成果を上げているホテルや旅館の事例を参考にすることは、あなたの施設の対策を考える上で非常に役立ちます。
例えば、ある地方の旅館では、多言語対応のウェブサイトを充実させ、SNSで地域の魅力を発信した結果、海外からの予約が大幅に増加しました。また、別のシティホテルでは、フロントに多言語対応のコンシェルジュを配置し、外国人観光客向けのツアーやイベントを企画することで、顧客満足度を高め、リピーターを増やしています。
これらの事例から、自社の施設の規模や特性に合わせて、どのような対策が有効かを検討してみましょう。
まとめ:インバウンド対策を成功させ、問い合わせ増加へつなげよう!
この記事では、ホテル・旅館におけるインバウンド対策の基礎から実践的なノウハウまでを解説しました。
インバウンド対策は、多言語対応による受け入れ体制の整備、オンラインでの集客強化、そして外国人観光客の満足度を向上させるサービスの提供が重要です。
今後、訪日外国人旅行者の数はさらに増えていくと予想されます。この大きなチャンスを逃さず、しっかりとインバウンド対策に取り組み、あなたのホテルや旅館への問い合わせ、そして予約の増加につなげてください。
株式会社MILOKUでは、インバウンド集客、マーケティングに特化したコンサルティングサービスを提供しています。この記事を読んで、インバウンド対策についてさらに詳しく知りたい方、具体的な施策の導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。お客様のビジネスの成長を全力でサポートいたします。
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この記事を書いたのは・・・・
千葉県鴨川市の自然豊かな地で双子の弟として生を受ける。新卒でオリックス銀行に入社という堅実なキャリアを歩み始めるも、浅草で始めた人力車での経験がその後の人生を大きく変える。
人力車夫として観光客と触れ合う中で、日本の文化や地域の魅力を伝えることの面白さ、そして観光がもたらす活気に強く惹かれる。特に、海外からの旅行者が日本の何に感動し、何を求めているのかを肌で感じたことが、独学でインバウンド集客を学ぶ原点となる。
人力車を曳きながら、川名氏はインバウンド市場の可能性を確信。
その傍ら、複数のインバウンド向け事業の立ち上げや集客に挑戦し、実践的なノウハウを蓄積していく。
試行錯誤を繰り返しながら、外国人観光客のニーズを深く理解し、効果的な集客戦略を磨き上げた。
これらの経験を活かし、「日本の魅力を世界へ、世界の活力を日本へ」という強い想いを胸に、株式会社MILOKUを設立。
代表取締役として、インバウンド事業者の集客支援を中心に多くの観光事業をサポート。