【実例紹介】インバウンドコンサルで訪日客を集める方法
公開日: 2026年7月22日 | 更新日: 2026年7月22日
訪日外国人観光客が増え続けるなか、「うちのサービスは、本当に選ばれているのだろうか?」と感じたことはありませんか。市場が伸びているからこそ競合も急増し、「良いサービスがある」だけでは生き残れない時代になっています。そこで検討されるのがインバウンドコンサルの活用です。
この記事では、インバウンドコンサルとは何かという基本から、成果を出すための考え方、具体的な施策、フェーズ別の打ち手までを整理します。あわせて、私たちMILOKUが「受け皿ファースト」という順序で支援し、実際にどのような成果につながったのかもご紹介します。
目次
インバウンドコンサルとは
インバウンドコンサルとは、訪日外国人観光客に「見つけてもらい・選んでもらい・来店してもらう」ための集客戦略を、調査から施策の実行・改善まで一貫して支援するサービスです。
多言語のホームページ制作、Googleマップ対策(MEO)、OTA(オンライン旅行会社)の運用、SNS発信、海外向け広告——本来はバラバラになりがちなこれらの施策を、ひとつの顧客動線として設計するのがコンサルティングの役割です。単発の施策を代行するのではなく、「どの順番で・何に投資すれば成果につながるか」を設計する点に価値があります。
なぜ今、インバウンドプロモーションが不可欠なのか
訪日外国人観光客の数は年々増加し、観光市場の成長は確実です。しかし、ここに大きな落とし穴があります。訪日客が増えているからこそ、競合も急速に増えているということです。まずは、次のようなお悩みに心当たりがないかチェックしてみてください。
こんなお悩みはありませんか?
- ✓訪日客が検索したとき、表示されるのは競合ばかりで、自社が見つけてもらえない
- ✓SNSや広告で認知は取れているのに、予約・来店につながっていない
- ✓多言語対応や国ごとのSNS発信まで、手が回らない
- ✓何から手をつければいいのか、優先順位が分からない
これらの多くは「サービスの質」ではなく、「受け皿と見つけやすさ」に原因があります。以下で、その背景を3つの視点から見ていきます。
競合の激化と差別化の必要性
資金力のある大手企業も次々と市場に参入し、きちんとしたマーケティング戦略を持つ企業とそうでない企業の差は、かつてないほど広がっています。同じ観光地・同じサービスを提供していても、プロモーションの有無が「選ばれるか・選ばれないか」を決めるようになりました。
言語と文化の壁
言語と文化の壁も、大きな課題です。英語をはじめとする多言語対応ができる企業とそうでない企業では、提供できるサービスの質そのものに差が出ます。この差が、そのまま外国人ゲストの満足度やリピート率に影響します。
旅マエの「見つけやすさ」
最も深刻なのが、「旅マエ(旅行計画時)」のネット上での見つけやすさです。どれだけ素晴らしいサービスを持っていても、旅行者が検索したときに表示されなければ、存在しないのと同じです。検索エンジン最適化(SEO)や広告戦略、そして予約までのスムーズな導線がなければ、競合に顧客を奪われ続けることになります。
つまりインバウンドプロモーションは、いまや「あると便利」ではなく、「実施しなければ生き残れない」戦略になっているのです。
成果を出すインバウンドプロモーション3つのステップ
インバウンドプロモーションを成功させるには、闇雲に施策を打つのではなく、段階的で戦略的なアプローチが欠かせません。私たちMILOKUは、次の順序を重視しています。
ステップ1:受け皿づくり(予約・検索環境の整備)
最初にすべきは、外国人ゲストが「予約できる」「検索で見つけられる」状態を整えることです。どれだけ優れた広告を打っても、予約ボタンがなければ意味がありません。検索しても競合ばかり表示されては、顧客は流出してしまいます。
ここで重要なのが、「顧客がどんなキーワードで検索するか」を逆算することです。自社が想定する言葉ではなく、実際の訪日客がどの言語・どんな単語で調べているのか。この顧客理解がなければ、その後のSEOもサイト設計も機能しません。多言語ホームページの制作やOTAの運用代行など、外国人向けの受け皿を総合的に整えることが第一歩です。
ステップ2:信頼と発見性の確保(口コミ・MEO・SEO)
受け皿ができたら、次は「見つけやすく、信頼される」環境づくりです。具体的には、Googleマップでの高評価と口コミ集積(MEO対策)、TripAdvisorなど旅行者向けプラットフォームでの露出拡大、自社サイトの多言語SEOによる上位表示です。
外国人ゲストは、他の旅行者の口コミを極めて重視します。良質な評価が集まれば、検索時の表示順位が上がり、信頼度も跳ね上がります。
ステップ3:流入最大化(SNS・海外向けPR・広告活用)
ここまで準備できて初めて、SNS運用や広告出稿によるプロモーションが機能します。受け皿がなければ、どれだけインプレッションを稼いでも無駄になるからです。SNS発信では、ターゲット国ごとに使われるプラットフォームと、その国の文化・トレンドに合わせたコンテンツが必須です。字幕をつけるだけの多言語化は失敗のもと。各地域に合わせた運用が成果を分けます。
効果的なインバウンドプロモーション施策5選
具体的な施策には多くの選択肢があります。大切なのは「すべてを闇雲に実施する」ことではなく、目的と予算に合わせて「効果の高い施策を組み合わせる」ことです。ここでは特に効果が期待できる5つをご紹介します。
1SNS・海外インフルエンサーマーケティング
Instagram、YouTube、Weibo、TikTokなど、ターゲット国で実際に使われるSNSを活用したプロモーションです。現地で影響力を持つインフルエンサーやKOL(Key Opinion Leader)の活用も有効ですが、多くの企業がつまずくのが「フォロワー数だけで選んでしまう」ことです。
重要なのは「自社の商品・サービスとの親和性」と「実際の購買につながるか」。費用対効果の見極めが難しいため、いきなり高額な報酬を払うのではなく、まずは体験や商品提供のみで協力してもらい、低コストで試すのがおすすめです。
2Web広告(Google広告・Meta広告)
Google検索広告やInstagram・Facebook広告など、ターゲット国のユーザーへ直接リーチできるデジタル広告です。最大の利点は「日本に関心がある層へピンポイントでアプローチできる」こと。複数言語での配信設定や、訪日中のユーザーに絞ったセグメント配信によって、高い精度での集客が実現できます。ただし多言語での運用体制が整っていないと、広告効果は半減します。
3OTA(オンライン旅行会社)・予約サイトの活用
TripAdvisor、Trip.com、Klookといった、訪日客が実際に予約を行うプラットフォームでの露出強化です。これらは旅行者の「検索→比較→予約」という行動の中心地であり、OTA内のSEO対策や店舗情報の充実度が、直接的に予約数へ影響します。継続的な更新・改善までカバーすることが成果につながります。
4観光案内所・駅・施設でのリアル媒体
空港、駅、観光案内所など、訪日客の移動動線上での接触施策です。サンプリング、デジタルサイネージ、駅ポスターなど、「旅ナカ」の顧客に直接アプローチできます。体験型サービス(例:忍者体験)と組み合わせることで、デジタルと現地の接点を最大化できます。
5人流データ・位置情報を活用したデジタル施策
移動経路検索アプリのGPSデータや、特定エリアの人流分析を活用し、そこに滞在しているユーザーへターゲット広告を配信する施策です。さらに進んだ活用として、観光地の混雑緩和を目的とした分散誘導も可能になります。
これら5つは、単体ではなく「組み合わせ」で初めて効果を発揮します。受け皿づくりが整った後に、段階的に実装していくことが成功の鍵です。
旅マエ・旅ナカ・旅アト:フェーズ別の最適な打ち手
訪日客の行動は、大きく3つのフェーズに分かれます。それぞれに適したアプローチを取ることが、最終的な来店・購買につながります。
旅マエ(出発前):認知拡大と予約促進
日本への旅行を計画している段階です。ここでのニーズは「日本の魅力を知ること」「どこへ行くか・何をするかを決めること」。SNS広告やWeb広告による認知拡大、OTAやGoogleマップでの情報露出が有効です。特に「ターゲット国の言語・検索キーワードで上位表示されること」が重要で、多言語SEOが欠かせません。事前決済や予約の仕組みがあれば、購買確度をさらに高められます。
旅ナカ(旅行中):来店促進と体験の充実
実際に来日したゲストへのアプローチです。ニーズは「リアルタイムな情報」「アクセスのしやすさ」「現地の口コミ」。位置情報広告で近くのゲストに来店を促し、Googleマップの口コミを積極的に集めることが重要です。体験型サービスでは、その場で撮影サポートを行いSNS投稿へ自然に導く方法も有効ですが、インセンティブ提供は規約違反となるため、サービスのオペレーション内に「口コミが集まる仕組み」を組み込むことがポイントです。
旅アト(帰国後):リピーター化と越境EC誘導
訪日経験を持つゲストの関心を保つフェーズです。SNSでのフォローアップやメール、コミュニティ形成を通じて、再来日の動機づけや、日本商品の購買(越境EC)へ誘導できます。3つのフェーズそれぞれに最適な打ち手を用意することで、初回来店からリピート、越境ECまでを一連の顧客ライフサイクルとして設計できます。
国・地域別のプロモーションのポイント
インバウンドプロモーションで見落とされやすいのが、「事業者のこだわりや商品の細かい特徴を、そのまま伝えようとしてしまう」ことです。日本人が思う魅力と、外国人が感じる魅力は大きく異なります。事業者の想いや歴史は、来店した後で知ってもらえば十分。プロモーションの段階では「無駄な説明を削ぎ落とし、必要な情報だけをシンプルに伝える」ことが鉄則です。
訪日客が本当に知りたいのは、 「いくらで、何ができて、どんな雰囲気か」——ほぼこの3点に尽きます。この基本情報を、国・地域ごとに見せ方を変えて届けます。
中国市場向け
コストパフォーマンスと「映え」を最優先に訴求します。価格に対する充実度や、SNSで話題になる体験かどうかという視点が強く、Weibo・WeChat・Alipayといった中国独自のプラットフォームでの発信が欠かせません。中国語での対応と現地決済インフラの整備が、直接的に売上を左右します。
東南アジア市場向け
ビジュアルと分かりやすさが重視されます。テキストよりも写真や動画によるシンプルな説明が効果的で、Instagram・TikTokなどビジュアル系SNSでのプロモーションが有効です。
欧米豪市場向け
サステナビリティ、文化体験、ユニークさといった「ストーリー性」を重視します。単なる商品説明ではなく、その体験が自分の人生にどんな価値をもたらすかという訴求が響きます。
MILOKUの実績:数字で見る「受け皿ファースト」
ここまでお伝えした考え方を、私たちMILOKUは実際の支援で成果につなげています。精神論ではなく、実データの一部をご紹介します。
MEO対策:Googleマップ閲覧数の変化
Googleビジネスプロフィール(GBP)の最適化と、AIを活用した口コミ返信運用をセットで実施した店舗では、閲覧数が大きく伸びています(数値はいずれも前年同月比の実数、店舗名は守秘のため「エリア+業態」で表記)。
| 店舗(エリア・業態) | 閲覧数の変化(昨対) | 増加率 |
|---|---|---|
| 浅草・蕎麦店 | 33,509 → 221,853 | 約6.6倍 |
| 浅草・もんじゃ店 | 29,411 → 160,371 | 約5.5倍 |
| 浅草・焼き鳥店 | 53,873 → 180,091 | 約3.3倍 |
| 浅草・串焼き店 | 111,718 → 332,817 | 約3.0倍 |
| 表参道・ワインバル | 90,379 → 181,614 | 約2.0倍 |
| 浅草・寿司店(新規開業) | 0 → 130,583 | 新規 |
もっとも伸びた浅草の蕎麦店では、閲覧数が前年同月比で約6.6倍(33,509→221,853)に。GBPを整え、口コミへ丁寧に返信する運用を続けたことで、来店前の接点が一気に増えました。
OTA対策:TripAdvisorでのエリア順位
OTAでは、各エリアで高い掲載順位を獲得しています。母数の大きさが、順位の価値を物語ります。
- 原宿・日本文化体験レストラン:渋谷区 7,091軒中 1位(トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト受賞)
- 浅草・忍者体験カフェ:浅草 991軒中 1位(トラベラーズチョイス受賞)
- 大阪・道頓堀 和食料理店:難波 724軒中 2位(トラベラーズチョイス受賞)
- 京都・祇園 飲食店:京都市 14,105軒中 9位(トラベラーズチョイス受賞)
- 浅草・うどん店:浅草 991軒中 9位
これまでに、大手回転寿司チェーン、複数の自治体・観光財団、エリアマネジメント団体、着物レンタル事業者、大衆演劇関連団体など、多様なクライアントを支援してきました。
成功事例に共通する「勘所」
成果を出し続ける企業や自治体には、共通点があります。それは「自社の商品・サービスに自信を持ち、全力で発信していること」、そして「課題に基づいた施策選定」と「データに基づく効果検証」を徹底していることです。
闇雲にあらゆる媒体へ広告を打つのではなく、受け皿づくりから始める段階的なアプローチを取り、口コミ集積やGoogleマップの評価向上といった「信頼構築」に注力したうえで流入施策を展開する。この優先順位を守っています。
そして最も大切なのが「継続性」です。単発の施策ではなく、月単位・年単位で活動を続けることで、初めて認知が定着し、予約へとつながっていきます。
まとめ:受け皿を整えてから、流入を最大化する
インバウンドコンサルの役割は、多言語サイト・MEO・OTA・SNS・広告といった施策を、ひとつの顧客動線として設計することにあります。そのうえで成果を分けるのが、「受け皿づくり→信頼構築→流入最大化」という順序です。
MILOKUは浅草で自社の体験型施設を運営し、日々訪日客と向き合うなかで得た知見を施策に還元しています。「訪日客を増やしたいが、何から手をつければいいか分からない」という段階からのご相談も歓迎です。コンサルティングは月額1万円から、ご予算・課題・業種に応じて必要な施策を組み合わせてご提案します。