多言語サイトのSEO対策|検索に強いグローバル集客の基本と実践
元浅草人力俥夫のMILOKU代表が、現場で培ったインバウンド集客のノウハウを公開。
多言語Webサイトの構築から、外国人観光客の検索行動に基づいたSEO対策まで徹底解説します。単なる翻訳では届かない、成果が出る実践的な戦略で御社のビジネスを成功へ導きます。
こんにちは、株式会社MILOKU(ミロク)代表の川名です。
私は現在、インバウンド集客のコンサルティングを行っていますが、その原点は浅草での人力俥夫としての経験にあります。雨の日も風の日も、世界中から訪れる観光客の方々と対話し、彼らが日本のどこに感動し、何に困り、そしてどうやってお店を探しているのかを、現場の最前線で見てきました。
現在はグループ会社で忍者体験カフェも運営しており、そこでの実店舗運営のデータも日々のコンサルティングに活かしています。
今回の記事では、海外市場への進出や訪日外国人観光客の集客を検討している企業様に向けて、多言語SEO対策とMEO対策について、技術的な側面も含めて徹底的に解説します。よくある表面的なノウハウではなく、現場で実践し、失敗と成功を繰り返して辿り着いた100%実話に基づく内容です。少し長くなりますが、これを読めばインバウンド集客の景色が変わるはずです。
目次
第1章:多言語SEOは翻訳だけでは失敗する
多くの企業がインバウンド対策を始める際、まず最初に行うのがWebサイトの翻訳です。日本語のサイトを英語や中国語に翻訳し、公開する。
しかし、残念ながらそれだけではアクセスは増えませんし、問い合わせにもつながりません。
なぜなら、言語が切り替わったとしても、その裏にある検索意図や文化的な背景まで考慮されていなければ、検索エンジンにもユーザーにも響かないからです。
私が人力車を引いていた時、そして今の忍者カフェでの経験から断言できるのは、外国人の検索行動は日本人のそれとは全く異なるという事実です。
例えば、私たち日本人が浅草でラーメン店を探す時、Googleで「浅草 ラーメン」と検索するでしょう。
しかし、欧米からの観光客は違います。彼らは「Best Ramen Near Me(近くの美味しいラーメン)」や、もっと広域な「Tokyo Ramen」というキーワードを使用することが非常に多いのです。
ここに大きな落とし穴があります。彼らにとって、浅草も渋谷も新宿も、すべてひっくるめて「Tokyo」という認識なのです。
実際に浅草にいる外国人観光客に「今どこにいるの?」と聞くと、多くの人が「東京にいる」と答えます。「浅草」という地名を具体的に認識して検索するのは、かなり旅慣れたリピーターか、事前に詳細な調査をしてきた一部の人に限られます。
実際に、現在運営している忍者カフェでも、当初は「忍者体験」という直訳に近い言葉ばかり意識していました。
しかし、彼らが本当に探しているのは「東京で子供と遊べる場所」や「雨の日でも楽しめるアクティビティ」という、旅の課題に対する解決策だったのです。そこに気づき、キーワードの選び方を根本から変えた途端、予約の入り方が劇的に変わりました。
つまり、私たちが一生懸命「Asakusa Ramen」というキーワードでSEO対策を行っても、そもそもの検索ボリュームが少なく、ターゲットとする層に届いていない可能性が高いのです。
多言語SEOを成功させるためには、単に言葉を置き換えるのではなく、ターゲットとなる国や地域の人が実際にどのような単語で、どのような文脈で検索しているかを徹底的に調査し、そのキーワードをサイト内のコンテンツに落とし込む必要があります。言葉の壁を超えるとは、単語を変換することではなく、彼らのニーズを深く理解し、その心の動きに寄り添うことなのです。これができて初めて、スタートラインに立てるのです。
第2章:多言語サイトの最適なURL設計
ここからは少し技術的な話に入ります。多言語Webサイトを構築する際、最も頭を悩ませるのが「URL構造」の設計です。これは一度決めて運用を始めると、後から変更するのが難しく、SEOへの影響も非常に大きいため、慎重に選ぶ必要があります。
一般的に、多言語サイトのURL構造には以下の3つのパターンがあります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自社の予算や体制に応じた最適な選択を推奨します。
- ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)を使用するパターン 例:example.fr(フランス向け)、example.de(ドイツ向け)など これは、国ごとに異なるドメインを取得する方法です。
メリット:検索エンジンに対して「このサイトはフランス向けです」と明確に伝えることができるため、特定の国(地域)へのターゲティング効果は最も高いです。その国での信頼獲得もしやすくなります。
デメリット:ドメインの取得費用や維持費がかさみます。また、国ごとに別々のサイトとして管理する必要があるため、運用コストが跳ね上がります。さらに、ドメインパワー(サイトの評価)が分散してしまうため、ゼロからのスタートとなり、SEOの効果が出るまでに時間がかかります。
- サブドメインを使用するパターン 例:https://www.google.com/search?q=fr.example.com、https://www.google.com/search?q=de.example.comなど メインのドメインの前に言語コードなどをつけて区別する方法です。
メリット:メインドメインとは別のサーバーで運用することが容易なため、システムが異なる場合や、大規模なサイトを展開する場合に適しています。
デメリット:検索エンジンによっては、サブドメインをメインドメインとは別のサイトとして扱う場合があり、メインサイトのSEO評価(ドメインパワー)を100%引き継げない可能性があります。
- サブディレクトリを使用するパターン 例:example.com/fr/、example.com/de/など メインのドメインの下層ディレクトリとして言語ページを展開する方法です。
メリット:これが現在、多くの企業に最も推奨されている方法です。最大の理由は、メインドメインの評価を全ての言語ページで共有できる点です。例えば、日本語ページで獲得した被リンクや信頼性が、新しく作った英語ページやフランス語ページの評価にもプラスの影響を与えます。また、一つのドメイン内で管理できるため、保守や更新の手間も少なく、低コストで導入可能です。
デメリット:一つのサーバー内で管理するため、サイト全体の構造が複雑になりすぎないよう、ディレクトリ設計をしっかり行う必要があります。
結論として、予算が潤沢にあり、特定の国で圧倒的なシェアを取りたい大企業を除き、ほとんどの中小企業や観光事業者にとっては「サブディレクトリ」での運用がベストプラクティスと言えます。既存のドメインパワーを活かしながら、効率的に多言語展開を進めることができるからです。
第3章:検索エンジンに伝わるタグ設定
URL構造が決まったら、次に行うべきは、検索エンジンに対する「言語の指定」です。
ただ英語のページを作っただけでは、Googleはそれが「日本語ページの翻訳版」であることや、「英語圏のユーザーに見せたいページ」であることを正確に理解できない場合があります。
そこで登場するのが「hreflang(エイチレフランク)タグ」です。これはHTMLのheadセクションに記述するコードで、検索エンジンに対して「このページは英語版です」「このページはフランス語版です」と明示的に伝える役割を果たします。
例えば、日本語ページ(example.com/ja/)と英語ページ(example.com/en/)がある場合、それぞれのページのHTMLに、お互いのページの存在を示すリンクを記述します。これにより、アメリカのユーザーが検索した時には英語ページを、日本のユーザーが検索した時には日本語ページを、自動的に検索結果に表示させることが可能になります。
このhreflangタグの設定を忘れると、検索エンジンが「内容が重複したコピーコンテンツ」と誤認してしまい、サイト全体の評価を下げてしまうリスクがあります。また、言語だけでなく「en-US(アメリカ英語)」「en-GB(イギリス英語)」のように、国ごとの言語の使い分けを指定することも可能です。
さらに、Webサイト内のページ構成を検索エンジンに伝える「XMLサイトマップ」の送信も重要です。多言語化によってページ数が一気に増えるため、クローラー(検索エンジンの巡回ロボット)が全てのページを見つけられない可能性があります。
新しい言語ページを追加したり、ブログ記事を更新したりした時は、必ずサイトマップを更新し、Google Search Consoleなどの管理画面から送信を行うようにしましょう。これにより、新しいページが早くインデックス(登録)され、検索結果に表示されるまでの時間を短縮できます。
第4章:表示速度を左右するサーバー選び
「海外向けのサイトを作るなら、現地のサーバーを使わないと表示速度が遅くなり、SEOに悪影響が出るのではないか?」 このような質問をよくいただきます。確かに、物理的な距離が遠ければ、データ転送に時間がかかり、表示速度が遅くなる要因にはなります。しかし、現代のWeb技術においては、サーバーの物理的な場所はそこまで致命的な問題ではなくなっています。
結論から言うと、日本のサーバーを使用していても全く問題ありません。実際に私たちが管理している多くのクライアント様のサイトは日本のサーバーに置いてありますが、海外からのアクセスでも十分な表示速度を維持しており、検索順位でも上位を獲得しています。
重要なのは「サーバーの場所」よりも「コンテンツの最適化」です。画像のファイルサイズを圧縮する、不要なJavaScriptの読み込みを減らす、ブラウザのキャッシュ機能を活用するなど、基本的な高速化対策を徹底することの方が、SEOへの貢献度は遥かに高いです。
また、どうしても速度が気になる場合や、世界中から大量のアクセスが見込まれる場合は、「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)」という技術の導入を検討してください。これは、世界中に配置されたキャッシュサーバーの中から、アクセスしたユーザーに最も近いサーバーからデータを配信する仕組みです。これを使えば、日本のサーバーにメインのデータを置きながら、ブラジルやヨーロッパのユーザーにも高速にページを表示させることができます。サーバーの移転という大掛かりな作業をせずとも、技術的に解決できる手段はいくらでもあります。
第5章:信頼を生むネイティブ翻訳の力
技術的な土台が整ったら、最も重要な「中身(コンテンツ)」の話に移りましょう。 冒頭でも触れましたが、日本語をそのまま翻訳しただけのコンテンツでは不十分です。特に、最近進化が著しいAI翻訳や自動翻訳ツールを使用する場合は注意が必要です。
AIは非常に便利で、翻訳の精度も飛躍的に向上していますが、それでも「文化的なニュアンス」や「感情の機微」を100%再現することは難しいのが現状です。
インタビューでも触れましたが、AIに英語の文章を書かせると、やたらと「Ultimate(究極の)」や「Unleash(解き放つ)」といった、日常会話ではあまり使わない大げさな表現を多用する傾向があります。ネイティブスピーカーから見ると、「なんだか不自然だな」「宣伝文句っぽいな」と違和感を抱かれ、信頼を損なう原因になりかねません。
また、宗教的な配慮や、その国特有のタブーなど、言葉の表面的な意味だけでは判断できない要素も多々あります。誤った表現で意図せず不快感を与えてしまっては、集客どころか炎上リスクにもつながります。
そのため、公開する記事や重要なページについては、必ずターゲット言語を母国語とするネイティブスピーカー、あるいはその分野に精通したプロフェッショナルによる「ネイティブチェック」を行うことを強く推奨します。 彼らの視点を入れることで、単なる翻訳ではない、現地の人の心に響く「生きた文章」に生まれ変わります。SEOの観点からも、Googleは「E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)」を重視しており、自然で質の高いコンテンツは高く評価されます。
第6章:実店舗集客の要。GoogleマップとMEO対策の極意
WebサイトのSEO対策(検索エンジンの上位表示)は重要ですが、飲食店や小売店などの実店舗ビジネスにおいては、それ以上に即効性があるのがMEO対策(マップエンジン最適化)です。
特にスマートフォンが普及した現在、観光客は旅先で「今すぐ行けるお店」を探すためにGoogleマップを多用します。皆さんも旅行先で「近くのカフェ」と検索した経験があるのではないでしょうか。
私が浅草で人力車を引いていた頃も、ガイドブックではなく、スマホの地図画面を指差して「ここの評価が高いから連れて行ってくれ」と言うお客様が本当に多かったです。彼らは今この瞬間の情報を信じて動いています。この時、地図上に自分のお店が魅力的に表示されるかどうかが、来店数を大きく左右します。
MEO対策でやるべきことは多岐にわたりますが、基本かつ最も効果的なのはGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させることです。店名、住所、営業時間などの基本情報を正確に入力するのはもちろん、魅力的な写真(料理、内観、外観)を数多く掲載することが重要です。
そして、見落とされがちなのが口コミ(レビュー)への返信です。口コミは、お客様からの貴重なフィードバックであり、お店の信頼度を表すバロメーターです。良い評価も悪い評価も、放置せずに必ず返信を行いましょう。
英語の口コミには英語で返すべきか、日本語も添えるべきか?という議論がありますが、基本的には相手が書いた言語と同じ言語で返すのがマナーであり、正解です。英語で書いてくれた方には英語で、中国語の方には中国語で返信します。
返信の目的は、まず第一にお客様への感謝(御礼)を伝えることです。私たちの忍者カフェでも、単にThank youと返すだけでなく、「手裏剣修行を楽しんでくれてありがとう」と体験内容に具体的に触れるようにしてから、お客様の反応や閲覧数が目に見えて変わりました。
さらに、SEO的なメリットもあります。返信文の中にAsakusa LunchやBest Sushiといった、検索で狙いたいキーワードを自然な形で盛り込むことで、マップ検索での露出が増える可能性があると言われています。ここでもAIを活用するのは有効です。全ての口コミに同じ定型文をコピペで返すのは悪手ですが、AIを使ってそれぞれの口コミ内容に合わせたオリジナルの返信文を作成し、それをスタッフが確認して投稿する。これなら手間を大幅に削減しつつ、丁寧な対応が可能になります。
第7章:AI検索時代(SGE)を見据えた未来のSEO
最後に、これからの検索のあり方について触れておきます。 Googleは現在、生成AIを検索結果に組み込んだ「SGE(Search Generative Experience)」という新しい検索体験を導入しつつあります。ユーザーが質問を入力すると、AIがWeb上の情報を要約して、回答を直接提示してくれる機能です。
「AIが答えを教えてくれるなら、Webサイトは見られなくなるのではないか?」 「AI対策として、何か特別なことをしなければならないのか?」 といった不安の声も多く聞かれます。
しかし、私の考えはシンプルです。「今まで通りのSEO対策を、より高品質に継続すること」。これが最大のAI対策になります。 なぜなら、AIが回答を作成するために参照しているのは、結局のところ、検索順位が高く、信頼性が高いと評価されている既存のWebサイトやブログ記事だからです。AIは無から知識を生み出すわけではありません。ネット上の確かな情報を元に回答を生成しています。
つまり、ユーザーにとって有益で、分かりやすく、信頼できる情報(一次情報)を発信し続け、従来のSEOで上位を獲得しているサイトこそが、AI時代にも選ばれ、参照されるサイトになるのです。 小手先のテクニックや裏技を探すよりも、現場で培った独自のノウハウや、お客様のリアルな声を反映したコンテンツを作り込むこと。それが、いつの時代も変わらない王道です。
まとめ
MILOKUと共に、世界中からのお客様を迎え入れましょう。
ここまで、多言語SEOとMEO対策について、かなり踏み込んだ内容をお伝えしてきました。 これらは一朝一夕で成果が出るものではありません。正しい設計、地道なキーワード調査、質の高いコンテンツ制作、そして日々の運用と管理。これらを積み重ねて初めて、世界中からのお客様があなたのお店を見つけてくれるようになります。
私たち株式会社MILOKUは、単なるWeb制作会社ではありません。 浅草の人力車で培った「おもてなしの心」と、忍者カフェ運営で得た「実践的な集客データ」、そして最新のWeb技術を融合させ、お客様のインバウンド事業を成功に導くパートナーです。
「Webサイトを作ったけれど反応がない」 「どの国をターゲットにすれば良いか分からない」 「社内に英語ができるスタッフがいない」
そんな課題をお持ちの方は、ぜひ私たちにご相談ください。 私たちが現場で汗をかいて掴んだノウハウと、数多くの成功実績を元に、御社の事業規模や予算に合わせた最適な戦略をご提案します。
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SNSインフルエンサーマーケティング:InstagramやTikTok、WeChatなど、各SNSの特徴を理解し、ターゲットに合ったインフルエンサーを選定しましょう。
デジタルツールによる効果測定:Googleアナリティクスなどのツールを活用し、施策のROI(投資対効果)を測定。データに基づいた改善を繰り返すことで、効率的に成果を上げられます。
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この記事を書いたのは・・・・
株式会社MILOKU 代表取締役 川名 友貴
千葉県鴨川市出身、双子の弟。
新卒でオリックス銀行へ入社後、浅草で人力車を始める。 人力車を通じて観光業の魅力に惹かれ、独学でインバウンド集客を学び始める。
人力車の傍ら、複数のインバウンド向け事業の立ち上げや集客を経験し起業。 現在に至る。
