【2026年最新】訪日外国人の集客方法6選|今すぐ始める実践ガイド
公開日: 2026年7月30日 | 更新日: 2026年7月30日
訪日外国人旅行者数は、いまも増加を続けています。2025年には過去最高を更新し、年間の旅行消費額は9兆円を超えました。ただ、観光客の数が増えることと、自社のビジネスが成果を上げることは別の話です。多くの事業者がぶつかっているのは、「どう集客すればいいのかわからない」「検索されるには何をすればいいのか」「受け入れ準備は何から始めるべきか」という、より根本的な課題です。特に、訪日外国人の消費行動が「モノ消費」から「本物の体験」へとシフトしている今、従来のマーケティング手法は通用しにくくなっています。
この記事では、訪日外国人を効果的に集客するための、具体的で実践的な戦略をお伝えします。受入環境の整備からオンライン集客、予約管理の最適化、業種別の施策パターン、戦略立案までを網羅しました。読み終えたとき、自社がどのチャネルから始めるべきか、どの環境整備を優先すべきかが明確になり、限られたリソースで最大の効果を生む戦略を描けるはずです。
この記事でわかること
- 訪日外国人の消費が「コト消費」へ移った背景と、その意味
- 集客の土台になる「受入環境整備」の具体的な進め方
- 「旅マエ」の旅行者に届くオンライン集客手法6選
- 予約が増えた後の運用効率化・DXの考え方
- 業種別の施策パターンと、自社に落とし込む戦略立案ステップ
訪日外国人集客の現状と「コト消費」へのシフト
訪日外国人の数は急速に伸びています。2025年の訪日外国人旅行者数は過去最高を更新し、旅行消費額も9兆円を突破しました。この成長は単なる「観光地巡り」の拡大ではなく、日本が提供する体験そのものへの強い需要から生まれています。
出典:観光庁「令和8年版観光白書」ほか
「モノ消費」から「コト消費」への転換
この成長を読み解くうえで欠かせないのが、かつての「モノ消費」から「コト消費」への根本的なシフトです。従来のインバウンド対策は、「何を買うか」という購買行動を中心に組み立てられていました。免税品や名産品といった「もの」の消費が主流だったのです。しかし近年、特に欧米圏からの訪日客を中心に、この傾向が大きく変わっています。
令和6年版観光白書によれば、娯楽等サービス費は2019年比で52%増(1人あたり平均9,097円)となった一方、買い物代は1%減少。白書はこれを「体験消費を含むコト消費の成長の兆し」と分析しています。
これは単なる統計の変動ではなく、訪日外国人が「日本で何を得たいのか」という価値観そのものの転換を示すものです。
求められる「本物の体験」
多くの訪日外国人、特に欧米系の旅行者が求めているのは「本物の体験」です。観光客向けにパッケージ化されたコンテンツではなく、地元の人々が実際に楽しんでいるものに触れたい、というニーズが強まっています。日本の家族連れも訪れるような飲食店で地元の味を体験したい。観光地化していない日常的なコミュニティに混ざってみたい。そうした「ローカルとの接点」を求める旅行者が、増え続けているのです。
マーケティング手法の見直しが必要になる
このトレンドは、インバウンド集客の戦略そのものを変えています。単に「多言語対応をしました」「SNSで発信しています」というだけでは、現代の旅行者には響きません。彼らはマーケティングの存在を認識したうえで、「本物」「ローカル」「自分たちだけが知っている」という価値を求めているからです。
体験の再設計と情報発信
こうした背景から、日本の観光事業者に求められるのは「体験の再設計」です。「外国人旅行者は、ここで本当は何を体験したいのか」「なぜ日本に来たのか」「地元の人と何を共有できるのか」——自社のサービスや商品を、こうした問いから捉え直すことが、これからの競争力を左右します。
そして、この体験価値を海外の旅行者に正確に伝える手段が、デジタルマーケティングです。多言語での情報発信、SNSを通じた動画コンテンツ、検索エンジン最適化によるターゲット層への直接的なリーチ——これらすべてが、「本物の体験」を求める旅行者に確実に届くための仕組みになります。
インバウンド集客の本質的な進化
訪日外国人を集客するとは、もはや「観光商品を売る」ことではなく、「日本の本質的な価値を世界に伝え、それを求める人々を迎え入れる」という文化的な営みへと進化しています。この認識に立つことが、2030年に向けた国の目標(訪日客6,000万人、消費額15兆円)を実現する第一歩となります。
集客の土台を作る!必須の受入環境整備
「本物の体験」を求める訪日外国人を集客することは重要です。しかし、いくら優れたマーケティングで顧客を集めても、受け入れる側の環境が整っていなければ、その努力は無駄になります。集客と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「受入環境の整備」であり、インバウンド集客最大のボトルネックはここにあります。
多くの事業者は「多言語対応すればいい」「キャッシュレス決済があれば大丈夫」と考えがちですが、これは根本的な誤解です。真の受入環境整備とは、訪日外国人が「検索から予約、来店、そして満足」に至るまでの全プロセスを、ストレスなく体験できるようにすることなのです。
キーワード戦略に基づいた情報整備
訪日外国人が来店や予約に至るまでのプロセスには、必ずどこかで「検索」が入ります。SNSで魅力的な投稿を見かけた後、「焼肉 東京」「忍者体験 京都」「おすすめ 日本文化体験」などと検索するのです。この検索の瞬間に、自社のウェブサイトやGoogleマップ、予約ポータルが見つかるかどうかが、極めて重要になります。
つまり、訪日外国人が実際に使う「検索ワード」を事前に洗い出し、それに対応した情報を自社サイトやOTA(オンライン旅行代理店)に整備することが、受入環境整備の第一段階です。これは単なる「翻訳」ではなく、海外の旅行者がどういう文脈で、どういう言葉で情報を探しているのかを理解する作業でもあります。
検索ニーズは、複数の層に分かれてピラミッド状に分布します。自社のサービスがどの層にマッチするのかを理解し、それぞれに対応した情報を用意することが必要です。
訪日外国人の検索キーワード・ピラミッド
上にいくほど検索数は多いが購買意欲は低く、下にいくほど検索数は少ないが「予約につながる」層になります。
自社のサービスがどの層にあたるかを見極め、各層に合わせた情報を用意することが受入環境整備の第一歩です。
予約導線の設計と決済の多様性
検索から来店に至るステップは、可能な限りシンプルにします。情報を見つけた後、旅行者には「このお店は本当に安全か」「キャンセルポリシーはどうなっているのか」「どうやって予約するのか」という不安が次々と生まれます。これらに多言語で明確に答えられるかどうかが、予約率を大きく左右します。
決済の多様性も欠かせません。クレジットカードは当然として、訪日外国人の国籍に応じた決済手段を用意します。中国からの観光客であればAlipayやWeChat Pay、その他の地域には主流の決済方法を提示することで、「このお店は自分たちのことを考えてくれている」という信頼感が生まれます。
オフライン環境の整備
多言語メニューの用意、スタッフの基本的な英語対応、無料Wi-Fiの設置、清潔で使いやすいトイレ、ゴミ箱の配置——こうした細部のすべてが、「日本の本物の体験」を際立たせる装置になります。ウェブサイトで期待値が高まった旅行者が、来店時に「期待通りだ」と感じられる環境こそが、リピート率や口コミにつながるのです。
受入環境整備は「対応」ではなく「競争力」。ストレスのない導線は機会損失を防ぎ、顧客満足度を高め、そして「口コミによる無料の集客」という最強のマーケティング資産を生み出します。
「旅マエ」にリーチするオンライン集客手法6選
訪日外国人が日本行きを決める前の段階、つまり「旅マエ」に、彼らはどのような情報探索を行っているのでしょうか。旅行の計画段階で認知を獲得し、検討段階で選ばれることが、その後の予約につながる——この時間帯の集客戦略こそが、インバウンド集客全体の成否を左右します。
訪日外国人が使う情報源は、国内の旅行者とは大きく異なります。動画プラットフォーム(YouTubeなど)やSNS(Instagram、TikTok、Facebookなど)が最も活用され、次いで個人のブログや口コミサイト、そしてGoogleマップも極めて重要な情報源です。これらで「見つかる」「選ばれる」ための具体的な施策を、6つに分けて解説します。
1SNS・動画プラットフォームの戦略的運用
Instagram、TikTok、YouTubeは、訪日外国人が日本の体験を探すとき最初に訪れるメディアです。特に若い世代にとって、「実際の様子が動画で見える」ことの価値は極めて高い。美しい映像、ストーリー性のある構成、そして「これは観光客向けではない、本物だ」と感じさせるコンテンツが求められます。
運用で重要なのは、「定期的な更新」と「ターゲット国の言語での字幕・キャプション」です。英語は最低限として、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語なども視野に入れると、より多くの層にリーチできます。ハッシュタグも、「Japan Travel」だけでなく「Authentic Japan Experience」「Local Culture Tokyo」といったニッチなものを組み合わせることで、検索意欲の高いユーザーに見つけてもらいやすくなります。
2Googleマップ(MEO)対策の徹底
Googleマップは、訪日外国人が「実際に行く場所」を探すときの最終確認ツールです。地名や店名で検索された際に、Googleビジネスプロフィールが充実していることが極めて重要になります。多言語での店舗情報、高品質な写真や動画、そして何より「最新の口コミへの丁寧な返信」が信頼を生み出します。
口コミは単なる評価ではなく、集客に直結するマーケティング資産です。ポジティブな口コミは他の旅行者の来店意欲を高め、逆に不適切な対応や情報の古さは大きな機会損失につながります。定期的な情報更新と、ユーザーからの質問への迅速な回答が、MEO対策の最重要課題です。
3海外OTA(オンライン旅行代理店)への戦略的掲載
Viator、GetYourGuide、Klook、Trip.comなどの海外OTAは、訪日外国人が体験型コンテンツを探す際の主流プラットフォームです。これらに掲載されることで、自社サイトを知らない層にも到達できます。
ポイントは「複数媒体への掲載」と「こまめな情報更新」です。各OTAのアルゴリズムは異なり、写真の質、説明文の充実度、価格の競争力、口コミスコアによって表示順位が変わります。掲載後の運用でどう売上を伸ばすか(ダイナミックプライシングなど)は、後述の「運用効率化」で詳しく扱います。
4自社Webサイトの多言語SEO対策
どの集客施策から流入したユーザーも、最終的には「公式情報」として自社サイトを訪れます。このサイトが多言語で、かつ検索エンジン最適化(SEO)されていることが重要です。
訪日外国人が使う検索キーワードは多様で、「焼肉 東京」から「authentic yakitori experience」「traditional Japanese barbecue」まで幅があります。こうした複数のキーワード層に対応した充実した英語(および他言語)コンテンツを用意することで、検索経由の直接流入を増やせます。これはOTA手数料を削減し、利益率を高める施策でもあります。
5Web広告(SEM・ディスプレイ広告)による直接的なリーチ
Google検索広告やFacebook・Instagram広告などの有料広告は、「旅マエ」のユーザーに効率的にリーチできます。旅行計画の初期に検索される「Japan Travel Guide」「Best Things to Do in Japan」といったキーワードに出稿すれば、認知段階から顧客を獲得できます。
効果を最大化する鍵は「ターゲット国の選定」「言語の最適化」「着地ページ(LP)の質」です。加えてリターゲティング広告を使えば、一度サイトを訪れたユーザーに継続的にアプローチし、予約決定を後押しできます。
6インフルエンサーマーケティングによる信頼構築
訪日外国人が体験を選ぶ際、「誰かがすでに体験して感想を発信している」という情報は極めて有力です。旅行系インフルエンサーやローカルガイドとのコラボは、広告以上の信頼性をもたらします。
重要なのは「フォロワー数の多さ」よりも、「ターゲット層と一致しているか」「コンテンツが本物志向か」です。たとえば日本の伝統文化に関心を持つ海外インフルエンサーに実際に体験を提供し、その制作プロセスやリアクションを自然なコンテンツとして発信してもらうほうが、多くの見込み客に高い信頼感を生みます。
これら6つは独立して機能するのではなく、相互に補完し合います。SNSで認知 → Googleマップで確認 → OTA・自社サイトで予約。このカスタマージャーニー全体を設計し、各タッチポイントで最適な情報と体験を提供することが、「旅マエ」集客成功の鍵です。
予約の取りこぼしを防ぐ!運用効率化とDXの推進
集客施策が成功し、複数のチャネルから予約が入るようになると、新たな課題が浮上します。それが「運用負荷の増加」です。海外OTA、自社サイト、Googleマップ、SNSの問い合わせ——複数の窓口から同時に予約が入ると、在庫管理やキャンセル対応の手間が一気に増えてしまいます。
成功を「課題」ととらえない
ここで必要なのは、認識の転換です。「現場が回らなくなるのは悪いことだ」という思い込みを捨てましょう。複数の予約窓口が機能し始めた状態は「市場が自社の価値を認めている」証拠であり、むしろ喜ぶべき状況です。その成功を「運用負荷」ではなく「ビジネスチャンスの最適化」として捉え直すことが出発点になります。
ダイナミックプライシングの活用
予約が殺到し始めたら、まず価格を上げることを検討してください。これは顧客を遠ざける施策ではなく、高単価・高品質な顧客層にフォーカスする戦略です。たとえば「1人5,000円」で毎日満席の体験なら、「1人7,000円」に上げても一定数の予約は入る傾向があります。結果として売上が伸びるだけでなく、現場の負荷が軽減され、提供できるサービスの質も上がります。単なる値上げではなく、市場との対話を通じた「最適化」です。
予約管理システムの一元化
次に重要なのが、予約管理システムの一元化です。複数のOTAや予約窓口から来た予約情報をリアルタイムで一つのシステムに統合すれば、ダブルブッキングの防止、キャンセル待ち管理、顧客情報の一元化が可能になります。こうしたサイトコントローラー機能を備えたシステムを導入すれば、現場スタッフは「どこからの予約か」を気にせず、「本日の来客予定」だけに集中できます。
事前決済システムの導入
事前決済システムの導入も有効です。訪日外国人観光客の「ノーショー(無断キャンセル)」は、特に体験型コンテンツで大きな課題です。予約時点で決済を完了させるモデルに変えることで、顧客側は「支払い済みだからしっかり来店しよう」というコミットメントが高まり、事業者側はキャッシュフローの安定と現場の確実性という利点を得られます。
自動化ツールの活用
運用効率化のための自動化ツールも欠かせません。予約確認メールのテンプレート化、キャンセル規定の自動案内、多言語での自動返信など、定型業務を自動化すれば、スタッフは顧客対応の本質的な部分に集中できます。AIチャットボットを導入すれば、外国語での基本的な質問対応(営業時間、アクセス、持ち物など)を24時間体制で行え、夜間対応の負担も大幅に減らせます。
データ分析による戦略的な意思決定
予約管理システムから得られるデータ(どのOTAから質の良い顧客が来るか、どのキーワードからの流入客が最もリピートするか、など)を分析すれば、次のマーケティング投資をより効果的な箇所に振り向けられます。たとえば「Viatorからの顧客は満足度が高い」という結果が得られれば、Viatorの掲載を充実させ、他媒体への投資は抑える、といった判断が可能になります。
完璧を目指さず、走りながら整える
最初の段階では、手作業による運用でも構いません。重要なのは「走り出すこと」「顧客の反応を見ること」「その反応に基づいて調整すること」です。多くの事業者は「システムを導入してから本格化させよう」と考えがちですが、これは逆です。実際に予約が増え始めて初めて「どこが最大のボトルネックか」が見え、本当に必要な運用効率化ツールやDX施策が判明します。
予約の取りこぼしを防ぐことは、単なる「予約管理」の話ではなく、「ビジネスを持続可能にする」という根本的な課題解決です。集客成功の次の段階では、この運用の最適化が、長期的な成長を左右する最重要テーマになります。
【業種別】訪日外国人集客の施策パターン
理論だけでは、どの施策がどう機能するのかは見えてきません。ここでは業種別に異なる業種の成功事例を通じて、インバウンド集客のリアルを紹介します。
飲食業:伝統文化と食体験の融合
東京のある寿司職人は、単なる「寿司レストラン」ではなく「寿司職人との対話体験」として、自社を再定義しました。Instagramで調理プロセスの動画を定期的に配信し、Googleマップでは「職人が寿司の背景にある日本文化について語る」という点を強調したのです。その結果、訪日外国人観光客からの予約が月間で3倍に増加。特に注目したのは、これらの顧客がSNS上で「本物の日本文化を体験した」という内容を拡散することで、さらなる口コミ集客が生まれたという点です。同店は後に、海外OTA(Viatorなど)にも掲載し、今では事前決済システムの導入で運用の安定性も実現させています。
小売業:ローカルコンテンツの戦略的発信
京都の伝統工芸品を扱う小売店は、単に商品を並べるのではなく「職人による制作プロセス」を動画コンテンツ化し、YouTubeで定期配信を始めました。また、Googleマップには多言語での詳細な商品説明と、外国人顧客からの口コミを積極的に掲載。さらに、店舗内にはQRコードを設置し、スマートフォンから各商品の背景にある歴史や職人のストーリーを確認できる仕組みを作ったのです。これにより、外国人観光客の来店数は月間で2倍に増加し、平均購買単価も50%上昇しました。
体験・アクティビティ業:ニッチキーワード戦略
浅草や原宿にも展開している忍者体験カフェは、単に「忍者体験 京都」という一般的なキーワードだけでなく「Authentic Ninja Training Experience」「Learn Samurai Philosophy」といった、より深い検索意欲を持つキーワードを徹底的に攻略することに注力しました。自社Webサイトの英語版を充実させ、忍者文化の歴史的背景から体験内容まで、網羅的な情報を提供。さらに、海外OTA(GetYourGuide、Klookなど)への掲載を強化し、各媒体で異なる訴求ポイント(欧米向けには「文化的価値」、アジア圏向けには「映え要素」)を展開したのです。結果として、直接予約率が全体の60%に達し、OTA手数料の削減に成功しました。
自治体・広域連携:地域ブランドの統合発信
ある地方自治体は、複数の市町村が散在する地域観光を「一つのストーリー」として再構成しました。「日本の田舎文化を学ぶ3日間ツアー」というコンセプトで、複数の体験施設や宿泊施設を組み合わせ、Viatorなどの海外OTAで「ツアーパッケージ」として掲載。Instagram、YouTubeでは、現地スタッフが実際に体験しながら「このエリアの魅力」を発信し、視聴者に「自分たちも行きたい」という気持ちを起動させたのです。結果として、訪日外国人の滞在日数が平均2日から5日に延伸し、地域全体の消費額が大幅に増加しました。
業種を超えて共通する要素
これらのパターンに共通するのは、「顧客が本当に求めているもの(本物、ローカル、深い体験)を正確に理解し、それを多言語で、複数チャネルを通じて一貫性を持って発信すること」です。そして、集客だけでなく「予約から体験まで、すべてのタッチポイントで期待値を上回る対応を実現すること」も同じくらい重要になります。
ここから見えてくるのは、インバウンド集客に「業種による差」はほとんどないということです。重要なのは、「自社の強みが海外の旅行者にはどう見えるのか」を徹底的に考え抜き、その洞察に基づいて行動することなのです。
インバウンド集客を成功させるための戦略立案ステップ
ここまで全体像、具体的な施策、業種別のパターンを見てきました。しかし「では、うちは何から始めるべきか」という問いは、まだ残っているはずです。このセクションでは、戦略立案の具体的なステップを順序立てて解説します。
STEP 1想いの確認——世界中の人を喜ばせたいか
すべての出発点はここにあります。インバウンド集客はテクニックだけでは成功しません。複数チャネルでの発信、長期的なSEO対策、受入環境の整備——これらすべての施策は、「自分たちのサービスや商品で、世界中の人々を本当に喜ばせたいのか」という一つの想いに支えられているからです。この問いに心から「Yes」と答えられるかどうかが、その後の行動力と継続力を大きく左右します。
STEP 2ターゲットの明確化
「世界中」は、実は曖昧です。世界中の誰もが自社のサービスを必要とするわけではありません。「自分たちは、どの国の、どの価値観を持つ、どの年代の人々を喜ばせたいのか」を徹底的に明確にします。たとえば忍者体験なら「日本の歴史と文化に深い興味を持つ、25〜55歳の欧米系旅行者」、寿司店なら「食の探究心が高く、職人の技に感動する、高単価消費層のアジア系・欧米系旅行者」といった具合です。ターゲット像が具体的であるほど、その後のコンテンツ制作、キーワード選定、プロモーション戦略のすべてが効果的になります。
STEP 3独自価値の発見
ターゲットが決まったら、「そのターゲットに対して、他社と異なるどんな価値を提供できるのか」を考え抜きます。これは自社の強みを「外部の視点から」再定義する作業です。老舗飲食店なら「歴史」「職人技」「現地の人にも愛されている」、地方の体験施設なら「手つかずの自然」「現地コミュニティとの交流」「本物の日本文化」が強みになるでしょう。この差別化ポイントが、ターゲットに「なぜ、あなたのところに来るべきなのか」という説得力を与えます。
STEP 4キーワード戦略
ターゲットと独自価値が決まったら、「そのターゲットは何という言葉で検索しているのか」を徹底的に洗い出します。これがすべてのマーケティング施策の「背骨」です。「Authentic Japanese Experience」で検索する人もいれば、「Samurai Culture Tokyo」「Traditional Crafts Workshop」で探す人もいます。これら複数のキーワード層を把握し、自社サイト、SNS、OTA掲載情報のすべてをこの戦略に基づいて設計することで、初めて「検索から予約まで」の流れが機能します。
STEP 5チャネル選定
「すべてのチャネルに同時に取り組む」という戦略は、ほぼ確実に失敗します。リソースが限られる中では、まず「ターゲットが実際に利用しているプラットフォーム」に絞り、そこに集中投下します。若い世代の欧米系旅行者がターゲットならInstagramとYouTube、経験豊かな中高年層ならブログやトリップアドバイザー、といった具合です。最初は「小さな実験」として1〜2チャネルで効果測定を行い、その結果に基づいてスケールさせるアプローチが効果的です。
STEP 6実行と改善
以上のステップを踏んだら、いよいよ実行です。ただし、ここが本当の「スタート」であり、重要なのは「走りながら調整する」姿勢です。予約数、顧客満足度、口コミの内容、SNS上の反応など、あらゆるデータを定期的に分析し、次のアクションに活かすサイクルを回します。「何が効果を生んでいるのか」「どこがボトルネックなのか」を把握するうえでは、専門家のサポートを受けることも有効な選択肢です。特に多言語コンテンツの改善、OTA運用の最適化、SNS発信の強化といった領域では、プロのコンサルティングが時間と効率を大きく改善します。
インバウンド集客は、小さく始め、反応を見て、調整する——この繰り返しの中で初めて「自社らしい、持続可能な集客体制」が構築されます。最初から完璧を目指すのではなく、まず一歩を踏み出すことが、成功への最短ルートなのです。
訪日外国人集客に関するよくある質問
Q訪日外国人集客は、何から始めればいいですか?
まずは「どの国の、どんな価値観を持つ人に来てほしいのか」というターゲットの明確化から始めるのがおすすめです。ターゲットが定まると、使うべき検索キーワードや注力すべきSNS・プラットフォームが自然に絞り込まれ、限られたリソースを無駄なく投下できます。いきなり全チャネルに手を広げるより、1〜2チャネルで小さく試し、反応を見て広げていく進め方が失敗しにくい方法です。
Qインバウンド集客にかかる費用の目安を教えてください。
施策の範囲によって大きく変わります。自社でSNS運用やGoogleビジネスプロフィールの整備を行う場合は低コストで始められますが、多言語Webサイト制作、SEO/MEO対策、OTA運用などを本格的に進める場合は相応の投資が必要です。MILOKUでは月額1万円からのコンサルティングをご用意しており、まずは自社に必要な施策の優先順位を整理するところからご相談いただけます。
Q多言語対応は、何語まで用意すればいいですか?
最優先は英語です。英語圏以外の旅行者も、情報探索の段階では英語を使うケースが多いためです。そのうえで、自社のターゲットや実際の来訪客の国籍に応じて、中国語(簡体字・繁体字)や韓国語を追加していくのが効率的です。すべての言語を一度に揃える必要はなく、来訪データを見ながら優先度の高い言語から整えていくのが現実的です。
Q小さな店舗や個人事業でも、訪日外国人集客はできますか?
できます。むしろ「観光客向けではない、地元の本物の体験」を求める旅行者が増えている今、小規模で個性のある店舗にとっては追い風です。大きな広告予算がなくても、Googleマップの整備や口コミへの丁寧な返信、SNSでの体験の発信といった施策から、着実に見つけてもらえる状態を作れます。規模よりも「自社の強みが海外の旅行者にどう見えるか」を考え抜くことが重要です。
Q効果が出るまで、どれくらいかかりますか?
施策によって異なります。OTA掲載やWeb広告は比較的早く反応が見えますが、自社サイトのSEOは成果が出るまで数か月単位の時間がかかるのが一般的です。だからこそ、短期で効く施策と中長期で効く施策を組み合わせ、データを見ながら調整を続けることが大切です。すぐに完璧を目指すのではなく、走りながら整えていく姿勢が、結果的に持続可能な集客につながります。
集客の前に、まず“受け皿”から。
MILOKUは「受け皿ファースト」の考え方で、多言語Web制作・SEO/MEO・OTA運用・SNS運用まで、訪日外国人集客をまるごと支援します。月額1万円からご相談いただけます。