2026年インバウンド市場予測と旅行トレンド|8兆円市場の先にある「質」の転換点
2024年、訪日外国人旅行者数は約3,687万人、旅行消費額は8兆1,257億円と、統計開始以来の過去最高を更新しました。続く2025年は、大阪・関西万博の開催を強力な推進力として、年間4,000万人の大台を突破。そして2026年、日本のインバウンド市場は単なる「客数の拡大」から「質の深化」、さらには旅行者が旅を通じて自らのアイデンティティを確立する「超個別化(ハイパー・パーソナライズ)」という新たなフェーズへと突入します。
本記事では、インバウンド向けのWebマーケティング支援を手掛ける代表取締役・川名 へのインタビューに基づき、現場のリアルな声と最新の調査データ、経済・為替の予測を交え、2026年のインバウンド戦略を圧倒的なボリュームで徹底解説します。
目次
- 1. 自己紹介と事業背景:現場の「熱」を知る支援者として
- 2. 2026年インバウンド市場の全体像:統計と「選ばれる理由」の分析
- 3. 経済状況と為替がもたらす影響:円安はいつまで続くか
- 4. 中国市場の現状と向き合い方:政治と生活の「分離」
- 5. 2026年の旅行トレンド:「The Era of YOU(自分らしさ)」の追求
- 6. デジタル技術とサステナビリティの融合
- 7. インバウンド市場の課題:観光公害(オーバーツーリズム)と地域共生
- 8. インバウンド市場に関するよくある質問(Q&A)
- 9. 結論:選ばれる者だけが勝つ10兆円市場
- 10. インバウンド集客の最適解を、現場の知見で導き出す「株式会社MILOKU」
1. 自己紹介と事業背景:現場の「熱」を知る支援者として
川名が強調するのは、自社が「プレイヤー」でもあるという強みです。
「このようにインバウンド向けの事業を自ら展開していることから、現場の声にも非常に敏感であり、現場に寄り添ったアドバイスができると自負しています。本日は、机上の空論ではない、実体験に基づいた2026年の予測をお話ししていきます」
2. 2026年インバウンド市場の全体像:統計と「選ばれる理由」の分析
2026年の市場を予測する上で、まず直視すべきは世界経済の動向と日本の相対的な立ち位置、さらに実際に現場で何が起きているかという一次情報です。
訪日外客数4,500万人への確かな足取り
日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年11月の訪日外客数推計値によると、11月単月で3,518,000人を記録し、前年同月比10.4%増となりました。累計では3,900万人を超え、前年の実績をわずか11ヶ月で上回るという驚異的な勢いを見せています。
川名氏は「外国人観光客の全体数は増加傾向にあり、この流れは今後も変わらない」と分析します。特に米国市場は主要市場の中でもトップクラスの伸びを見せており、休暇を利用した長期滞在が増えていることが、旅行消費額10兆円達成に向けた大きな原動力となっています。
熾烈化する「お金の使い道」の争奪戦
しかし、全体の数字が伸びる一方で、現場では変化も起きています。
「インバウンドビジネスを展開している企業の間では、競争が非常に熾烈になっています。外国人は増えているのに、一部の事業者では客が減ったという声も上がっています。これはひとえに、お客様にとっての選択肢が非常に増えた、お金を使う対象の選択肢が増えたことが要因です」
2026年は、単に日本にいるだけで集客できた「ボーナスタイム」が終わり、顧客が何を求めているのかを正確に把握し、最適なプランを提示できるかどうかが生き残りの重要な要素となります。
3. 経済状況と為替がもたらす影響:円安はいつまで続くか
インバウンド客の動向に直結するのが、為替、すなわち円安の動きです。
「日本旅行は依然として非常に人気です。直近では、日銀が政策金利を上げたものの円安が進んだという局面もありました。しばらくはまだインバウンド客が増えていくでしょう。海外の方にとって、日本は非常に旅行に行きやすい国としての地位を固めています」
2026年は、1ドル=140円台前半での推移が予測されています。極端な割安感はやや落ち着くものの、欧米諸国と比較した日本の物価水準は依然として低く、日本人が感じる物価高とは裏腹に、外国人にとっては「高品質なサービスをリーズナブルに楽しむことができる国」という認識が続く見込みです。
4. 中国市場の現状と向き合い方:政治と生活の「分離」
現在、観光業界を騒がせているのが中国政府による日本旅行の自粛に関するニュースです。2026年に向けて、この巨大な市場とどう向き合うべきでしょうか。
空室の目立つホテルと、訪日を続ける富裕層
川名氏は、中国市場の現状をこう分析します。
「確かに団体旅行者は大きく数を減らしました。その影響で、多くの観光地のホテルでは空室が目立っています。ただ、注目すべきは、中国の方々は政治と生活を完全に分けているという点です。一部の個人旅行者や富裕層に関しては、以前と全く変わらず日本に来ています」
渡航自粛は過去にもあり、今回も一時的なものと見られます。短期的には影響がありますが、中長期的には回復してくるものです。ただし、特定の国に頼りすぎる危うさも指摘します。
「中国の観光客に頼り切りになると、政治的な影響を大きく受けやすくなります。まんべんなく色々な国の方々を集客していくことが、安定した売上を作る一つのコツです」
5. 2026年の旅行トレンド:「The Era of YOU(自分らしさ)」の追求
Booking.comの予測によれば、2026年のテーマは「The Era of YOU – あなた自身の時代」へと進化します。
「個性を重視したスタイル」と地方への誘客
今、外国人旅行者の間で強いニーズとなっているのが「他の観光客があまりいないところに行きたい」という欲求です。
「日本旅行が世界的にもメジャーになった結果、有名観光地以外、つまり地元の方が通うようなお店やスポットに行きたいというニーズが高まっています。裏を返せば、現在は日本人しか集まっていないようなお店こそ、非常にチャンスがあると考えています」
ニッチでユニークな体験へのシフト
かつては忍者体験や芸者体験が王道でしたが、現在はより個性的でニッチなニーズが大きなシェアを占め始めています。
座禅体験や滝行: 精神的な充足を求めるウェルネスの動き。
寿司ワークショップ: 日本文化を深く学びたいという教育的関心。
こうした独自のコンテンツは、家族連れや個人旅行者の間でさらに人気を高めるでしょう。
6. デジタル技術とサステナビリティの融合
2026年、旅行者の意思決定プロセスにおいてAIと環境意識が重要な役割を占めるようになります。
AI活用とデジタルマーケティングの設計
旅行者がAIで旅行プランを立てたり、観光地を探したりするケースは劇的に増えています。 「これに伴い、各事業者さんはLLM(大規模言語モデル)対策や、GEO(地図エンジン最適化)対策なども非常に必要になってくるでしょう。2026年はこの傾向がさらに強まると予測されます」
自社のサイトが、AIによって「おすすめ」として提示されるためには、正確な情報発信と、topページから詳細ページにいたるまでの構造的な設計が不可欠です。
7. インバウンド市場の課題:観光公害(オーバーツーリズム)と地域共生
急激な観光客の増加に伴い、2025年に深刻化した観光公害の問題。2026年は「地域との共生」の実現が求められます。
住民との対話とマナー啓発
川名氏は「闇雲に海外の方を集めることには反対している」と言います。 「観光客が増えれば当然、地域からの反発の声も上がってきます。ここに関しては、各事業者が地域住民の方々と対話したり、海外の方へマナーの啓発・啓蒙活動を行ったりといった、一人ひとりの少しずつの気配りが重要です。迎える側も迎えられる側も気持ちよくなれる関係性を築くことが不可欠です」
デジタルによる人材不足の解消
深刻な観光人材の不足に対し、川名氏はデジタル技術の活用を提言します。 「必ずしもスタッフ全員が英語を喋れなければいけないわけではありません。現在はAIが発達し、モバイルオーダーや翻訳機能の精度も上がっています。デジタル技術を活用して多言語対応を進めるのは、非常に有効な方法です」
8. インバウンド市場に関するよくある質問(Q&A)
2026年に向けた戦略を練る上で、多くの事業者が抱く疑問に川名氏がお答えします。
Q1. 円高に振れた場合、インバウンド需要は激減しますか?
A1. 結論から言えば、激減はしません。1ドル=130〜140円台であれば、欧米市場から見て日本の物価は依然として割安です。また、現在の訪日客は「安さ」だけではなく、日本でしかできない「体験」を目的としています。価格競争ではなく、価値の提供にシフトしていれば、多少の為替変動は大きな障壁になりません。
Q2. AI対策(LLMやGEO)とは具体的に何をすればいいですか?
A2. まずはGoogleマップなどの正確な情報を英語・各国語で整備すること(GEO対策)が基本です。また、AIはウェブ上の構造化されたデータを読み取るため、自社サイトの情報を整理し、レビュー(口コミ)を多言語で蓄積することが、AIのおすすめに選ばれるための近道となります。
Q3. 地方の飲食店でも外国人を呼ぶことは可能ですか?
A3. はい、むしろ今は地方がチャンスです。外国人は「日本人が普段食べている本物の味」を探しています。派手な英語の看板を出す必要はありません。スマートフォンで読み取れる多言語メニューを用意し、SNSで「日本人に人気のお店」として発信するだけで、こだわりのある旅行者は必ず見つけてくれます。
Q4. インバウンド客が地方へ分散することで、東京や大阪のシェアは減少しますか?
A4. 統計上、地方への宿泊者数は増えていますが、東京や関西エリアのシェアが劇的に減少するわけではありません。むしろ、大都市を拠点(ハブ)として、そこから北海道や東北といった地方へアクセスする「広域周遊型」の旅が定着します。アクセスの利便性を高め、サイト等で「都市+地方」の組み合わせプランを最適に提案できるかどうかが、全体の売上を伸ばす鍵となります。
Q5. 2026年、海外の家族連れやZ世代に「選ばれる」ためのコンテンツとは何ですか?
A5. 家族層には「教育」と「エンタメ」の融合、Z世代には「自己表現」ができる独自性の高いコンテンツが最適です。日本人が普段当たり前に楽しむ文化(居酒屋や銭湯、地元の祭りなど)を、海外の方でも安心して利用できるように設計し直すことが重要です。単なる見学ではなく、交流や体験を通じて「自分だけの物語」をSNSで発信できる仕掛けを検討してください。Q6. デジタル技術の導入には大きなコストがかかりそうで不安です。
A6. 全てを一度に新しくする必要はありません。例えば、無料で利用できるAI翻訳ツールを接客に活用したり、自社ページのtopに最適なキーワードを配置して広告効果を高めたりといった、小さな施策から始めることが可能です。今回の概要でも触れたように、キャリアのあるスタッフの経験をデジタルで補完し、業務の構造を効率化することが、最終的に利益率の高い体制の実現に繋がります。9. 結論:選ばれる者だけが勝つ10兆円市場
2026年のインバウンド市場は、訪日客数4,500万人超、消費額10兆円を現実的な視野に入れた巨大市場となります。しかし、それは「誰もが恩恵を受けられる」段階から、ターゲットを絞り込み、デジタルとアナログを融合させた「選ばれる者だけが勝つ」市場へと変わります。
川名氏は最後にこう締めくくりました。 「我々弥勒は、現場で起きていることを誰よりも早くキャッチアップし、それをマーケティングに活かしています。2026年の成功の鍵は、変化を恐れず、常に最新の動向にアンテナを張っておくことにあります」
10. インバウンド集客の最適解を、現場の知見で導き出す「株式会社MILOKU」
2026年の激動する市場で勝ち残るためには、単なる知識としてのマーケティングではなく、「今、現場で何が起きているか」を熟知した戦略が不可欠です。
インバウンド集客のスペシャリスト集団である**株式会社MILOKU(弥勒)**は、以下の3つの強みを軸に、貴社のインバウンド事業を成功へと導きます。
① 圧倒的な「現場一次情報」の保有
MILOKUは、全国で「忍者体験カフェ」などを自社運営する実業家集団です。浅草、原宿、大阪、京都といった主要観光地の最前線で、毎日数百人の訪日客と接しています。「今、どの国の人が何を求めているのか」「何に不満を感じているのか」という、どの調査機関も持っていない生きたデータを、マーケティング施策に即座に反映させます。
② AI・デジタル技術を駆使した最新の集客設計
2026年のトレンドである「AIによる旅行プラン作成」に対応するため、LLM対策やGEO対策など、次世代のデジタルマーケティングをフルサポートします。サイトの多言語化から、SNS広告、MEO(マップ検索最適化)まで、「AIに選ばれ、ユーザーに刺さる」設計を構築します。
③ 具体的な「国別ターゲット戦略」の策定
「とりあえず外国人を呼びたい」という曖昧な計画では、2026年の競争には勝てません。MILOKUは、各国の文化背景や検索メディアの特性を分析し、貴社に最適なターゲット国と施策を明確に提示します。
「インバウンドに挑戦したいが、何から手をつければいいかわからない」 「集客はできているが、単価を上げ、より質の高い顧客を呼びたい」
そうお考えの事業者様、自治体様は、ぜひ一度株式会社MILOKUへご相談ください。現場を知り尽くした私たちだからこそできる、地に足の着いた、しかし革新的なソリューションを提供いたします。
▼2026年のインバウンド戦略について相談する(公式サイト) https://miloku.co.jp/
2026年、日本の観光業が真の意味で「量から質」へと進化を遂げるこの時を、共に成功へと繋げていきましょう。
【脚注・出典元】
[1] 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年11月推計値)」 [2] 観光庁「第4次観光立国推進基本計画」 [3] Booking.com「2026年旅行トレンド予測:The Era of YOU – あなた自身の時代」 [4] 観光庁「訪日外国人消費動向調査(2024年)」 [5] 全国免税店協会・国税庁資料「新免税制度(リファンド方式)の施行について」
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