海外SEO対策の完全ガイド|訪日外国人を集める多言語サイトの作り方
公開日: 2026年5月14日 | 更新日: 2026年9月3日
海外SEO対策の完全ガイド|訪日外国人を集める多言語サイトの作り方
「英語版のページは作った。でも、外国人からの問い合わせは1件も来ない」
私たちMILOKUに寄せられるご相談で、最も多いのがこれです。そして原因のほとんどは、同じ1点に集約されます。
自動翻訳を入れただけのサイトは、海外の検索結果に出てきません。
英語のページが「ある」ことと、英語で「検索に出る」ことは、まったく別の話です。
代表・川名は、浅草で人力車の車夫として外国人観光客と対面で接し、現在は忍者体験カフェなどの店舗を自社で運営しています。評論家ではなく、自分の店で施策を試している立場から、海外SEOで本当に効くことと、やらなくていいことを整理します。
1. まず用語を整理する|海外SEO・グローバルSEO・ローカライズSEOの違い
同じような言葉が並んでいて混乱しやすいので、最初に整理します。言葉の違いより、自分がどれをやるべきかの判別が重要です。
| 呼び方 | 何を指すか | 訪日集客での位置づけ |
|---|---|---|
| インバウンドSEO | 訪日を検討する外国人に、日本国内の店舗・施設を見つけてもらう施策 | これが本命 |
| 海外SEO | 日本語以外の言語・地域の検索エンジンで上位を狙う施策の総称 | ほぼ同義で使われる |
| グローバルSEO | 複数の国・言語に向けて同時に最適化する考え方 | 多国展開する企業向け |
| ローカライズSEO | 翻訳にとどまらず、文化・習慣・検索語まで現地に合わせる作業 | 成否を分けるのはここ |
| 多言語サイトSEO | 複数言語のページを検索エンジンに正しく認識させる技術面 | 土台。間違えると全部無駄になる |
MEO(Googleマップ対策)はすでに日本にいる人が「near me」で探すときに効きます。
海外SEOはまだ日本に来ていない人が旅行計画を立てる段階で効きます。
時間軸が違うので、どちらか一方では足りません。 両方を接続する必要があります。
2. なぜ翻訳しただけでは失敗するのか
2-1. 自動翻訳は、検索に乗らない
Google翻訳のウィジェットや、ブラウザの翻訳機能で「多言語対応できている」と考えている事業者は非常に多いです。しかし、これらは検索エンジンにインデックスされません。
英語の検索でヒットさせるには、最低限、別に英語のテキストを用意する必要があります。
自動翻訳は「来た人が読める」ための機能であって、「来てもらう」ための機能ではありません。
つまり、自動翻訳しか入っていないサイトは、海外SEOの土俵に上がってすらいない状態です。
2-2. 直訳は、商品を不味くする
これは私たちが実際に立ち会った例です。
辛子明太子。明太子を海外向けに直訳すると「魚の卵」みたいな表現になるんです。
すごく美味しくなさそうなんですよ。
同じ商品を、人の手を入れて 「博多スパイシーキャビア」 と表現し直したところ、反応がまったく変わりました。キャビアという既知の高級食材に接続することで、未知の食べ物が「試してみたいもの」に変わったわけです。
機械翻訳は、この判断ができません。
2-3. 直訳は、事故を起こす
そして、味の問題より怖いことがあります。
宗教的・文化的に許容されない言葉に変換されてしまうケースです。特定の食材の呼び方、動物の扱い、色や数字の意味。直訳は、こうした地雷を踏み抜きます。
英語があやふやなページは、それだけで不信感につながります。 一生に一度の旅行かもしれない相手に対して、これは致命的です。
2-4.「翻訳会社に出せば大丈夫」も、半分しか正しくない
翻訳会社に依頼すれば、文法的に正しい英語にはなります。しかしそれは検索対策にはなりません。
翻訳者は「日本語の原文を、正確に英語にする」ことを仕事にしています。一方で海外SEOに必要なのは、「英語圏の人が実際に打ち込む言葉に合わせて、原文ごと書き換える」作業です。
| 翻訳 | ローカライズ | |
|---|---|---|
| 目的 | 原文に忠実であること | 現地の人に伝わり、検索されること |
| 「明太子」 | spicy cod roe(正確) | Hakata Spicy Caviar(伝わる) |
| 「浅草の老舗」 | long-established shop in Asakusa | 100-year-old shop near Sensoji Temple |
| 見出し | 原文の見出しをそのまま訳す | 検索語に合わせて見出しごと差し替える |
「老舗」という概念は英語圏にありません。創業年数か、有名な目印との位置関係に置き換えるほうが伝わります。浅草寺(Sensoji Temple)は世界的に知られているので、そこからの距離で語るほうが「浅草」と書くより親切です。
「直訳ではなく、英語圏の観光客に伝わる表現に変えてください」と明示的に依頼してください。
そう言わなければ、翻訳者は原文に忠実な仕事をします。それが彼らの職業倫理だからです。
3. 海外の人が本当に欲しがっている情報は、3つだけ
自社で運営する忍者体験カフェでも、常に意識しているポイントです。
せいぜいこれくらいなんですね。とにかくこれが一番欲しい情報です。
それをクリアしてから、こだわりや魅力を見ていきます。
多くのサイトは、この順番が逆になっています。創業の想い、素材へのこだわり、職人の経歴。それらは3つをクリアした後に読まれるものであって、最初に置くものではありません。
□ トップに雰囲気が伝わる写真がある
□ 何ができる場所か、1文で書いてある
□ 料金が明記されている(「お問い合わせください」は離脱の原因)
□ 所要時間が書いてある
□ 予約方法が分かる
なぜここまで調べるのか
海外の人にとって、日本への旅行は一生に一度ということもある。
絶対に失敗をしたくないっていう気持ちで来るんですよね。
これは、僕らが海外旅行に行く時も同じ。じゃあどうするかっていうと、かなり調べるんですよ。
だから彼らは複数のチャネルを回遊します。SNSで見つけ、口コミを読み、OTAで比較し、最後に公式サイトで確認する。 ホームページは集客装置であると同時に、信用の担保として機能しています。
逆に言えば、公式サイトで確認できなかった時点で、そこまでの導線がすべて無駄になります。 SNSにいくら投資しても、最後の1ページで落ちるのです。
3-1. 英語ページの構成テンプレート
私たちが自社店舗と支援先で使っている、上から順に並べるだけの型です。
- 住所欄が日本の郵便番号形式で、海外の住所が入力できない
- 電話番号欄がハイフン必須で、国番号が入らない
- 氏名欄が「姓」「名」の順で、ミドルネームが入らない
- 日本語のエラーメッセージが出る
英語ページを作ったら、必ず一度、自分で最後まで予約してみてください。 ここで気づくことが最も多いです。
4. 見落とされている決定打|ページの表示速度
これは、他社の記事ではあまり書かれていない論点です。
海外の方って、普通に Free Wi-Fi を使う方がめちゃくちゃ多いんですよね。
Free Wi-Fi って速くないので、重たいページが開きづらい。
デザインが凝っていて、スクロールに合わせてアニメーションが動き、背景に動画が流れている。そういうサイトほど、現地では開かれません。
しかもGoogleは、ページの表示速度を評価指標に含めています。遅いサイトは、そもそも検索順位が上がりません。
軽さが最優先。 見栄えは、開いてもらえて初めて意味を持ちます。
凝ったトップページより、画像を圧縮した素早いページのほうが、成果は出ます。
5. 多言語サイトの技術要件
ここは土台です。間違えると、コンテンツをどれだけ作っても評価されません。
5-1. URL構造をどうするか
| 方式 | 例 | 向いているケース |
|---|---|---|
| サブディレクトリ | example.com/en/ | 中小事業者はこれで十分。 日本語サイトの評価を引き継げる |
| サブドメイン | en.example.com | 言語ごとに運用チームが分かれている場合 |
| 国別ドメイン | example.co.uk | 現地法人がある大企業向け |
迷ったらサブディレクトリです。 新しいドメインを取ると、評価をゼロから積み直すことになります。
5-2. hreflang を正しく設定する
同じ内容の日本語ページと英語ページがあるとき、Googleに「これは重複コンテンツではなく、言語違いです」と伝える記述が hreflang です。
これを設定しないと、日本語ページと英語ページが互いを食い合います。 自社の中でカニバリゼーションが起きる典型的なパターンです。
5-3. プラグインは、エンジニアに選ばせる
WPML、Polylang、Bogo など複数あります。案件ごとに条件が違うため、私たちは決め打ちしません。 サイトの規模、更新頻度、既存のテーマとの相性で最適解が変わります。
「有名だから」という理由でプラグインを選び、後から日本語ページのURLまで変わってしまい、検索順位を落とすケースがあります。
既存サイトに導入する場合は、URLが変わらないことを必ず先に確認してください。
5-4. hreflang の書き方
日本語ページと英語ページの両方の <head> に、互いを指す記述を入れます。
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/" />
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/en/" />
| 記述 | 意味 |
|---|---|
hreflang="ja" | 日本語話者にはこちらを見せる |
hreflang="en" | 英語話者にはこちらを見せる |
x-default | どれにも当てはまらない言語の人に見せるページ |
- 片方にしか書いていない — 相互に指し合っていないと無効です
- 相対パスで書いている — 必ず
https://から始まる絶対URLで書きます x-defaultがない — フランス語やタイ語の人が日本語ページに飛ばされます
多くの多言語プラグインは、これを自動で出力します。出力されているかどうかは、ブラウザでページを開いて「ページのソースを表示」し、hreflang で検索すれば確認できます。
5-5. インデックスされているか、自分で確認する
作ったページが検索エンジンに登録されているかは、誰でも今すぐ確認できます。
Googleの検索窓に、次のように打ち込んでください。
site:あなたのドメイン/en/
ここに英語ページが並んでいなければ、そもそも検索の土俵に上がっていません。 何件出るかを数えて、作ったページ数と合っているかを見てください。
さらに正確に見るなら、Google Search Console の「ページ」レポートです。
| 表示 | 意味 | やること |
|---|---|---|
| インデックス登録済み | 検索に出る状態 | 順位を確認する |
| クロール済み − インデックス未登録 | 見には来たが、登録する価値がないと判断された | 内容を厚くする |
| 検出 − インデックス未登録 | 存在は知っているが、まだ見に来ていない | 内部リンクを増やす |
| 重複しています | 日本語ページと同じ内容だと思われている | hreflang を確認する |
「クロール済み − インデックス未登録」が並んでいたら、自動翻訳を疑ってください。 中身が薄い、または日本語ページと実質同じだと判断されています。
6. キーワードは「翻訳」してはいけない
日本語のキーワードを英訳しても、それが現地で使われている言葉とは限りません。
| 日本語で考えた語 | 実際に検索されている語 |
|---|---|
| 忍者体験 | ninja experience Tokyo |
| 着物レンタル | kimono rental Asakusa |
| 人力車 | rickshaw ride Tokyo |
| 抹茶体験 | tea ceremony experience |
共通しているのは、ほぼ必ず地名が付くことです。日本人は「浅草 着物レンタル」と地名を先に置きますが、英語圏は 体験名 + 地名 の順で打ちます。
「Taito City」ではなく 「Asakusa」。「Chuo City」ではなく 「Ginza」。
行政区分ではなく、ガイドブックに載っている地名を使ってください。
彼らが知っているのは、行政区ではなく観光地名です。
検索ボリュームより「誰が検索しているか」
ボリュームの大きい語ほど、旅行前の漠然とした情報収集層が中心です。一方、具体的な語で検索している人ほど、予約に近い。
私たちは、ボリュームが小さくても予約意図が明確な語を優先します。月100回の検索で3件予約が入るほうが、月10,000回で0件より価値があります。
6-1. 現地で使われている語を、無料で調べる方法
高価なツールがなくても、精度の高い調査ができます。
5番目が最も価値があります。 口コミには、事業者が思いつかない表現が並んでいます。「hidden gem」「off the beaten path」「worth the detour」——こうした語は、日本語から翻訳しても絶対に出てきません。
すでに外国人のお客様が来ているなら、その人たちが書いた口コミが最高の教材です。
彼らがあなたの店を何と呼んでいるか。それをそのままページの見出しに使ってください。
7. サイトの外側を揃える|サイテーションと表記統一
海外SEOは、自社サイトの中だけでは完結しません。
ウェブ上のすべての場所で、店名と住所の表記が一致している状態が重要です。
- ホームページ
- SNS各アカウント
- OTA各社(Booking.com、Agoda、じゃらん等)
- Googleビジネスプロフィール
- ネット記事
半角・全角のレベルまで揃えます。 表記が統一されていると、Googleに「同一の事業者である」と正しく認識され、評価にプラスに働きます。地味ですが、多くの事業者が見落としている部分です。
Googleビジネスプロフィールの施設名にキーワードを足す手法は、現在はポリシー違反です。順位が下がるリスクがあります。
どうしても名称を変えるなら、この順番を守ってください。
- 先に現地の看板を変える
- その状態で外観写真を登録する
- そのうえで施設名を変更する
看板と施設名が一致していないと、Googleに認知されない事態が実際に起きています。
8. やらなくていいこと
ここは、他社があまり書きません。売り物を否定できるのは、他に売るものがある会社だけだからです。
□ 全言語をいきなり作る — まず英語だけを作り込む。中国語・韓国語は後で十分
□ 凝ったアニメーション — Free Wi-Fi で開けません
□ 創業ストーリーをトップに置く — 3つの情報の後で読まれるもの
□ 有料の翻訳ツールへの過剰投資 — 主要ページだけ人の手を入れれば足ります
□ 被リンクの購入 — 効果がないどころか、ペナルティのリスクがあります
言語の優先順位
| 順位 | 言語 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 英語 | 読める人が圧倒的に多い。まずここに全力を注ぐ |
| 2 | 繁体字・簡体字 | 台湾・香港・中国 |
| 3 | ハングル | 韓国 |
コストを抑えたい場合は、日本語と英語だけを作り込み、他は翻訳プラグインで対応する方法もあります。中途半端に5言語作るより、英語1言語を作り込むほうが成果は出ます。
9. 業種別の勘所
300社以上を支援してきた中で、業種によって効きどころが明確に違うことが分かっています。
| 業種 | 最優先で直すところ | 見落とされがちな点 |
|---|---|---|
| 飲食店 | メニューの英語表記と写真 | アレルギー・ベジタリアン・ハラル表記。書いてあるだけで選ばれます |
| 宿泊施設 | OTAと公式サイトの表記統一 | チェックイン時間の24時間表記。門限の有無 |
| 体験施設 | 所要時間と、当日の流れ | 服装の指定。「何を持っていけばいいか」 |
| 物販・土産 | 免税対応の有無を明記 | 発送可否。「持ち帰れるサイズか」 |
| 美容室・サロン | 施術メニューと所要時間 | 「英語が話せなくても大丈夫」と書くこと自体が来店の後押しになる |
「外国人歓迎」と書いてあるかどうか。
言語の壁を心配して問い合わせをためらう人は非常に多い。
「English menu available」「英語が話せるスタッフはいませんが、写真でご案内します」——
正直に書くほうが、来店につながります。
10. 何から始めるか|最初の30日
いきなり全部はできません。順番をつけます。
site: 検索でインデックス数を数える。予約フォームを自分で最後まで通してみる1ヶ月で英語ページを1枚。 これで十分です。10ページを自動翻訳で作るより、1ページを人の手で作るほうが成果が出ます。
効果はいつ、どこで見るか
インデックスされるまでに数週間、順位が安定するまでに3〜6ヶ月かかります。
1ヶ月で「効果がない」と判断して施策をやめてしまうのが、最も多い失敗です。
見るべき指標は、この順番です。
| 順 | 指標 | どこで見るか |
|---|---|---|
| 1 | インデックス数 | Search Console「ページ」 |
| 2 | 表示回数 | Search Console「検索結果」を国別に絞る |
| 3 | クリック数 | 同上。表示回数が増えてから見る |
| 4 | 問い合わせ・予約数 | 最終的にはこれだけが成果です |
表示回数がゼロなら、順位を見ても意味がありません。 まず表示されることが先です。
11. 英語の口コミが、検索に効く
見落とされがちですが、口コミは海外SEOの一部です。
英語で書かれた口コミが増えると、その中の言葉が検索とページを結びつけます。お客さん自身が「ninja experience」「near Sensoji」と書いてくれるからです。自分で書くより信頼される表現が、無料で蓄積されていきます。
口コミには「強さ」の差がある
同じ星5でも、価値はまったく違います。
つまり 「星5を100件集める」より、質の高い口コミを狙って集めるほうが効率的です。
インフルエンサーなど依頼できる相手には、遠慮せず具体的にお願いしてください。
「動画付きで」「◯◯という言葉を入れて」と伝えるだけで、効果が変わります。
発覚すると口コミが一括削除されたり、ビジネスプロフィールに制限がかかることがあります。
短期的に数を稼いでも、失うもののほうが大きい。 依頼するなら対価なしでお願いしてください。
12. 現場から見えていること
代表・川名は、浅草で人力車の車夫として1年、その後マーケティング担当として2年、同じ場所を見続けてきました。多い日で1日10組以上のお客様を乗せています。
その定点観測から見えた変化です。
| 時期 | 外国人の比率 |
|---|---|
| コロナ前〜コロナ禍 | 日本人がほぼ100%の日が続いた |
| コロナ明け以降 | 4:6 〜 5:5 へ。外国人が増え続けた |
国別ではアメリカが最多。近年は富裕層の比率が上がっています。
意外な発見|「日本人がいること」が価値になる
日本人がいる観光地っていう要素も非常に重要だと思っていて。
地元の方が遊びに来るような場所に、僕らも海外旅行で行きたいじゃないですか。
それと一緒で、浅草は日本人の観光客がいるからこそ日本らしさがあって、そこに外国人が集まっている。
これは、サイトに載せる写真の選び方に直結します。
外国人客の写真だけを並べたページは、「外国人向けの観光地化した場所」に見えます。 彼らが求めているのは、地元の人が実際に使っている本物の店です。
日本人のお客様が写っている写真も、意図的に混ぜてください。
「observed by locals」「where locals go」は、英語の口コミで実際に使われる褒め言葉です。
13. 費用の考え方
最初にやるべきことの多くは、無料です。 店名と住所の表記統一、料金の明記、予約フォームの動作確認。これらに費用はかかりません。
英語ページを作ったきり、2年間更新されていないサイトを何度も見てきました。
料金が変わっているのに古い価格が残っている、休業日が反映されていない——
間違った情報は、ないより悪い。 更新できる範囲でだけ作ってください。
14. 実際にやってみて分かったこと
私たちは、自社で忍者体験カフェを運営しています。人に勧める前に、自分の店で試しています。
そこで分かったのは、多言語化の効果は、単独では出にくいということです。
英語ページを整えても、SNSでの露出がなければ検索母数が増えません。逆にSNSでバズっても、受け皿となるページが英語で用意されていなければ予約に至りません。
受け皿(Webサイト・MEO)を先に整えてから、露出(SNS・広告)を増やす。
順番が逆になると、せっかく集めた関心が、そのまま流れていきます。
私たちが支援した事例では、SNSのフォロワーが数十万人いるにもかかわらず、来店にまったくつながっていないケースがありました。原因は、受け皿が日本語のままだったことでした。
15. よくある質問
Q. 英語ページを作れば、すぐ検索に出ますか?
いいえ。インデックスされるまでに数週間、順位が安定するまでに3〜6ヶ月を見てください。Search Consoleでインデックス登録をリクエストすると、多少早まります。
Q. 中国からのアクセスはGoogleが使えないのでは?
その通りです。中国本土向けはBaiduやWeChat、小紅書(RED)が中心になります。Google前提の施策とは別に考える必要があります。
Q. AI検索(生成AI)が普及したら、SEOは意味がなくなりますか?
いいえ。AIが回答を作る際の参照元も、結局は検索エンジンが評価したページです。一次情報と具体性のあるページほど引用されやすい傾向があります。むしろ、他社の言い換えで書かれたページの価値が下がります。
Q. 既存の日本語サイトを英語化するのと、新しく作るのはどちらが良いですか?
既存サイトにサブディレクトリで追加するほうが有利です。日本語サイトが積み上げてきた評価を引き継げます。
Q. 英語ページを作ったのに、順位がまったく上がりません。
次の順番で確認してください。上から順に、1つでも該当すればそこが原因です。
| 確認すること | 該当したら |
|---|---|
site: 検索で英語ページが出るか | 出なければインデックスされていません。自動翻訳を疑う |
| ページに英語のテキストが実在するか | ウィジェット翻訳なら、書き起こしが必要です |
| hreflang が相互に設定されているか | 日本語ページと食い合っています |
| 料金と所要時間が書いてあるか | 書いていなければ離脱しています。順位以前の問題 |
| ページの表示が3秒以内か | 遅ければ評価が上がりません |
| 公開から3ヶ月経っているか | 経っていなければまだ判断できません |
Q. 多言語対応と、MEO(Googleマップ対策)はどちらを先にやるべきですか?
すでに来店客がいるなら、MEOが先です。 Googleビジネスプロフィールは無料で、反応も早い。一方、まだ知られていない施設なら、Webサイトを整えてからでないと受け皿がありません。
Q. 社内に英語ができる人がいません。
問題ありません。「英語対応スタッフはいませんが、翻訳アプリと写真でご案内します」と正直に書くほうが、来店につながります。過剰に見せて現場が困るより、期待値を正しく設定するほうが口コミも良くなります。
まとめ
海外SEOで成果が出ない原因は、技術的な難しさよりも、順番と優先順位の間違いにあります。
- 自動翻訳をやめ、英語のテキストを別に用意する
- 雰囲気・内容・料金の3つを、最初に出す
- ページを軽くする
- サブディレクトリ+hreflangで土台を整える
- 地名付きの、現地で実際に使われている語を狙う
- サイト外の表記を統一する
この順番で進めれば、多くの事業者が今の位置から一段上がります。
「英語ページはあるが、問い合わせが来ない」——その原因を、具体的にどこを直せばよいかの粒度でお伝えします。
浅草で自ら店舗を運営し、300社以上を支援してきた立場から、優先順位をつけてご説明します。