【2026年最新】インバウンド集客の方法9選|自分で店をやって分かった「効くもの」と「要らないもの」
公開日: 2026年9月3日 | 更新日: 2026年9月3日
【2026年最新】インバウンド集客の方法9選|自分で店をやって分かった「効くもの」と「要らないもの」
訪日外国人旅行者は過去最高を更新し、インバウンド消費額は10兆円に迫っています。それでも「うちには外国人観光客が来ない」というご相談が、私たちMILOKUには毎週のように届きます。
理由ははっきりしています。やるべきことの順番と、予算の配分を間違えているからです。
この記事では、インバウンド集客の方法を9つ紹介します。ただし、方法を並べるだけの記事にはしません。私たちが自分で失敗した事例と、やらなくていいことまで書きます。
私たちMILOKUは、浅草で忍者体験カフェや食品サンプル製作体験カフェを自社で運営しています。支援する立場であると同時に、自分たちも集客に苦しむ当事者です。そして代表・川名は、浅草で人力車の車夫として現場に立ち、その後マーケティング担当として人力車業界にいち早くWeb施策を持ち込みました。
評論ではなく、自分の店で試した結果としてお伝えします。
インバウンド集客とは?いま対策が求められる背景
インバウンド集客とは、訪日外国人観光客に自社のサービスを見つけてもらい、来店・予約につなげる一連の施策を指します。多言語対応、SNSでの情報発信、Googleマップの整備、OTA(予約サイト)への掲載などが含まれます。
まず、市場の全体像を数字で押さえておきます。
訪日外国人は4,268万人。消費額は9兆円を突破
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2025年の訪日外客数は初めて4,000万人を突破しました(2024年は3,687万人)。観光庁のインバウンド消費動向調査でも、旅行消費額は暦年として過去最高です。
市場は確実に拡大しています。
「減った」という数字の、中身を見てください
一方で、2026年に入ってから減少を伝えるニュースが増えました。
2026年6月の訪日外客数は314万8,600人。前年同月比6.8%減です(JNTO 訪日外客数 2026年6月推計値)。数字だけを見れば、たしかにインバウンドは縮小しているように映ります。
しかし内訳を開くと、逆の景色が見えてきます。
全体を押し下げていたのは中国だけです。他の市場は伸びています。
つまり、いま起きているのは市場の縮小ではありません。「分散」です。
中国からの旅行者を前提に受け入れ体制を組んでいる施設は、伸びている国のお客様を静かに取りこぼします。逆に、複数の国に向けて情報を発信できている施設は、いまも数字を伸ばしています。
この構造変化については、訪日客6.8%減の裏側|中国客半減でも過去最高!?儲かる店の共通点で詳しく解説しています。消費の中身がどう変わったかはインバウンド消費額はなぜ過去最高なのか|統計と浅草の現場から見える「欧米豪シフト」の実態をご覧ください。
インバウンド集客の対策が必要な理由は、市場が伸びているからではありません。中身が変わっているからです。
【失敗事例】フォロワー40万人でも、外国人客は増えませんでした
方法を紹介する前に、私たちの失敗をお話しします。この失敗に、インバウンド集客の本質が詰まっているからです。
ある体験事業のお客様で、SNS運用を担当したことがあります。
結果は、フォロワー40万人。数字だけを見れば大成功です。運用としては、文句のつけようがありません。
それなのに、外国人のお客様はほとんど増えませんでした。
原因は「調べ方」の読み違いでした
なぜこうなったのか。海外の旅行者が情報をどう探すか、その行動を読み違えていたためです。
海外のお客様は、SNSで動画を見て「面白い」と思っても、その店舗名までは調べません。 ましてや、映っていたスタッフの名前で検索することはありません。
彼らが次に取る行動はこうです。
「rickshaw(人力車)」のような、一般名詞で検索する。
固有名詞ではなく、一般名詞です。
つまり、その検索結果で自社サイトやOTAが出てこなければ、SNSで生まれた「行ってみたい」という気持ちは、そのまま競合へ流れていきます。
SNSは需要を作る。回収するのは検索です
構造にすると、こうなります。
どれだけ認知を広げても、検索結果に自社がいなければ、そこで導線が切れます。
SNSとSEO・MEOは、どちらか一方では成立しません。
片方だけに予算を寄せると、フォロワーが40万人いても売上が動かないという事態が起こります。私たちは実際にそれをやってしまいました。
だからこの記事では、SNSだけでも、SEOだけでもなく、全体をどう組むかをお伝えします。
私たちが実際にクライアント対応で使っているインバウンド集客チェックリストを無料で差し上げます。
GoogleビジネスプロフィールとTripAdvisorの設定項目を、抜け漏れなく確認できます。
インバウンド集客の方法9選
ここからが本題です。私たちが自社店舗とお客様の現場で実際に使っている方法を、9つ紹介します。
1. Googleビジネスプロフィール(MEO)— 順位ではなく「露出キーワード」を見る
外国人観光客がその場で店を探すとき、最も使われるのがGoogleマップです。ここを整えることが出発点になります。
ただし、多くのMEO対策会社が追いかけている「特定キーワードでの順位」に、私たちはあまり意味がないと考えています。
Googleマップの順位は位置情報に大きく左右されますし、そもそも観光客は順位をあまり見ていません。彼らはよく調べる人たちです。
見るべきは、どれだけ多様なキーワードで表示されているかです。
管理画面のパフォーマンスを開いて、流入キーワードを確認してください。店名やジャンル名の周辺だけで止まっているなら、改善の余地があります。「ディナー」「ランチ」といった目的の語や、ジャンル外の料理名まで取れている状態が理想です。
具体的な整備項目は次の通りです。
- ビジネス名に地名を入れる。キーワードの詰め込みは違反ですが、地名は許容されます。「浅草」だけでは海外に弱いため、「東京」を入れることが重要です
- カテゴリはメインとサブで最大5つ。運用上は3つ程度が基本です
- 説明文は最大750文字。この文章はほとんど読まれないので、検索される語で埋めます
- 開業日、電話番号、メニューのリンク、ソーシャルプロフィールなど、項目をすべて埋める
- 写真は30〜40枚以上。動画も掲載します
項目をすべて埋めることと、更新頻度を保つこと。この2つが評価に効きます。
実際にどれくらい変わるのか
浅草東京 更科天狐様(十割そば・天ぷら)では、
Googleビジネスプロフィールの多言語化とキーワード設計を行った結果、
2025年12月末〜2026年1月末の1ヶ月で、前年同期比が次のように変化しました。
やったことは、この記事に書いてある基本の項目だけです。特別な機能への課金はしていません。
他の事例では、くくりひめ珈琲様がGoogleマップの閲覧数259%UP、
Château Marine by SUNGA KAMAKURA様(高級貸別荘)が月287件の実来店アクションを記録しています。
具体的な手順はMEO対策の完全ガイド|訪日外国人をGoogleマップから集客する方法と成功事例にまとめています。飲食店の場合は飲食店のMEO対策とは?メリットや集客を成功させるコツ・事例、キーワードの決め方はMEO対策キーワードの選び方完全ガイドが参考になります。
2. 口コミ — 総数より「頻度」が効く場面があります
口コミはインバウンド集客の中核です。放っておくと、不満を持ったお客様だけが書き込みます。集めないと、悪い評価だけが溜まっていく構造になっています。
そして、口コミには「強さ」の差があります。
同じ星5でも、価値は同じではありません。依頼できる相手には、動画付きで、狙っているキーワードを入れて投稿してもらうよう、具体的にお願いしてください。
なお、Googleのポリシーでは、口コミの投稿と引き換えに割引や無料の商品・サービスを提供することは禁止されています。「虚偽のエンゲージメント」に該当します(Google:禁止または制限されているコンテンツ)。
違反すると口コミが削除されるだけでなく、一定期間、新しい口コミを受け取れなくなる可能性があります(ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限)。
さらに2023年10月からは、景品表示法のステルスマーケティング規制も施行されています。違反した場合は措置命令の対象となり、事業者名が公表されます(消費者庁:ステルスマーケティングに関するQ&A)。
口コミを集めようとして、口コミを受け取れなくなる。これが最も痛い結果です。対価を渡さず、満足度が最高の瞬間に正面からお願いするのが最も安全で、実は最も効きます。
飲食店での具体的な集め方は【2026年版】失敗しない飲食店インバウンド対策・事例でも触れています。
3. TripAdvisor — 欧米豪の旅行者に届く数少ない経路
欧米豪からの旅行者にとって、TripAdvisorは実質的な選択肢として機能しています。
私たちが支援した浅草うどん様(浅草寺裏の讃岐うどん店)では、TripAdvisorの順位が473位から2位まで上昇しました。浅草のレストラン1,000軒以上のなかでの順位です。
口コミは数件の状態から100件超になりました。
ここで重要なのは、プレミアム機能への課金も、TripAdvisor広告の出稿も行っていないということです。
TripAdvisorで効くのは、口コミが投稿され続けている頻度です。Googleが総数を重く見るのに対し、こちらは頻度で動く印象があります。これが意味するのは、後発でも上位を狙えるということです。
実務としては、施設の説明文を英語ベースで作って各言語へ展開すること(最大990文字まで使えます)、メニューを手動で登録すること、料理ジャンル等を最大5つまで埋めることが基本になります。登録内容には審査があり、言語によっては反映されないことがあるため、通らなかったものは登録し直してください。
この事例の詳細は【2026年最新】飲食店インバウンド集客|TripAdvisor 473位→2位を実現した具体策と成功事例5選で解説しています。食べログの活用は【保存版】食べログで外国人観光客を呼び込む!今日からできるインバウンド集客術をご覧ください。
4. SNS運用 — 媒体ごとにルールがまったく違います
ある飲食店のSNS運用では、開始からの1ヶ月で次のような結果になりました。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 投稿本数 | 9本 |
| TikTok+Instagram 合計再生数 | 50,000回 |
| TikTok フォロワー獲得 | 330人 |
| Instagram 各動画の再生数 | 1,500〜2,000回 |
9本で5万再生は、開設初期として良好な数字です。
この運用で分かったことが2つあります。
ひとつは、媒体ごとに伸びるコンテンツが違うこと。 TikTokで伸びなかった動画が、YouTubeでは約3,800回再生されました。1つの媒体で不発だったからといって、その企画が悪いとは限りません。
もうひとつは、同一動画の扱いが正反対だということ。 TikTokは同じ素材の使い回しに対する判定が非常に厳しく、2026年に入ってさらに厳格化しています。一方でInstagramはかなり緩く、再投稿でも回ります。同じ運用をすると事故になります。
なお、自社で運営する寿司店では、言葉を一切使わない動画だけで、開設から約4ヶ月でフォロワー5万人を超えました。包丁の音、ネタの質感、店の空気感。翻訳が要らないぶん、言語圏を問わず届きます。英語が話せないことは、SNS運用の障害になりません。
媒体ごとの使い分けはインバウンド集客のSNS戦略|訪日外国人を呼び込む具体策、国別の傾向は韓国インバウンドプロモーション戦略や台湾のSNS利用状況とマーケティング成功事例にまとめています。
5. 多言語サイト — 自動翻訳をやめるところから始まります
「英語版はあるのに問い合わせが来ない」というご相談で、最も多い原因が自動翻訳です。
自動翻訳には2つの問題があります。
ひとつは、英語の検索に引っかからないこと。 ヒットさせるには、別途、英語のテキストを用意する必要があります。
もうひとつは、料理名が直訳されること。 たとえば「辛子明太子」を直訳すると「魚の卵」のような表現になり、まったく美味しそうに見えません。人の手が入れば「博多スパイシーキャビア」にできます。文化的・宗教的にまずい表現になってしまうリスクもあります。
そして、海外のお客様が知りたい情報は、実はそれほど多くありません。
- どんな雰囲気なのか
- 何ができるのか、何が食べられるのか
- いくらくらいなのか
まずこの3つを分かりやすく出す。こだわりや魅力は、そのあとで読まれます。
もうひとつ見落とされがちなのがページの表示速度です。海外の旅行者は無料Wi-Fiを利用することが多く、回線が速くありません。アニメーションや動画を詰め込んだ重いページは、そもそも開かれません。
制作の進め方はプロが教える多言語webサイトの作り方!成果を出すホームページSEO対策、検索対策まで含めた設計は【海外SEO対策】訪日外国人を惹きつけるインバウンドSEO完全ガイドで解説しています。
6. OTA(予約サイト)— 露出の窓口を増やす
Booking.com、Expedia、Klook、GetYourGuideなど。海外の旅行者にとって、知らない国の知らない事業者に直接予約するのは不安を伴います。プラットフォームを経由するほうが安心なのです。
管理の手間は正直かかりますが、管理できる範囲で、出せるだけ出すのが基本方針です。
ただし手数料の負担は年々重くなっています。一部のOTAでは30%に達することもあります。だからこそ、中長期では自社サイトからの直接予約を育てる必要があります。
なお、複数のOTAに掲載する場合、在庫管理システムの選定が運用の成否を分けます。連携できていないとOTAごとに別管理となり、やがて更新が止まります。私たちは自社の体験事業も含め、多くのOTAと連結できるシステムへ切り替えました。
OTAの基本は【最新】OTAとは?大手OTAで予約を爆増させる集客の極意、掲載先の選び方はインバウンド集客にオススメの予約サイト12選、在庫管理はOTAとサイトコントローラーで予約管理を「劇的に楽に」する秘訣をご覧ください。
7. SNS広告 — 「いつ来てほしいか」で目的を変える
SNS広告は、目的設定を間違えると効きません。判断基準はシンプルです。
| 狙い | 広告の目的 |
|---|---|
| 今すぐ予約が欲しい(イベント直前、桜シーズンなど) | リード獲得 |
| 2〜3ヶ月先に来てほしい(通常期) | エンゲージメント |
インバウンドでは後者が効く場面が多くなります。旅行者の多くは、旅マエに予定を組むからです。「今すぐ行きたい」人より、事前に計画する人のほうが圧倒的に多い。だから刈り取ろうとしても、そこにまだ需要がありません。
リール動画でフォローしてもらい、「今度日本に行くときに使いたい」と思ってもらって溜めておくほうが噛み合います。
予算は多額である必要はありません。1日1,000円程度から、クオリティの高い動画を1本作って回すところから始められます。
広告の種類ごとの特徴はインバウンド向け広告とは?種類・メリットと実際の成功事例を徹底解説にまとめています。
8. 予約システム — 直販への導線を作る
Googleビジネスプロフィールの予約ボタンや、自社サイトの予約導線を整えます。
意外に多いのが、手数料の高い予約サイトを予約ボタンの遷移先に設定しているケースです。もったいないので確認してください。未設定のままの施設もあります。
OTA経由の予約は安定していますが、手数料が利益を圧迫します。自社サイトのSEOを育て、口コミを増やし、OTAとの接点も増やす。この3つを同時に進めることで、直接予約の比率を上げていきます。
9. 接客 — 一番まずいのは、何も話さないこと
最後は人です。
「英語が話せるスタッフがいない」という理由で、インバウンド対応をあきらめる事業者は少なくありません。ですが、外国人観光客は、日本人が英語を話せるとは思っていません。
問題は、話せないことではありません。
一番ダメなのは、何も話さないことです。
英語が話せなくても、丁寧に、一生懸命に話す。一生懸命に接してもらって嫌がる人はいません。
デジタルで注文や会計の手間をなくすほど、スタッフは人にしかできないことに時間を使えるようになります。多言語のセルフオーダーやキャッシュレス決済の整備は、接客を減らすためではなく、接客に集中するための投資です。
現場での具体的な対応は【現場経験者が解説】インバウンド接客の基本と成功事例に学ぶ集客向上術、そのまま使える言い回しは外国人接客に役立つ!すぐに使える英語フレーズ完全ガイドにまとめてあります。
やらなくていい5つのこと
ここまで9つの方法を紹介しました。ここからは逆に、やらなくていいことをお伝えします。
インバウンド集客の情報は、ツールやサービスを提供する会社から発信されているものが大半です。
その立場では「そのツールは要りません」とは書けません。
私たちは自社で店舗を運営し、複数の施策を試した結果として、削っていいものが見えています。
1. TripAdvisorのプレミアム機能への課金
掲載できる情報量は増えますが、上位表示の必須条件ではありません。 課金せずに上位へ到達できます。検討する価値があるのは、トップ10圏内に入って「あと一歩」という段階からです。
2. TripAdvisorへの広告出稿
私たちが運用してきた範囲では、効果を確認できていません。 予算は口コミを集める仕組みづくりに回すほうが確実です。
3. MEOの外部連携ツール
アンケートから口コミへ誘導する仕組みや、Instagram連携の導線など、付加機能を提案されることがあります。基本的に不要です。 そもそもGoogleは外部連携を好みません。連携しなくても口コミは伸びますし、アカウントも育ちます。
4. 検索順位を追いかけること
「浅草もんじゃで3位になりました」という報告に、実務上の意味はほとんどありません。Googleマップの順位は位置情報で変わりますし、観光客は順位を見て選んでいないからです。
追うべきは露出キーワードの多様性と、サーチコンソールの表示回数です。平均検索順位は、あまり追わなくてよい数値だと考えています。
5. 自動翻訳での多言語対応
前述の通りです。自動翻訳を入れたことで「多言語対応できている」と思い込むことが、最も危険です。
削っていいものと、削ってはいけないものの線引きは、アカウントの状態によって変わります。
御社のGoogleビジネスプロフィールを拝見して、いま何が足りていないかを無料で診断します。
現場で見えたこと|浅草に日本人観光客がいる意味
数字やツールの話から、少し離れます。
代表・川名は、浅草で人力車の車夫として現場に立っていました。その後、マーケティング担当として人力車業界にいち早くSEO・MEO・OTAの施策を持ち込んでいます。
その現場で見えたことを、2つお伝えします。
言葉が通じないまま、台湾からの新婚旅行のお客様を乗せた日
マーケティング担当になってからの話です。女性の車夫が途中で怪我をしたと連絡が入り、代われる人間が誰もいませんでした。川名が代打で現場へ向かいました。
乗っていたのは、台湾から新婚旅行で来ていたご夫婦でした。
川名は英語も台湾語も話せません。 それでも、足を怪我した車夫が目の前にいて、不安そうなお客様が2人乗っている。知っている限りの言葉とジェスチャーで、必死にコミュニケーションを取りました。
言葉は最後まで通じませんでした。それでも、たいへん喜んでいただけました。
案内を途中で切り上げてしまったので料金を返そうとしたところ、受け取っていただけず、それどころかチップまで渡されました。
英語が話せることが、インバウンド対応の条件ではありません。伝えようとするかどうかです。
日本人が来ている場所だから、外国人が集まる
もうひとつ、現場で見えたことがあります。
浅草の客層は、コロナ前は日本人がほぼ100%の日が続いていました。それがコロナ明け以降、4対6、5対5と外国人のお客様が増えていきました。近年は富裕層の割合も上がっています。
それでも、浅草には日本人の観光客がいます。そしてこれが重要だと考えています。
地元の方が遊びに来るような場所に、私たちも海外旅行で行きたいと思うはずです。それと同じで、浅草は日本人の観光客がいるからこそ日本らしさがあり、そこに外国人が集まっている。
だから、Googleビジネスプロフィールに載せる写真も、外国人のお客様だけを載せてはいけません。 日本人のお客様が写っている写真も入れてください。「地元の人も来ている店」という空気が伝わりますし、日本人のお客様を遠ざけずに済みます。
外国人向けの店に見せることが、インバウンド集客の目的ではありません。
何から始めるか|正しい順番と予算配分
最後に、実際の進め方をお伝えします。
全部やる。ただし順番と予算配分を間違えない
手法は増えすぎました。SNS、SEO、MEO、OTA、Web制作、広告。どれから手をつければいいか分からない、というのが多くの事業者の実感だと思います。
答えは「全部やる」です。ただし決定的に重要なのは、正しい順番でやり、予算配分を間違えないことです。
業種ごとの優先順位は【2026年最新】インバウンド集客の方法と業種別成功事例6選|現場のプロが正しい優先順位を解説、市場が動いたときの見直し方は中国インバウンド6割減でも訪日客が底堅い理由|今こそ見直す集客の「順番」で解説しています。
冒頭でお伝えした失敗を思い出してください。SNSだけに寄せたために、フォロワーが40万人いても外国人のお客様が増えませんでした。
旅行者は必ず複数のチャネルを回遊します
海外の旅行者にとって、日本への旅行は一生に一度ということもあります。絶対に失敗したくないという気持ちで来るので、とてもよく調べます。
- SNSで見つける → 口コミを見る → OTAを比較する → 予約する
- SNSで見つける → 公式サイトを見る → OTAを見る → 口コミを見る → 予約する
順番はさまざまで、パターンが読めません。だから、露出できる窓口と、実際に予約できる場所を、できるだけ多く用意する必要があります。
そして、どこで導線が切れているかを探すことが、実務の中心になります。
| 症状 | 切れている場所 |
|---|---|
| SNSは伸びているのに予約が来ない | 検索側の対策が抜けている |
| Googleマップの表示回数は多いのに来店が増えない | 写真・説明文・口コミに問題がある |
| 公式サイトに来ているのに予約されない | 情報が足りないか、ページが重い |
まず今日できること
- Googleビジネスプロフィールを開き、流入キーワードを見る(店名の周辺だけになっていないか)
- 写真の枚数を数える(30枚を下回っていれば追加する)
- 自社サイトの英語ページが、自動翻訳になっていないか確認する
- 予約ボタンの遷移先が、手数料の高いサイトになっていないか確認する
どれも無料で、今日中にできます。
まとめ
インバウンド集客に、大きな設備投資は必要ありません。
- 訪日外国人は4,268万人、消費額は9兆4,549億円。市場は拡大しています
- ただし起きているのは「増加」ではなく「分散」。中国依存の体制では取りこぼします
- SNSだけでは客は増えません。 フォロワー40万人でも増えませんでした
- 露出の窓口と予約できる場所を増やし、どこで導線が切れているかを探す
- 課金や広告より先に、口コミと基本情報の整備が効きます
- 英語が話せなくても大丈夫です。一番まずいのは、何も話さないこと
業種別の記事もあります
- 宿泊業 …… 宿泊業インバウンド集客の決定版|中小ホテル・旅館が実践すべきWeb対策と成功事例
- ホテル …… ホテルのインバウンド集客成功事例15選
- 飲食店 …… 飲食店インバウンド集客の成功法則:店選びで選ばれるサイト
- 美容室 …… 美容室のMEO対策完全ガイド
- 自治体 …… 自治体向けインバウンド集客の課題とは?成功事例を紹介
また、生成AIの検索が広がるなかでWeb流入がどう変わるかは、AI検索で自社サイトへの流入は減るのか?で整理しています。
私たちMILOKUは、浅草で体験型店舗を自社運営しながら、宿泊施設・飲食店・観光施設・自治体まで300社以上のインバウンド集客を支援してきました。自分たちの店で試し、失敗し、そのうえでお客様にご提案しています。
やり方は、この記事にほぼすべて書きました。しかし「御社がどこで切れているか」は、見ないと分かりません。
GoogleビジネスプロフィールとWebサイトを拝見し、
流入キーワード・写真・説明文・予約導線のどこに問題があるかをお伝えします。費用はかかりません。
現状の集客が振るわない場合、原因は予算ではなく設計にある可能性が高いと考えています。
参考・出典
本記事の統計および制度に関する記述は、下記の一次情報を確認したうえで掲載しています。
- 日本政府観光局(JNTO)|訪日外客数(2025年12月推計値)
- 日本政府観光局(JNTO)|訪日外客数(2026年6月推計値)
- 観光庁|インバウンド消費動向調査(2025年暦年 確報)
- 観光庁・JNTO|訪日マーケティング戦略(2026年4月)
- Google|禁止または制限されているコンテンツ
- Google|ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限
- 消費者庁|ステルスマーケティングに関するQ&A
自社店舗および支援先の実績数値は、管理画面の実測値にもとづいています。