訪日外国人の推移【2026年】年別・月別の訪日客数と国別内訳

目次
訪日外客数は、2025年に4,268万人と過去最高を記録しました。
しかし2026年は1〜8月の累計で2,762万6,300人、前年同期比2.7%減と、はじめて前年を割り込んでいます。
「インバウンドは失速したのか」と受け取られがちな数字です。
ですが内訳を見ると、減っているのは実質的に中国だけでした。
この記事では、JNTO(日本政府観光局)が公表している2003年から2026年8月までの推移を年別・月別で整理し、
さらに私たちMILOKUが浅草・雷門前で毎月続けている定点観測と突き合わせます。
統計が示した変化が、現場でどう見えているかまで踏み込みます。
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年9月16日発表)ほか。
2026年の各月は推計値のため、確定値で数字が動くことがあります。
結論:総数は減ったが、国の顔ぶれが入れ替わった
| 数字 | |
|---|---|
| 2025年(暦年) | 42,683,301人(前年比15.8%増・過去最高) |
| 2026年1〜8月の累計 | 27,626,300人(前年同期比2.7%減) |
| 2026年8月の単月 | 3,098,900人(前年同月比9.6%減) |
| 同期間の中国 | 2,904,600人(前年同期比56.7%減) |
| 同期間の韓国 | 7,420,300人(21.2%増) |
| 同期間の台湾 | 5,402,000人(19.8%増) |
中国が半減しているのに、総数は2.7%減で止まっています。
韓国と台湾が、その穴のほとんどを埋めているためです。
つまり2026年に起きているのは市場の縮小ではなく、客層の入れ替わりです。
これは事業者にとって、まったく意味の違う話になります。
訪日外国人数の年別推移とグラフ(2003年〜2026年)

| 年 | 訪日外客数 | 前年比 | できごと |
|---|---|---|---|
| 2003 | 5,211,725人 | -0.5% | |
| 2004 | 6,137,905人 | +17.8% | |
| 2005 | 6,727,926人 | +9.6% | |
| 2006 | 7,334,077人 | +9.0% | |
| 2007 | 8,346,969人 | +13.8% | |
| 2008 | 8,350,835人 | +0.0% | リーマンショック |
| 2009 | 6,789,658人 | -18.7% | リーマンショック・新型インフル |
| 2010 | 8,611,175人 | +26.8% | |
| 2011 | 6,218,752人 | -27.8% | 東日本大震災 |
| 2012 | 8,358,105人 | +34.4% | |
| 2013 | 10,363,904人 | +24.0% | 初の1,000万人超 |
| 2014 | 13,413,467人 | +29.4% | |
| 2015 | 19,737,409人 | +47.1% | 訪日外客数が出国日本人数を上回る(1970年以来45年ぶり) |
| 2016 | 24,039,700人 | +21.8% | |
| 2017 | 28,691,073人 | +19.3% | |
| 2018 | 31,191,856人 | +8.7% | |
| 2019 | 31,882,049人 | +2.2% | コロナ前の最高(3,188万人) |
| 2020 | 4,115,828人 | -87.1% | コロナ |
| 2021 | 245,862人 | -94.0% | コロナ(最少) |
| 2022 | 3,832,110人 | +1458.6% | |
| 2023 | 25,066,350人 | +554.1% | 本格回復 |
| 2024 | 36,870,148人 | +47.1% | 3,687万人で過去最高を更新 |
| 2025 | 42,683,301人 | +15.8% | 4,268万人で過去最高 |
| 2026(1〜8月累計) | 27,626,300人 | -2.7% | 中国の減少が効いて前年割れ |
節目になった年
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2011年 | 東日本大震災で621万人まで落ち込む(前年比27.8%減) |
| 2013年 | 初めて1,000万人を超える(1,036万3,904人) |
| 2019年 | コロナ前の最高、3,188万2,049人 |
| 2021年 | 24万5,862人。統計上もっとも少ない年 |
| 2024年 | 3,687万148人。2019年を超えて過去最高を更新 |
| 2025年 | 4,268万3,301人。初の4,000万人超 |
2021年の24万人から、4年で4,268万人。174倍の回復です。
この急回復の直後に来たのが2026年の反落であり、比較の相手が「過去最高の年」であることは押さえておく必要があります。
訪日外国人数の月別推移とグラフ(2025年・2026年)

| 月 | 訪日外客数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 1月 | 3,597,881人 | -4.9% |
| 2月 | 3,466,848人 | +6.4% |
| 3月 | 3,619,159人 | +3.5% |
| 4月 | 3,692,364人 | -5.5% |
| 5月 | 3,560,256人 | -3.6% |
| 6月 | 3,148,754人 | -6.8% |
| 7月 | 3,442,100人 | +0.1% |
| 8月 | 3,098,900人 | -9.6% |
| 1〜8月累計 | 27,626,300人 | -2.7% |
プラスの月とマイナスの月が混在しています。
2月(6.4%増)と3月(3.5%増)は前年を上回り、その後は7月(0.1%増)を除いて前年割れが続いています。
一本調子で落ちているわけではない、という点が重要です。
月ごとの増減は、航空便の減便や台風による欠航といった一時的な要因にも左右されます。
国・地域別の内訳(2026年1〜8月の累計)

| 市場 | 1〜8月累計 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 韓国 | 7,420,300人 | +21.2% |
| 中国 | 2,904,600人 | -56.7% |
| 台湾 | 5,402,000人 | +19.8% |
| 香港 | 1,818,300人 | +8.7% |
| 米国 | 2,305,300人 | +6.1% |
| タイ | 790,500人 | +3.4% |
| ベトナム | 505,300人 | +5.4% |
| カナダ | 469,600人 | +7.0% |
| フィリピン | 558,500人 | +3.5% |
| 豪州 | 681,200人 | +3.4% |
| 英国 | 364,800人 | +5.8% |
| インドネシア | 451,200人 | +11.4% |
| フランス | 318,300人 | +8.6% |
| ドイツ | 281,500人 | +5.6% |
| インド | 250,100人 | +20.2% |
| イタリア | 207,800人 | +4.4% |
| 中東地域 | 179,300人 | +16.3% |
| スペイン | 170,500人 | +10.5% |
| メキシコ | 151,300人 | +28.0% |
| 北欧地域 | 139,000人 | +13.4% |
| ロシア | 131,900人 | +22.1% |
| シンガポール | 429,000人 | +10.0% |
| マレーシア | 421,100人 | +15.9% |
減っているのは中国、増えているのは韓国・台湾
中国は290万4,600人で前年同期比56.7%減。ほぼ半減しています。
一方で韓国は742万300人(21.2%増)、台湾は540万2,000人(19.8%増)と伸びており、
韓国は単独で中国の2.5倍以上の規模になりました。
欧米も堅調です。米国230万5,300人(6.1%増)、メキシコ28.0%増、ロシア22.1%増、
インド20.2%増と、アジア以外の市場が幅広く伸びています。
なお、日本が世界のなかでどの位置にいるかは世界の観光客数ランキングで整理しています。2025年の国際観光客数は世界全体で15億2,000万人でした。
8月として過去最高だった14市場
2026年8月は単月で9.6%減でしたが、同じ月に14の市場が「8月として過去最高」を更新しています。
韓国、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、インド、米国、メキシコ、
フランス、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域
総数の「9.6%減」だけを見て市場が縮んだと判断すると、逆の手を打つことになります。
訪日客が日本のどこに泊まっているかは外国人宿泊者数の都道府県ランキングにまとめています。東京・大阪・京都で全国の57.6%を占める一方、地方部の伸びは三大都市圏の3倍でした。
【定点観測】浅草・雷門前で数えた多国籍化
ここからは、統計ではなく私たちMILOKUの一次データです。
代表・川名は、毎月第1土曜の14時から1時間、浅草・雷門前の同じ交差点に立ち、
同じ項目を数え続けています。2026年3月7日の観測は30回目でした。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 通行人100人の内訳 | 日本人28人 / 外国人72人 |
| 聞こえた言語(25グループ) | 英語11・中国語7・韓国語4・その他3(スペイン語2・フランス語1) |
| 人力車 | 15台通過(乗客の約8割が外国人) |
| 着物レンタル | 18組(うち外国人カップル12組) |
注目していただきたいのは言語の内訳です。
観測を始めた当初、雷門前で聞こえる外国語は中国語が過半でした。
それが現在は英語が最多になり、中国語・韓国語・スペイン語・フランス語が混在しています。
JNTOの統計が示す「中国56.7%減・韓国21.2%増・欧米の伸び」は、
浅草の交差点で実際に耳に入る言語の変化として、そのまま現れています。
数字と現場が別々に同じ方向を指しているとき、その変化は本物だと考えてよいと私たちは判断しています。
浅草・台東区に絞った観光統計は台東区の観光統計にまとめています。
持ち物にも変化が出ています
| 持ち物(通行人100人) | 人数 |
|---|---|
| 食べ歩きの飲食物 | 34人 |
| 買い物袋 | 29人 |
| スーツケース | 22人 |
| カメラ(一眼) | 8人 |
| 手ぶら | 7人 |
買い物袋を、食べ歩きの飲食物が上回りました。
かつて浅草の外国人観光客といえば紙袋を提げた「爆買い」の光景でしたが、
いま雷門前でもっとも多いのは、食べ歩きのスイーツを持った人です。
同じ日の観測では、行列の先頭3つが浅草メンチ(約35人)、花月堂のメロンパン(約25人)、
いちごスイーツの新店(約20人、9割が外国人女性)でした。上位3つがすべて食べ歩きです。
この定点観測の全記録(通行人100人の内訳、行列店、街の変化)は浅草・雷門前の定点観測 2026年3月にまとめています。
この数字を自店にどう使うか
統計を眺めるだけでは売上は変わりません。今回の数字から実務に落とせることを3つ挙げます。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 中国語だけの多言語対応を見直す | 中国は半減し、韓国が最大市場になりました。中国語のみの表記は、いま最も多い客層に届いていません |
| 英語を軸に、韓国語を足す | 雷門前で最多なのは英語、統計上の最大市場は韓国です。この2つが費用対効果の中心になります |
| 「買う」より「その場で食べる」導線を用意する | 買い物袋より食べ歩きが上回りました。テイクアウト、片手で食べられる形、写真に写る見た目が効きます |
そして、いちばんやってはいけないのは「訪日客が減ったから縮小する」という判断です。
減ったのは1つの市場で、14の市場は同じ月に過去最高を更新しています。
縮めるのではなく、向ける先を変える局面です。
中国が半減しても売上を落としていない店が何をしているかは訪日客6.8%減の裏側で解説しています。
よくある質問
Q. 訪日外客数はどこで公表されていますか。
A. 日本政府観光局(JNTO)が毎月公表しています。翌月の中旬ごろに前月の推計値が発表され、
2026年8月分は2026年9月16日に発表されました。
Q. 2026年の訪日外客数は最終的に何人になりますか。
A. 確定していません。1〜8月の累計は2,762万6,300人(前年同期比2.7%減)です。
2025年は暦年で4,268万3,301人でした。
Q. なぜ中国からの訪日客が半減しているのですか。
A. JNTOの発表は市場ごとの増減を示していますが、私たちが原因を断定できる材料は持っていません。
推測で理由を書くことは控えます。 確かなのは、2026年は1月から8月まで、毎月前年同月を下回り続けていることです。
Q. 訪日外客数がもっとも多かった年は。
A. 2025年の4,268万3,301人です。コロナ前の最高は2019年の3,188万2,049人でした。
Q. 訪日客が減ると、地方や商店街にも影響しますか。
A. 総数だけでは判断できません。市場ごとに増減が逆を向いているため、
自店に来ている客層がどの国かによって、影響はまったく変わります。
訪日客が実際にどこを訪れているかは東京で外国人に人気の観光スポット&穴場ランキングでまとめています。
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まとめ
| ポイント | |
|---|---|
| 2025年 | 4,268万3,301人で過去最高 |
| 2026年1〜8月 | 2,762万6,300人・前年同期比2.7%減 |
| 減少の中身 | 中国が56.7%減。韓国21.2%増・台湾19.8%増がほぼ埋めている |
| 8月の単月 | 9.6%減。ただし14市場が8月として過去最高 |
| 浅草の現場 | 聞こえる言語は中国語中心から英語最多の多国籍へ。買い物袋より食べ歩き |
総数の増減だけを見ていると、判断を誤ります。
2026年に起きているのは市場の縮小ではなく、来ている人の入れ替わりです。
日本が世界で何位なのかは、治安・幸福度・英語力・パスポートなど8つの国際ランキングを1ページにまとめた「日本の世界ランキングまとめ【2026年版】」をご覧ください。
私たちMILOKUは、浅草で自ら店舗を運営しながら、同じ交差点に毎月立って客層の変化を数え続けています。
統計と現場の両方から、いま自店が向き合うべき客層をご一緒に整理できます。
インバウンド集客でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

