抹茶ブームはなぜ?いつまで続くか海外の関心と輸出で調べた

目次
世界で抹茶ラテや抹茶スイーツが人気になり、日本でも「抹茶が品薄」「値段が上がった」という話を聞くようになりました。この抹茶ブームは、なぜ起きて、いつまで続くのでしょうか。
私たちMILOKUは、農林水産省の統計と、外国語版 Wikipedia で抹茶が調べられた回数(9言語・月別)を並べてみました。あわせて、9つの国・地域で抹茶がどう検索されているかと、英語の YouTube に外国の人が書いた抹茶のコメントも調べました。
| 2025年の緑茶の輸出額 | 720億9,400万円(前年比98.2%増)。伸びの中心は抹茶を含む粉末状の茶 |
| 海外の関心 | 外国語版 Wikipedia の日本食54記事で、抹茶は9言語中8言語で1位 |
| 関心の山 | 2025年7月。2026年9月は山の約4割で、2024年と同じくらい |
| 輸出のいま | 2026年1〜5月も前年同時期を上回るペース |
| 外国の人が気にすること | 英語の YouTube の抹茶のコメント276件で、最も多い話題は「本物かどうか」(28%) |
| 日本のどこで探すか | 米国の検索では京都・宇治が東京の約2倍 |
調べる人の数は山を越えましたが、輸出は伸び続けています。 数字から見ると、抹茶ブームは「終わった」とは言えません。
- 抹茶ブームを数字で見る
- 抹茶ブームはいつから?
- なぜ海外で抹茶がブームなのか
- 抹茶が高騰・品薄になる理由
- 抹茶ブームはいつまで?終わる?
- 国によって違う「日本食の入り口」
- 訪日客を迎える店ができること
抹茶ブームを数字で見る
農林水産省によると、2025年の緑茶の輸出額は720億9,400万円で、前年の約2倍(98.2%増)でした(2026年2月3日公表)。農林水産省は、伸びた理由を次のように説明しています。
欧米・ASEAN向け等が健康志向や日本食への関心の高まり等を背景に、ラテやスイーツ等の食品原料となる抹茶を含む粉末状茶を中心に増加
(農林水産省「2025年 農林水産物・食品の輸出実績」)
緑茶の輸出量は、この10年で約3倍になりました。輸出先は米国が輸出量の約3割を占めます。2025年の緑茶の輸出のうち、抹茶を含む粉末状の緑茶は、輸出量の約7割、輸出額の約8割でした(農林水産省「茶をめぐる情勢」令和8年7月)。
抹茶ブームはいつから?
抹茶の輸出は以前から伸びていましたが、大きく跳ねたのは2025年です。輸出額は1年でほぼ2倍になりました。
海外の関心にも、同じ時期の動きが出ています。外国語版 Wikipedia で「抹茶」の記事が読まれた回数(9言語の計)は、2024年は月13万〜20万回でしたが、2025年1月から一段増え、2025年7月の320,880回が最大でした。

なぜ海外で抹茶がブームなのか
農林水産省は、背景に健康志向と日本食への関心の高まりを挙げ、抹茶がラテやスイーツの原料として使われていることを伸びの中心に置いています。抹茶を「お茶として点てて飲む」より、「ラテやお菓子の材料」として世界に出ていく量が増えています。
海外での関心の大きさは、Wikipedia の数字にも表れています。外国語版 Wikipedia の日本食54記事を、直近12か月(2025年10月〜2026年9月)に読まれた回数で並べると、抹茶は外国語の計で1位(1,935,553回)。2位のラーメン(917,595回)の2倍以上でした。
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一方、日本語版での抹茶は54記事中7位でした。外国語の閲覧は日本語の20.3倍で、抹茶は日本人が思う以上に、海外で調べられている日本食です。
海外の抹茶は「自分の国で飲むもの」
ただし、海外の抹茶の関心が、そのまま日本への旅行に向いているわけではありません。私たちMILOKUが SEO 分析ツールで9つの国・地域の検索を調べたところ、米国で抹茶に関して最も多く検索されていたのは「matcha near me(近くの抹茶)」で、月100万回でした。
抹茶の検索のうち、「Japan」「Kyoto」などの日本の地名と結びついた語は、米国で2.0%、英国で1.0%にとどまります(多めに見積もった目安です)。日本と結びついた語の中でも、米国では25%が「日本産の抹茶の粉」「取り寄せ」の検索でした。英語圏で日本は、抹茶を飲みに行く場所である前に、抹茶の産地として調べられています。
外国の人がいちばん気にするのは「本物かどうか」
外国の人が抹茶の何を話題にしているかも数えました。抹茶を題名にした英語の YouTube 動画69本のコメントから無作為に600件を読み、抹茶に関係のある276件を分けると、次のようになりました。
| 話題 | 件数(276件中) |
|---|---|
| 本物かどうか(グレード・産地・中国産・偽物) | 77件(28%) |
| 品薄 | 55件(20%) |
| 店・カフェ | 54件(20%) |
| 味 | 52件(19%) |
| 点て方 | 38件(14%) |
いちばん多いのは、味より先に「その抹茶は本物か」という話でした。どの動画を外して数え直しても、この割合はほとんど変わりません。
日本で実際に飲んだ・買った話はまだ少なく、276件中39件(14%)でした。ただ、日本で飲んだ・買った話は(ほかの日本旅行の動画の分と合わせて)72件あり、そのうち「苦手」は2件だけです。「苦い」「草の味がする」という声は、ほとんどが日本の外で飲んだ抹茶の話でした。
抹茶が高騰・品薄になる理由
需要が急に増えると、原料が追いつきません。抹茶の原料は「てん茶」という、日光を遮って育てた茶葉を揉まずに乾かしたお茶です。てん茶の生産は増えていて、2025年は2014年の約3.2倍になりました。ただ、お茶全体の生産量は7万トン台で横ばいです。
価格も上がっています。農林水産省によると、2026年産の一番茶は、前年と比べて鹿児島県で約2倍、静岡県で約7割高い価格で取引されました。もともと、てん茶はせん茶の約4.9倍の価格です。

輸出の単価も、抹茶を含む粉末状の緑茶は1kgあたり6,927円で、その他の緑茶(3,007円)の約2.3倍です。抹茶は量も値段も伸びていることが、国内の品薄や値上がりにつながっています。
品薄は、日本を訪れた人の声にも出ています。先ほどの YouTube のコメントで、日本で飲んだ・買った話39件のうち6件は、京都の茶舗で「1人1点まで」と言われた、売り切れていた、という内容でした(コメントに書かれた体験で、私たちMILOKUが店に確かめたものではありません)。
ただ、米国で「matcha shortage(抹茶 品薄)」が検索された回数は、2025年10月の月5,510回から、2026年8月には1,050回まで減っています。品薄そのものが話題になる時期は、過ぎつつあるようです。
抹茶ブームはいつまで?終わる?
ここが、検索でもよく聞かれる点です。2つの数字は、違う方向を指しています。
| 見たもの | 動き |
|---|---|
| 海外で抹茶が調べられた回数(外国語版 Wikipedia) | 2025年7月が山。2026年9月は133,483回で、山の約4割。2024年9月(150,150回)と同じくらい。直近12か月はその前の12か月より31%少ない |
| 緑茶の輸出額(農林水産省) | 2026年1〜5月は402億円で、前年同時期を上回るペース |
| 抹茶の検索(9つの国・地域) | 2025年10月→2026年8月で、台湾+76%・香港+83%・米国+30%・英国+38%。韓国だけ-47% |
「抹茶って何?」と調べる人は山を越えましたが、抹茶を買う量と、抹茶を探す検索はまだ増えています。 話題として広まる時期から、ラテやスイーツの材料として使われ続ける時期に移っている、と読むことができます(解釈です)。
なお、Wikipedia そのものが読まれにくくなっている影響もあります。同じ期間に、日本食54記事の外国語の計は22.1%、日本語版も17.5%減りました。抹茶の31%減は、それより大きな落ち方です。
数字からは、抹茶ブームが「終わった」とは言えません。
海外の関心は2024年の水準に戻りましたが、2026年に入っても輸出は前年を上回り、台湾・香港・米国では抹茶の検索も伸びています。
国によって違う「日本食の入り口」
外国語版 Wikipedia の日本食54記事で、抹茶が1位にならなかったのは、9言語のうち韓国語だけでした(韓国語版の1位は寿司)。英語・中国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語では、どれも抹茶が1位です。
外国の人にとって、日本食の入り口は料理より先に抹茶になっている、と言えそうです。
韓国は、検索でも違う動きをしています。調べた9つの国・地域のうち、抹茶の検索が減っていたのは韓国だけでした(2025年10月→2026年8月で-47%)。
日本のどこで抹茶を探すかにも、はっきりした違いがあります。米国の検索では、京都・宇治と結びついた語が月21,410回、東京は10,410回で、京都・宇治が約2倍でした。
| 京都・宇治 | 東京 | |
|---|---|---|
| 米国の検索(月) | 21,410回 | 10,410回 |
| どう調べられているか | 62%が「地名+抹茶」。産地の名前として | 58%がカフェ・店。飲む場所として |
YouTube のコメントでも、地名は宇治18件・京都13件に対して、東京は4件でした。抹茶の「本場」として名前が挙がるのは京都・宇治で、東京は「抹茶を飲めるお店がある街」として探されています。
訪日客を迎える店ができること
訪日客を迎える飲食店・カフェ・お土産店にとって、抹茶は外国の人に名前がよく知られている日本の食べ物です。
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よくある質問
Q. 抹茶ブームはいつからですか。
A. 輸出は以前から伸びていましたが、大きく跳ねたのは2025年です。2025年の緑茶の輸出額は前年の約2倍になり、外国語版 Wikipedia で抹茶が調べられた回数も2025年1月から一段増えました。
Q. なぜ海外で抹茶がブームなのですか。
A. 農林水産省は、健康志向と日本食への関心の高まりを背景に、ラテやスイーツの原料として抹茶を含む粉末状の茶の輸出が増えたと説明しています。
Q. 抹茶ブームはいつまで続きますか。終わりますか。
A. 海外で抹茶が調べられた回数は2025年7月が山で、2026年9月は2024年と同じくらいに戻りました。一方、緑茶の輸出は2026年1〜5月も前年を上回るペースです。数字からは、ブームが終わったとは言えません。
Q. 抹茶が高騰しているのはなぜですか。
A. 需要が急に増えたためです。抹茶の原料のてん茶は増産されていますが、2026年産の一番茶は前年と比べて鹿児島県で約2倍、静岡県で約7割高い価格で取引されました。
Q. 外国人は抹茶の何を気にしていますか。
A. 私たちMILOKUが英語の YouTube の抹茶のコメント276件を分けたところ、最も多い話題は「本物かどうか」(グレード・産地・中国産など)で28%でした。日本で飲んだ・買った人の評価は好意的で、苦手という声はほとんどありませんでした。
まとめ
抹茶ブームは、健康志向と日本食への関心を背景に、ラテやスイーツの原料として海外で広がりました。2025年の緑茶の輸出額は前年の約2倍で、外国語版 Wikipedia でも抹茶は9言語中8言語で日本食の1位です。
海外で抹茶が調べられた回数は2025年7月の山から戻りましたが、輸出は2026年も伸びています。抹茶は、話題の時期を越えても、海外で材料として買われ続けています。
外国の人が抹茶でいちばん気にしているのは「本物かどうか」で、本場として名前が挙がるのは京都・宇治です。訪日客を迎えるお店は、産地やお茶屋さんの名前まで英語で伝えると、その関心に応えられます。
調べ方と限界
- 輸出・生産・価格は、農林水産省「2025年 農林水産物・食品の輸出実績」(2026年2月3日公表、財務省貿易統計を基に作成)と「茶をめぐる情勢」(令和8年7月)の数字です
- 海外の関心は、外国語版 Wikipedia(英語・中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語)の「抹茶」の記事が読まれた回数を、Wikimedia の閲覧数データから集計しました(人による閲覧のみ、2024年1月〜2026年9月、2026年10月取得)
- 閲覧数は「関心の目安」で、抹茶を飲んだ人・買った人の数ではありません。 料理や健康の調べもの、自分の国で売られている抹茶ラテの関心も含みます
- Wikipedia 全体の読まれ方の変化(検索画面の AI の要約など)の影響を含みます
- 検索は、SEO 分析ツール(OpenRush)で米国・英国・オーストラリア・シンガポール・台湾・香港・韓国・タイ・日本の検索語を取得しました(2026年10月25日、1回の取得)。件数はツールの推定値です。日本と結びついた語の割合は、各国の上位200語を分母にした多めの目安です。語の分け方は Claude(AI)が決めた規則で行いました
- YouTube のコメントは、抹茶を題名にした英語の動画69本(2024年10月以降に公開、コメント20件以上)の上位コメントのうち、英語60字以上の1,325件から無作為に600件を選びました。読み取りと分類は AI(Claude)が行い、結果は代表・川名が確認しました。英語で YouTube にコメントした人の声で、外国人全体を代表するものではありません
- 品薄の話題(20%)は、品薄を題名にした動画にほぼ集まっていました。それらの動画を外すと3%です
参考・出典
- 農林水産省「2025年 農林水産物・食品の輸出実績」(2026年2月3日公表) https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/attach/pdf/260203-1.pdf
- 農林水産省「茶をめぐる情勢」令和8年7月 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/ocha-187.pdf
- MILOKU調べ:外国語版 Wikipedia で見る日本食への関心(Wikimedia の閲覧数データ、54記事×10言語、2026年10月取得)
- MILOKU調べ:国・地域ごとの抹茶の検索(OpenRush、9市場、2026年10月25日取得)
- MILOKU調べ:英語の YouTube で外国人が語る抹茶(動画69本のコメント、2026年10月25日取得)


