多言語対応とは?お店が英語で発信すべき理由を3つの調査で

目次
多言語対応とは、ホームページ・Googleマップ・メニュー・案内表示などを、日本語以外の言語でも読めるようにする取り組みです。
では、外国人のお客様に向けた英語の情報は、いまどのくらいあるのでしょうか。私たちMILOKUは、浅草を中心に、英語の情報がどこに足りないのかを3つの方法で調べました(2026年10月)。
すると、3つの調査は同じ場所を指していました。浅草寺・雷門のような定番の外側にある浅草は、英語の情報がほとんどありません。
| 英語版 Wikipedia に記事がある名所 | 浅草まわりは 181件中15件(8.3%)。東京8区全体では17.5% |
| 英語の上位の旅行記事が勧める浅草 | 東京の定番記事13本のうち11本が浅草を勧めるが、浅草寺・仲見世・スカイツリーの先まで勧めたのは3本 |
| 公式サイトに英語ページがある施設 | 宿泊71.9%・観光体験50.7%に対し、飲食店は23.1% |
| お店がやること | 英語の URL を持つページと、Googleマップの英語の説明を、自分で用意する |
- 多言語対応とは
- 調査1|浅草の名所の9割に、英語版の Wikipedia がない
- 調査2|英語の旅行記事は、浅草寺と仲見世で止まる
- 調査3|英語ページがある飲食店は4店に1店
- 3つの調査が重なる場所
- 多言語対応、何から始めるか
- やらなくていいこと
多言語対応とは
多言語対応は、日本語が読めない人にも、必要な情報が届くようにすることです。お店や観光施設で多言語にするものは、主に次のとおりです。
| 多言語にするもの | 例 |
|---|---|
| ホームページ | 店の紹介・メニューと値段・営業時間・行き方・予約の方法 |
| Googleマップ | 店の説明文・メニュー・写真・口コミへの返信 |
| 店内 | メニュー表・案内表示・注文や支払いの説明 |
| 接客 | 翻訳アプリ・指さしシート |
この記事では、なかでも来店の前に見られる情報(ホームページと Googleマップ)に絞ります。お店に来てもらう前に、見つけてもらう必要があるからです。
調査1|浅草の名所の9割に、英語版の Wikipedia がない
まず、英語の基本情報があるかどうかの目安として、英語版の Wikipedia を使いました。東京8区の名所のうち、日本語版の Wikipedia に記事があるものについて、英語版にも記事があるかを Wikidata で数えました。

東京8区の名所1,258件のうち、英語版にも記事があったのは220件(17.5%)。浅草まわり(浅草寺から半径1.5km)に絞ると、181件中15件(8.3%)でした。寺院・神社を除いても26.8%です。
英語版に記事があるのは、浅草寺・雷門・浅草神社・東京スカイツリー・かっぱ橋道具街など、英語のガイドでおなじみの場所が中心でした。一方、日本語版ではよく読まれているのに英語版がない場所は、次のような種類です。
| 種類 | 英語版の記事がない場所の例 |
|---|---|
| 寄席・劇場 | 浅草演芸ホール・東洋館・木馬館 |
| 隅田川の橋 | 言問橋・吾妻橋・厩橋・駒形橋 |
| 老舗の飲食店 | 神谷バー・並木藪蕎麦・駒形どぜう |
| 寺社 | 待乳山聖天(本龍院)・鷲神社・今戸神社・牛嶋神社 |
| 通り・街 | 仲見世通り・伝法院通り・蔵前・向島 |
答えを見る
調査2|英語の旅行記事は、浅草寺と仲見世で止まる
次に、米国の Google 検索で上位に出る英語の旅行記事29本(「things to do in tokyo」など6つの検索語の上位から、予約サイト・動画・掲示板を除いたもの)が、どの場所を項目として勧めているかを数えました。
- 東京の定番の記事13本のうち、11本が浅草を勧めていた
- ただし、浅草寺・仲見世・スカイツリーの先まで勧めたのは3本だけ
- 浅草の記事10本でも、半数を超えたのは浅草寺(9本)と仲見世(6本)だけ
- 待乳山聖天は、29本のどの本文にも出てこなかった
浅草は「東京で行く場所」として必ずと言っていいほど名前が挙がります。ところが、その中身は浅草寺と仲見世でほぼ止まっていました。
詳しい結果は「浅草観光の穴場10選|英語の旅行記事29本に載っていない場所」にまとめています。
調査3|英語ページがある飲食店は4店に1店
最後に、地図データ(OpenStreetMap)に公式サイトの URL が登録されている東京5エリア(浅草・上野・新宿・渋谷・銀座)の施設について、公式サイトに英語のページがあるかを自動で確かめました。

英語ページがあったのは、宿泊71.9%・観光体験50.7%・飲食店23.1%。5エリアすべてで、宿泊が飲食店を上回りました。
地図に登録された飲食店4,740店のうち、ハラール・ヴィーガン・ベジタリアン・グルテンフリーといった食の情報が登録されている店は48店(1.0%)でした。外国人のお客様が来店前に知りたい情報は、まだ地図にもほとんど載っていません。
3つの調査が重なる場所
調査1と調査2を並べると、はっきりした重なりが見えます。
| 英語の旅行記事29本で見出しにした本数 | 場所の数 | 英語版 Wikipedia がない場所 |
|---|---|---|
| 3本以上 | 7か所 | 仲見世通りの1か所だけ |
| 1〜2本 | 10か所 | 7か所(東京ソラマチ・今戸神社・牛嶋神社・鷲神社・蔵前・浅草六区・神谷バー) |
| 0本 | 2か所 | 2か所とも(伝法院通り・待乳山聖天) |
英語の記事がよく勧める場所は、英語版 Wikipedia にも記事があります。勧められない場所は、英語版にも記事がありません。 どちらが原因かは、このデータからはわかりません。ただ、英語の書き手が下調べに使える英語の基本情報がない場所ほど、記事に書かれにくい、という見方とは矛盾しません。
英語で東京・大阪・京都の飲食店を調べたときの Google の AI 概要(検索結果の上に出る AI の回答)の出典を調べたところ、上位30の引用のべ104,877件のうち、日本の飲食店の公式サイトは0件でした。出典の47.5%は YouTube・Reddit・SNS、22.8%は予約・口コミサイトでした。
英語の記事にも、百科事典にも、AI の回答にも載っていない店や場所は、英語で調べる人からは見えません。
そこを埋められるのは、その店・その施設が自分で出す英語の情報です。
多言語対応、何から始めるか
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店長
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店長
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やらなくていいこと
| やらなくていいこと | 理由 |
|---|---|
| 自分の店の Wikipedia の記事を書く | Wikipedia には、利害関係者の編集について方針があります。 |
| 英語の情報は自分のサイトと Googleマップで出します | |
| 翻訳ボタンを付けて終わりにする | ページを開いた人は読めますが、英語の URL がないので、英語で検索する人や AI には英語のページとして見つかりにくくなります |
| いきなり全ページを多言語にする | まずは来店前に見られる情報(店の紹介・メニュー・時間・行き方・予約)から始めれば十分です |
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よくある質問
Q. 多言語対応とは何ですか。
A. ホームページ・Googleマップ・メニュー・案内表示などを、日本語以外の言語でも読めるようにすることです。お店の場合、来店前に見られるホームページと Googleマップから始めるのがおすすめです。
Q. 多言語対応は、まず何語からですか。
A. 英語からです。そのうえで、来店の多い国に合わせて繁体字・韓国語などを足します。
Q. 有名な店なら、英語の情報は自然に出回りませんか。
A. 浅草では、日本語でよく知られている老舗の飲食店や寺社でも、英語版の Wikipedia に記事がない場所が多くありました。英語の情報は、お店が自分で出すのがいちばん確実です。
Q. 翻訳ボタンだけでは足りませんか。
A. 開いた人は読めますが、英語の URL を持つページがないと、英語で検索する人や AI には見つかりにくくなります。
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まとめ
多言語対応とは、日本語以外の言語でも情報を届けられるようにすることです。浅草を中心に調べると、英語の百科事典・英語の旅行記事・お店の公式サイトのどれにも、定番の外側の浅草はほとんど載っていませんでした。
英語の記事や AI が、いつか自然に書いてくれるのを待つ必要はありません。Googleマップの英語の説明と、英語のページ1枚から、お店自身が英語の情報を出してみてください。
調べ方と限界
- 調査1(Wikidata):東京8区(台東・墨田・千代田・中央・港・新宿・渋谷・文京)の名所のうち、日本語版 Wikipedia に記事があるものについて、英語版の記事の有無を数えました(2026年10月21日取得)。「浅草まわり」は浅草寺から半径1.5km(押上・向島・入谷・蔵前を含む)。名所の分類は Wikidata の種類の情報をもとに AI が決め、代表が確認しています。英語版の記事がない=英語の情報がまったくない、ではありません(別の記事の一節で触れられている場合や、旅行サイト・公式サイトの英語の情報は数えていません)
- 調査2(英語の旅行記事):米国・英語の Google 検索で6つの検索語の上位10件から、旅行記事29本を数えました(2026年10月21日)。数えたのは記事の推薦で、旅行者の行動ではありません。検索結果は1回分です
- 調査3(OpenStreetMap):浅草・上野・新宿・渋谷・銀座の地図データ(© OpenStreetMap contributors)に、公式サイトの URL が登録されている施設を自動で確認しました(2026年10月21日)。「東京の飲食店の◯%」ではありません。 宿泊は57施設・観光体験は71施設と数が少なめです
- AI 概要の出典:米国・英語の飲食16テーマ(東京11・大阪3・京都2)の Google の AI 概要の出典を、検索データのツールで集計しました(2026年10月4〜17日)。ChatGPT など他の AI は対象外です
参考・出典
- MILOKU調べ:英語版 Wikipedia にない浅草(Wikidata、2026年10月21日取得)
- MILOKU調べ:英語の上位の旅行記事は東京・浅草で何を勧めているか(2026年10月21日取得)
- MILOKU調べ:飲食店・宿泊施設・観光体験施設の英語ページ、地図上の食の情報(OpenStreetMap、© OpenStreetMap contributors、2026年10月21日取得)
- MILOKU調べ:英語の Google AI 概要の出典と日本の飲食店(2026年10月取得)


