海外インフルエンサーのキャスティング|選び方・進め方と契約の要点

目次
訪日外国人に自社の店や体験を知ってもらう方法として、海外インフルエンサーの起用を考える事業者が増えています。
実際、訪日客が出発前に役に立った旅行の情報源は、SNS(43.3%)と動画サイト(39.6%)が上位2つでした(観光庁、2025年)。ただし、フォロワーが多い人に頼めば外国人客が来る、というほど単純ではありません。
この記事では、海外インフルエンサーのキャスティングを、選び方・進め方・契約で決めること・ステマ規制の順にまとめます。
| なぜインフルエンサーか | 訪日客の出発前の情報源は SNS 43.3%・動画サイト 39.6%(観光庁、2025年) |
| 選び方 | フォロワー数より、直近の動画の再生数と、届けたい国の人に見られているか。40万人のフォロワーでも外国人客が増えなかった例がある |
| 先にやること | 投稿を見た人が予約できる受け皿(英語のページ・Googleマップ・予約)を整える |
| 契約で決めること | 投稿の媒体と本数・期限・事前確認・二次利用・費用の内訳・PR表記 |
- 海外インフルエンサーのキャスティングとは
- フォロワー数で選ぶと失敗する
- 選び方のチェックポイント
- キャスティングの進め方
- 契約で決めておくこと
- ステマ規制とPR表記
- 事例|インフルエンサー3名で再生15.7万回
海外インフルエンサーのキャスティングとは
海外インフルエンサーのキャスティングとは、海外にフォロワーを持つ発信者を選び、自社の商品・店・体験を SNS で紹介してもらうための依頼と調整のことです。

観光庁の調査では、訪日客が出発前に役に立った情報源は、SNS 43.3%・動画サイト 39.6%・個人のブログ 23.9% の順でした。国別に見ても、韓国・台湾・香港・中国・タイ・シンガポール・米国・豪州のすべてで、SNS か動画サイトが上位3位以内に入っています。米国では動画サイトが1位(43.0%)です。
旅行者が日本の情報を探す場所に、自社の情報を置いてもらう。これがインバウンド向けのインフルエンサー施策の役割です。
フォロワー数で選ぶと失敗する
ある体験事業では、TikTok でフォロワーを40万人集めましたが、外国人のお客様は増えませんでした。フォロワーの数と、来てくださるお客様の数は別のものです。
詳しくは「インバウンド集客でインフルエンサーは効くのか|40万フォロワーの失敗から」で紹介しています。
代表・川名は、インフルエンサーを選ぶときにフォロワー数より先に見ているところを、次のように話しています。
直近の動画の再生数をみてますね。これはフォロワー数よりも圧倒的に重要です。
一万人フォロワーに満たなくても直近動画が再生されていればキャスティング対象になる
見るべきは「フォロワーの数」より「直近の動画が見られているか」と「誰に見られているか」です。
フォロワーが1万人に満たなくても、直近の動画が再生されていれば候補になります。
選び方のチェックポイント
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 直近の動画が見られているか | 最近の投稿の再生数。フォロワー数より先に見る |
| 届けたい国の人に見られているか | 発信の言語、コメント欄の言語、本人が公開している視聴者の国 |
| 旅行・日本の発信をしているか | 過去の投稿に、日本旅行や同じジャンル(食・体験・宿)の紹介があるか |
| 反応の質 | 再生数だけでなく、「行きたい」「どこ?」といったコメントがついているか |
| 動画の型 | ショート動画か、長い動画か。自社が見せたいもの(雰囲気・手順・味)に合うか |
| PR投稿の見え方 | 過去の PR 投稿でも、ふだんの投稿と同じように見られているか |
キャスティングの進め方
依頼の前に事業者側で準備しておいてほしいことを聞くと、代表・川名の答えは次の2つでした。
狙いたい国のターゲット。ブランディングか集客か認知かの目的
インフルエンサーの投稿は、見た人が「行ってみたい」と思ったあとに、検索で店を探します。英語のページや Googleマップの情報がなければ、そこで止まってしまいます。受け皿を先に整えることが、キャスティングの効果を左右します。
契約で決めておくこと
キャスティングでよくある失敗を聞くと、代表・川名はこう答えました。
思ったより再生されなかった。インフルエンサーの態度が悪かった。など。
再生数は、投稿してみるまでわかりません。だからこそ、選ぶ段階で直近の動画の再生数を確かめ、当日の段取り・連絡の窓口・投稿の条件を、先に文字で決めておきます。
| 項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 媒体と本数 | Instagram・TikTok・YouTube のどれに、何本(ストーリーズを含むか) |
| 投稿の期限 | 撮影から何日以内に投稿するか |
| 事前確認 | 投稿前に内容を確認できるか、確認できる範囲(事実の誤りだけか) |
| 二次利用 | 動画を自社の SNS・サイト・広告に使えるか、使える期間 |
| 費用の内訳 | 出演・投稿の費用、渡航費・宿泊費、撮影にかかる費用をどちらが持つか |
| PR表記 | 広告であることをどう表示するか(下の「ステマ規制とPR表記」) |
あとから「広告にも使いたかった」「期限が決まっていなかった」とならないよう、二次利用と期限は最初に決めておくのが安全です。
ステマ規制とPR表記
日本では、2023年10月1日から、景品表示法でステルスマーケティング(広告であることを隠した宣伝)が規制されています。規制の対象は事業者で、投稿したインフルエンサーは処罰の対象ではありません(消費者庁)。依頼する側で気をつけておくと安心です。
依頼するときは、投稿に「PR」「広告」などの表示を入れてもらうことを、条件に入れておきます。海外の SNS に海外の言葉で投稿される場合の扱いは、消費者庁の資料や専門家に確認してください。
事例|インフルエンサー3名で再生15.7万回
私たちMILOKUは、東武タワースカイツリー様の「エンジョイパック」で、インフルエンサー3名を起用し、3つの施設の紹介動画をそれぞれの Instagram で発信してもらいました。

再生数の合計は約15.7万回。施設ごとに、東京スカイホップバス約7.5万回、チームラボプラネッツ約7.1万回、すみだ水族館約1.1万回でした。同じ企画でも、施設によって再生数には大きな差が出ます。
事例の詳しい内容は「東武タワースカイツリー様の事例」をご覧ください。
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よくある質問
Q. 海外インフルエンサーのキャスティングとは何ですか。
A. 海外にフォロワーを持つ発信者を選び、自社の商品・店・体験を SNS で紹介してもらうための依頼と調整のことです。
Q. フォロワーが多い人を選べば効果がありますか。
A. フォロワー数だけでは決まりません。直近の動画の再生数と、届けたい国の人に見られているかを確かめることが大切です。フォロワーを40万人集めても外国人客が増えなかった例があります。
Q. 契約で何を決めておけばいいですか。
A. 投稿の媒体と本数、投稿の期限、事前確認、二次利用(動画を自社の広告などに使えるか)、費用の内訳、PR表記です。
Q. ステマ規制は誰が対象ですか。
A. 消費者庁によると、規制の対象は事業者で、投稿したインフルエンサーは処罰の対象ではありません。依頼する側で、広告であることの表示を条件に入れておくと安心です。
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まとめ
海外インフルエンサーのキャスティングは、フォロワー数より「直近の動画が見られているか」「届けたい国の人に見られているか」で選び、投稿を見た人が予約できる受け皿を先に整えてから進めます。二次利用・投稿の期限・PR表記は、最初の契約で決めておきます。
海外インフルエンサーの選定や、受け皿づくりからのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
参考・出典
- 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(図表5-1 出発前に役立った旅行情報源、国別ページ) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020010.pdf
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/
- MILOKUの事例:東武タワースカイツリー様「エンジョイパック」 https://miloku.co.jp/works/sky/


