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インバウンド広告代理店の選び方|旅行前と旅行中で分ける運用のコツ

目次
  1. インバウンド広告とは
  2. 広告代理店に頼めること
  3. 広告代理店のタイプ
  4. 主な媒体と選び方
  5. 旅行中の外国人に絞った事例(大阪・道頓堀)
  6. SNS広告は「いつ来てほしいか」で決める
  7. 広告の前に整えるもの
  8. 国ごとの広告の考え方
  9. 広告代理店・広告会社の選び方
  10. 実績の確かめ方
  11. よくある質問
  12. まとめ
  13. 参考・出典

外国人のお客様に来てもらうために、広告を出したい。そう考えたとき、最初に迷うのは「どこに、誰に向けて出すか」だと思います。

私たちMILOKUは、浅草で忍者体験カフェなどの体験型店舗を自社で運営しながら、飲食店や体験施設のインバウンド集客を支援しています。広告で大事なのは、媒体の数より「その人がいま、海外にいるのか、日本にいるのか」を分けて考えることです。

先に結論です。

考え方 海外にいる「旅行前」の人と、日本にいる「旅行中」の人で、広告を分ける
飛び込み客が中心の店 旅行中の人に絞る。配信地域を店の周りに絞り、Googleマップにも出す
SNS広告 「いつ来てほしいか」で決める。予算は1日1,000円からでいい
広告より先に Googleマップの情報と口コミを整える。広告で見に来た人が、ここで決める
代理店を選ぶとき 成果の定義・配信地域・広告費と運用費の内訳を確かめる
この記事でわかること
  • インバウンド広告とは(旅行前と旅行中)
  • 広告代理店に頼めること・代理店のタイプ
  • 主な媒体と選び方
  • 旅行中の外国人に絞った事例(大阪・道頓堀)
  • SNS広告は「いつ来てほしいか」で決める
  • 広告の前に整えるもの
  • 国ごとの広告の考え方
  • 広告代理店・広告会社の選び方と、実績の確かめ方
TikTokで見た飲食店に実際に行った人
58%
米国のTikTok利用者の調査(MGH)
店選びのきっかけが「動画」
26件
日本の外食に触れた英語コメント116件のうち
SNS広告はこの予算から始めていい
1日1,000円
代表・川名

インバウンド広告とは

インバウンド広告は、訪日外国人に向けて、店や体験を知ってもらい、来てもらうための広告です。

同じ「外国人向け」でも、相手は2つに分かれます。

旅行前(海外にいる) 旅行中(日本にいる)
どんな人か 日本旅行を計画している、または興味を持っている すでに日本に来ていて、近くで店を探している
求めていること 行き先を決める、予定に入れる いま行ける店を探す、道順を調べる
向いている広告 SNS広告・動画広告で知ってもらう Googleの検索広告・Googleマップに出る広告
店の例 予約制の体験、宿泊、行き先になる店 予約なしで入れる飲食店・カフェ・娯楽施設

予約なしの飛び込み客が中心の店なら、まず「旅行中」の人に絞るのが近道です。海外全体に広く出すと、来られない人にまで広告費を使うことになります。

代表・川名

インバウンド向けの広告は、Google広告、Meta広告といろいろ手段があるんですけども、インバウンド向けに広告を当てるのは非常に難しいです。日本の広告よりもターゲティングが難しく、例えば旅行前か旅行中かによって、見ている広告や欲しい情報がまったく変わってきます。検索の仕方も大きく違います。
また、広告は短期的にお客さんを呼びたいときに使う施策ですが、Google広告もMeta広告も、ある程度運用して最適化させていく必要があるので、実はそこまで短期集客には向いていないのではないか、という視点もあります。

広告代理店に頼めること

インバウンド広告を広告代理店に頼むと、広告を出す作業だけでなく、その前後もまとめて任せられます。何をどこまで頼むかを先に決めておくと、見積もりも比べやすくなります。

段階 代理店に頼めること 自社で決めておくこと
戦略 目的の整理、ターゲットの国と人の設定、媒体の組み合わせの提案 誰に、いつ、何をしに来てほしいか
制作 広告の文章・画像・動画(クリエイティブ)の制作、多言語化 伝えたい店の強み、使ってよい写真や映像
運用 媒体の設定、配信地域・予算の調整、入札の最適化 月の予算の上限
効果測定 成果の集計、レポート、次の施策の提案 何を成果とするか(来店・予約・問い合わせ)
周辺の施策 Googleマップの整備、SNSでの発信、プロモーション全体の設計 社内で続けられることと、任せたいこと

広告は、ほかの施策と組み合わせて初めて効果が出ます。広告だけを頼むのか、マーケティング全体のサポートまで頼むのかで、選ぶ代理店も変わります。

広告代理店のタイプ

インバウンド広告を扱う会社は、大きく次のタイプに分かれます。どれが良い・悪いではなく、目的に合うかどうかで選びます。

タイプ 得意なこと 向いている事業者
総合広告代理店 テレビ・新聞・大型のプロモーションまで含む大きな企画 大きな予算で、複数の国に広く発信したい企業
インバウンド専門のマーケティング会社 訪日客に合わせた戦略、多言語の発信、Googleマップ・SNS・広告の組み合わせ 飲食店・体験施設・宿泊施設など、訪日客を直接呼びたい事業者
ネット広告の運用会社 Google広告・SNS広告の細かい運用と最適化 媒体がすでに決まっていて、運用だけを任せたい事業者
観光プロモーションの会社 自治体・観光地の情報発信、海外メディアやインフルエンサーの活用 自治体・DMO・観光協会

主な媒体と選び方

媒体 届く相手 使いどころ
Googleの検索広告 「近くの〇〇」などで検索している人 旅行中の人を、いま来店につなげる
P-MAX(Google) 検索・Googleマップ・YouTube など Google の広告枠 旅行中の人に、地図の上でも見つけてもらう
Instagram・Facebook広告 興味・関心で絞った人 旅行前の人に知ってもらい、覚えてもらう
TikTok広告 動画を見ている人 動画で魅力が伝わる体験・料理
YouTube広告 動画を見ている人 長めの動画で、雰囲気や体験の流れを見せる
中国向けの媒体(小紅書など) 中国の旅行者 中国からのお客様を狙うとき

旅行前の人に向けた広告で効くのは、動画です。米国のTikTok利用者1,142人への調査では、TikTokで見た飲食店に実際に行った人が58%いました。

米国のTikTok利用者1,142人の調査で、TikTokで見た飲食店に実際に行った58%、いつもより遠くまで行った56%、いつもより多く払った52%
出典:MGH「TikTok Drives Restaurant Sales」(2024年11月調査・米国のTikTok利用者1,142人)

私たちMILOKUが英語のYouTubeコメントを分類した調査でも、日本の外食に触れた116件のうち、店選びのきっかけでいちばん多かったのは「動画で知った」(26件)でした。

日本の外食に触れた英語コメント116件で、店選びのきっかけは動画で知った26件、味18件、店の人の人柄14件、地元の店14件、一人で入りやすい14件
出典:MILOKU調べ。英語のYouTube動画39本のコメントから無作為に600件をAIで読み取り、日本の外食の話116件を分類(2026年10月取得)

旅行中の外国人に絞った事例(大阪・道頓堀)

道頓堀でインターネットカフェとアミューズメント施設を運営する株式会社ディスクシティエンターテイメント様(DiCE 難波道頓堀本店)の事例です。

外国人のお客様は予約なしの飛び込みが中心でした。Google広告はすでに始めていましたが、改善の方向性や成果の判断基準が定まっていない状態でした。

私たちは、次の方針を整理しました。

1
旅行中の人に絞る
海外全体ではなく、すでに日本に滞在している旅行者に届ける
▼
2
配信地域を店の周りに絞る
配信地域を大阪周辺に絞る
▼
3
Googleマップにも出す
検索広告に加えて、Googleマップにも配信できる P-MAX を提案
▼
4
成果の見方を決める
来店・ルート検索など、何を成果とするかを先に決める

あわせて、Googleマップは「日本語をベースに外国語を併記する」方針で整え、英語の口コミを集める仕組みもつくりました。以前、プロフィールをすべて英語にしたら日本人のお客様が減った経験があったため、日本人のお客様も大切にする形にしています。

Google広告は良好な成果が確認でき、配信地域を大阪周辺に絞ったまま運用を続けています。詳しくは「大阪・道頓堀のネットカフェ|Google広告とMEOの集客支援」をご覧ください。

外国人向けの広告なら、海外に向けて出すものだと思っていました。

▶

店長
店長
M
MILOKU

◀

予約なしで入れるお店なら、すでに日本にいる人のほうが近道です。お店の周りに絞れば、広告費も無駄になりにくいです。
海外向けの広告は、要らないんでしょうか。

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店長
店長
M
MILOKU

◀

予約制の体験や、旅行の行き先になるお店なら意味があります。お店の性格で使い分けます。

SNS広告は「いつ来てほしいか」で決める

SNS広告では、「問い合わせ・予約を取る広告」と「見てもらう・覚えてもらう広告」のどちらにするかで迷います。私たちは、「いつ来てほしいか」で決めています。

私たちの見方では、外国人の旅行は「いますぐ」より、事前に計画して来る人のほうが多いからです。

代表・川名

リードは取ってもなかなかすぐは来ない気がするんすよね。

普段は、動画を見てもらい、フォローしてもらって、「今度日本に行くときに行きたい」と覚えてもらう広告で十分です。桜の季節のように「いまそれをしたい」人が集まる時期は、予約を取りに行く広告が効きます。

予算も、大きくなくてかまいません。

代表・川名

そんな予算かける必要ないんで、1日本当に1,000円とかでもいい。

その代わり、質の高い動画を1本つくって回します。広告のためだけに動画をつくるより、普段の投稿で伸びた動画を広告に回すほうが効率的です。

広告の前に整えるもの

広告で興味を持った人は、たいていGoogleマップで店を確かめてから来ます。ここが整っていないと、広告費をかけても来店につながりません。

代表・川名

広告を始める前に、事業者にまずやってほしいのは、Webサイトの整備とSEO対策です。いくら広告で認知を広げても、予約を刈り取るための機能や、比較検討ができる場所をそろえていないと、収益にはつながらないと考えています。

  • Googleマップの店名・写真・メニュー・営業時間を、外国語でも分かるようにする
  • 口コミを集め、返信する(英語の口コミには英語で)
  • 予約が必要なら、予約の方法を外国語で書いておく
  • 公式サイトや予約ページにも、比べて選ぶための情報(料金・内容・所要時間)を外国語で置いておく

Googleマップの整え方は「インバウンドMEO対策とは?」で解説しています。

国ごとの広告の考え方

どの国のお客様に来てほしいかで、使う媒体も、広告の言葉も変わります。

たとえば日本政府観光局(JNTO)は、韓国向けの市場戦略で「動画配信サービスやインフルエンサー等のSNSを活用して様々な切り口で地方の楽しみ方を紹介し、地方誘客を強化する」としています(2026年4月版)。国の観光の発信でも、国ごとに媒体と見せ方を変えています。

国別の集客は、次の記事でも詳しく解説しています。

▼関連記事
韓国インバウンドの集客とプロモーション|広告の前に整える受け皿
台湾インバウンドの集客とプロモーション|繁体字で整える受け皿と広告

広告代理店・広告会社の選び方

インバウンド広告を代理店に頼むなら、見積もりの金額を比べる前に、次の点を確かめてください。

1
何を成果とするか
表示回数か、来店・ルート検索か、予約か。書面で決めておく
▼
2
誰に、どこで出すか
旅行前の人か、旅行中の人か。配信地域はどこまでか
▼
3
広告費と運用費の内訳
「広告費」と「運用の手数料」は別物。総額と内訳で確かめる
▼
4
レポートの中身
数字を並べるだけでなく、次に何を変えるかまで出てくるか
▼
5
自分で見られるか
広告の管理画面を、自社でも見られる形にしてくれるか

費用の考え方は「インバウンド集客代行の費用」にまとめています。

実績の確かめ方

代理店のサイトに「実績多数」と書いてあっても、それだけでは判断できません。次の点を見てください。

  • 同じ業種の実績があるか:飲食店・体験施設・宿泊施設など、自社に近い業種で支援しているか
  • 同じ国のお客様の実績があるか:来てほしい国の旅行者に向けた施策をしたことがあるか
  • 事例の中身が具体的か:何をして、何が変わったのかが書かれているか。実名の事例があるか
  • 現場を知っているか:訪日客を受け入れる側の事情(言葉・支払い・予約)を分かっているか

私たちMILOKUの支援事例は「成功事例」で、業種別・サービス別にまとめています。

代表・川名

広告代理店に頼んで失敗したというお話は、かなり多く聞きます。ほとんどは、受け皿の整備やSEO対策・Web対策をする前に、広告を打ってしまったケースです。インバウンド集客の1手目として、いきなり代理店に広告を依頼して失敗するケースは、非常に多いなと思っています。

よくある質問

Q. インバウンド広告は、海外に向けて出すべきですか。
A. お店の性格によります。予約なしの飛び込み客が中心なら、すでに日本にいる旅行者に絞るほうが近道です。予約制の体験や、旅行の行き先になるお店なら、海外にいる人に向けた広告にも意味があります。

Q. インバウンド広告の予算は、いくらから始められますか。
A. SNS広告なら、1日1,000円からでも始められます。大きな予算より、質の高い動画を1本つくって回すことが大切です。

Q. インバウンド広告の事例はありますか。
A. 大阪・道頓堀のインターネットカフェ(DiCE 難波道頓堀本店)では、旅行中の外国人に絞り、配信地域を大阪周辺に限定したGoogle広告で良好な成果を確認し、運用を続けています。

Q. インバウンド広告は、代理店に頼むべきですか。自社でもできますか。
A. SNS広告を小さく試すことは、自社でもできます。ターゲットの国の設定、広告のクリエイティブ制作、成果の測り方まで含めて任せたいときは、インバウンドに強い代理店に相談するのが近道です。

Q. 広告代理店の費用は、どう決まりますか。
A. 多くの場合、媒体に払う「広告費」と、代理店に払う「運用の手数料」に分かれます。手数料は、広告費に対する割合で決める形や、月ごとの固定額の形があります。クリエイティブの制作費が別にかかることもあるので、総額と内訳を見積もりで確かめてください。

Q. 自治体や観光協会でも、広告代理店に頼めますか。
A. 頼めます。観光地のプロモーションでは、広告だけでなく、海外メディアやインフルエンサーを活用した発信、多言語のサイト制作までまとめて任せることが多くなります。目的とターゲットの国を先に決めておくと、提案を比べやすくなります。

Q. 広告代理店はどう選べばいいですか。
A. 何を成果とするか、誰にどこで出すか、広告費と運用費の内訳、レポートの中身、管理画面を自社で見られるかを確かめてください。

▼支援事例
大阪・道頓堀のネットカフェ|Google広告とMEOの集客支援

▼MILOKUの支援サービス
インバウンド向け広告運用代行

まとめ

インバウンド広告は、相手が「旅行前」か「旅行中」かで、媒体も出し方も変わります。予約なしの飛び込み客が中心のお店なら、旅行中の人に絞り、店の周りで、Googleマップにも出すのが近道です。

SNS広告は「いつ来てほしいか」で決め、予算は小さく始めてかまいません。広告で興味を持った人が最後に見るGoogleマップと口コミを、先に整えておくことをおすすめします。

参考・出典

  • MGH「TikTok Drives Restaurant Sales」(2024年11月調査・米国のTikTok利用者1,142人)
  • MILOKU調べ:英語のYouTube動画39本のコメントから無作為に600件を AI(Claude)で読み取り、日本の外食の話116件を分類(2026年10月取得。無作為の30件を代表・川名が確かめ、すべて一致)

この記事を書いた人
川名 友貴
川名 友貴 (かわな ゆうき)
株式会社MILOKU 代表取締役/インバウンド集客コンサルタント

オリックス銀行で法人融資を3年経験したのち、D2Cアパレル事業を創業。その後浅草で人力車の車夫として現場に立ち、マーケティング責任者として人力車業界にいち早くWeb施策を導入。ロサンゼルス支店の立ち上げも担当しました。2025年に株式会社MILOKUを共同設立。

浅草で忍者体験カフェなどを自社運営しながら、宿泊・飲食・観光施設・自治体まで、セミナー・相談を含めて300社以上のインバウンド集客を支援しています。

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