韓国インバウンドの集客とプロモーション|広告の前に整える受け皿

目次
韓国は、日本を何度も訪れるリピーターの多い市場です。距離が近く、SNSで情報が広がるのも速い。日本の事業者にとって、狙いやすい相手のひとつです。
それでも「韓国のお客様に向けて、何をすればいいか分からない」「韓国向けの広告を出すべきか」という相談をよくいただきます。答えはシンプルです。広告より先に、韓国語で見つけてもらえる受け皿を整えることです。
私たちMILOKUは、浅草で忍者体験カフェなどの体験型店舗を自社で運営しながら、飲食店・宿・体験事業のインバウンド集客を支援しています。その立場から、韓国向けの集客とプロモーションの進め方をお伝えします。
先に結論です。
| 韓国市場 | 訪日経験率が高く、リピーターが増えている成熟市場(JNTO) |
| 韓国の検索 | GoogleとNAVERでほぼ二分(Google 47.97%・NAVER 43.06%、2026年9月) |
| 最初にやること | Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)を韓国語で整える |
| 広告の考え方 | 旅行前と旅行中で分ける。 受け皿がないまま広告を出さない |
| 口コミ | 韓国語の口コミを、対価なしでお願いする |
- 韓国市場の今
- 韓国のお客様は何で調べるか
- 最初にやること:Googleマップを韓国語で整える
- 韓国向けの広告・プロモーションの考え方
- 業種別|韓国のお客様に効くポイント
- 韓国語の口コミの集め方
- やらなくていいこと
韓国市場の今
JNTO(日本政府観光局)は、韓国を「海外旅行者における訪日経験率が特に高い成熟市場」とし、訪日4回以上の層を中心にリピーターの比率が増えているとしています(JNTO 韓国 市場別戦略)。
観光庁の統計では、2025年の韓国からの一般客(クルーズ客を除く)は942万人(前年比+7.1%)で、その旅行消費額は9,897億円でした。一方、1人当たりの旅行支出は前年比−3.7%と減っています(観光庁 2025年年次報告書)。
2026年4-6月期(2次速報)の韓国からの旅行消費額は2,581億円で、国別で4位(構成比10.3%)でした。一般客の人数は前年同期比+14.8%と伸びる一方、1人当たりの支出は−2.6%です(観光庁 2026年4-6月期 2次速報、2026年9月30日発表)。
韓国は「人数は多いが、1人当たりの支出は伸びにくい」市場です。
何度も来てくれるリピーターに、また選んでもらえる受け皿をつくることが、集客の土台になります。
円安との関係は「円安でインバウンドはどう変わった?」で解説しています。
韓国のお客様は何で調べるか
観光庁の調査では、2026年4-6月期に出発前の情報源としてSNSを挙げた韓国の旅行者は53.9%でした(全目的)。JNTO も韓国向けの戦略で、「情報収集源として利用の高まりがみられる動画配信サービスやインフルエンサー等のSNS」の活用を挙げています。
検索は、GoogleとNAVERでほぼ二分されています。StatCounter の2026年9月の集計では、韓国の検索シェアは Google 47.97%、NAVER 43.06% でした(StatCounter)。
| 調べる場面 | よく使われるもの | 事業者がやること |
|---|---|---|
| 旅行前に知る | SNS・動画(Instagram・YouTube など) | 体験や料理が伝わる写真・動画を出す |
| 旅行前に調べる | 検索(Google・NAVER) | 韓国語の情報を用意する |
| 旅行中に店を探す | Googleマップ | Googleビジネスプロフィールを韓国語で整える |
| 行ったあと | SNS・ブログ・口コミ | 韓国語の口コミをお願いする |
最初にやること:Googleマップを韓国語で整える
旅行中に店を探すとき、韓国のお客様もGoogleマップを開きます。ここで韓国語の情報がないと、候補に入りません。
Googleビジネスプロフィールは、店名・カテゴリは自動翻訳されますが、説明文や最新情報は翻訳されません。
韓国語で見つけてもらうには、説明文に韓国語のテキストを入れる必要があります。
整える順番は次のとおりです。
Googleマップの多言語対応の詳しいやり方は「インバウンドMEO対策とは?」で解説しています。
韓国向けの広告・プロモーションの考え方
受け皿が整ったら、広告やSNSで知ってもらう段階です。旅行前と旅行中で、届けるものと媒体を分けます。
| 段階 | 届ける相手 | 主な手段 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 旅行前 | これから日本に来る人 | SNS広告・動画・インフルエンサー | 「行ってみたい」と思わせる写真・動画。広告の行き先は韓国語にする |
| 旅行中 | すでに日本にいる人 | Google広告(検索・Googleマップへの配信)、Googleマップの整備 | 配信する地域を店の周りに絞る |
旅行中の外国人に絞って広告を出した例が、大阪・道頓堀のネットカフェ「DiCE 難波道頓堀本店」様です。私たちMILOKUは、海外全体に広告を届けるのではなく、すでに日本に滞在している旅行者に絞る方針を整理し、配信地域を大阪周辺に絞りました。あわせて、Googleマップの多言語対応と、口コミを集める仕組みづくりを支援しています(事例)。
広告を見たお客様は、次にGoogleマップや公式サイト、口コミを調べます。そこが日本語のままなら、そこで離れてしまいます。
私たちの体験事業でも、SNSのフォロワーが40万人いたのに、外国人のお客様は増えませんでした。知ってもらうことと、来てもらうことは別です。
広告の媒体の選び方や、広告代理店に頼むときの確かめ方は「インバウンド広告代理店の選び方」で詳しく解説しています。
▶
◀
▶
◀
業種別|韓国のお客様に効くポイント
| 業種 | 効くこと | 見落としがちな点 |
|---|---|---|
| 飲食店 | 韓国語のメニュー、辛さ・アレルギーの表記 | 写真で料理が分かるメニュー |
| 美容室・サロン | 施術の前後が分かる写真 | 韓国語での予約の受け方 |
| 物販・コスメ | 免税の案内、まとめ買いの案内 | 韓国で人気の商品を前に出す |
| 体験・観光施設 | 体験の動画、写真を撮りたくなる場面 | 韓国語の所要時間・料金の表示 |
| 宿泊施設 | 立地とアクセスの分かりやすさ | 韓国語の予約ページ |
韓国語の口コミの集め方
韓国のお客様には、韓国語での口コミをお願いしてください。 同じ韓国の人が書いた口コミは、次の韓国のお客様の判断材料になります。
お願いするのは、満足してもらえたその場がいちばんです。DiCE 様の事例でも、QRコード付きの英語のレビューカードを渡しながら、スタッフが一言お願いする方法を取り入れました。
Googleのポリシーに反します。日本ではステルスマーケティングの規制の対象にもなりえます。対価なしでお願いしてください。
やらなくていいこと
| やらなくていいこと | 理由 |
|---|---|
| 受け皿がないままのSNS広告 | 見てもらっても、調べた先で離れてしまう |
| 自動翻訳だけの韓国語対応 | 説明文や最新情報は翻訳されない |
| すべての言語を同時に対応 | 韓国のお客様が多いなら、まず韓国語に集中する |
| Googleマップの順位を毎日確かめる | 順位は見る場所で変わる。見るのは表示回数と、どんな言葉で見つけられたか |
| 見返り付きの口コミ依頼 | ポリシー違反 |
▼関連記事
インバウンド広告代理店の選び方|旅行前と旅行中で分ける運用のコツ
台湾インバウンドの集客|台湾のお客様に届ける方法
インバウンド集客の方法9選
よくある質問
Q. 韓国インバウンドは、まず何から始めればいいですか。
A. Googleビジネスプロフィールの韓国語対応です。店名・カテゴリは自動翻訳されますが、説明文は翻訳されないため、韓国語のテキストを入れてください。
Q. 韓国向けの広告は出したほうがいいですか。
A. 受け皿(韓国語のGoogleマップ・ホームページ・口コミ)が整ってからにしてください。旅行前の人にはSNS・動画、旅行中の人には店の周りに絞ったGoogle広告、と分けて考えます。
Q. NAVERにも対応すべきですか。
A. 韓国の検索はGoogleとNAVERでほぼ二分されています。旅行中の店探しはGoogleマップが中心になるため、まずGoogleマップの韓国語対応を整え、そのうえでNAVERでの発信を考えるのがおすすめです。
Q. 韓国語ができるスタッフがいません。
A. 説明文の韓国語は、一度整えれば使い続けられます。接客は、写真付きのメニューや翻訳アプリで補えます。
▼MILOKUの支援サービス
インバウンド向け広告運用代行
まとめ
韓国は、リピーターが多く、SNSで情報が広がりやすい市場です。ただし、1人当たりの支出は伸びにくくなっています。
まず、Googleマップを韓国語で整えて、見つけてもらえる受け皿をつくること。広告やSNSは、そのあとに旅行前と旅行中で分けて使うこと。これが、韓国インバウンドの集客とプロモーションの近道です。
