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インバウンド減少の対策|中国が半減でも伸びる国と事業者の打ち手

インバウンド減少の対策|減った国・伸びた国。2026年1〜9月、中国は前年同期比-55.5%、韓国は+21.6%、台湾は+19.1%
目次
  1. 2026年、インバウンドは減っているのか
  2. 減ったのは三大都市圏の宿泊
  3. インバウンド減少の対策5つ
  4. 1. 自店の客層を国別に分ける
  5. 2. 伸びている国の言語を足す
  6. 3. 国ごとに検索される時期に発信する
  7. 4. 国によって泊まる場所の違いを踏まえる
  8. 5. 1人当たりの支出が多い国も視野に入れる
  9. やらなくていいこと|減ったからと広告を急に増やす
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 調べ方と限界
  13. 参考・出典

「最近、外国人のお客様が減った気がする」。そう感じている観光業・飲食・宿泊の事業者の方に向けて、最新の数字から対策をまとめます。

日本政府観光局(JNTO)の発表では、2026年1〜9月の訪日外客数は3,073万200人で、前年同期より2.9%減りました(2026年10月21日発表、推計値)。ただし、減り方は国によってまったく違います。

2026年1〜9月の訪日外客数 3,073万200人(前年同期比2.9%減)
大きく減った国 中国 333万5,500人(55.5%減)
伸びている国 韓国21.6%増・台湾19.1%増・メキシコ25.8%増・香港7.7%増・米国5.2%増
事業者がやること 自店の客を国別に分け、伸びている国に合わせて言語・発信の時期・打ち出しを変える

「インバウンドが減った」のではなく、「中国からの客が減り、ほかの国は伸びている」のが2026年の姿です。

この記事でわかること
  • 2026年、インバウンドは減っているのか
  • 減ったのは三大都市圏の宿泊
  • インバウンド減少の対策5つ
  • やらなくていいこと|減ったからと広告を急に増やす
2026年1〜9月の訪日外客数
2.9%減
3,073万200人
同期間の中国
55.5%減
333万5,500人
同期間の韓国
21.6%増
826万2,700人

2026年、インバウンドは減っているのか

全体では減っています。2026年9月の訪日外客数は310万3,700人で、前年同月比5.0%減でした。JNTO は、中東情勢による航空券価格の上昇、航空便の減便、台風による欠航を要因に挙げています。

それでも、9月は韓国・台湾・シンガポール・インド・メキシコ・ロシア・中東地域の7市場が、9月として過去最高を記録しました。

2026年1〜9月の訪日客数の前年同期比。メキシコ+25.8%、韓国+21.6%、台湾+19.1%、香港+7.7%、米国+5.2%、タイ+2.4%、豪州+2.2%、全体-2.9%、中国-55.5%
出典:日本政府観光局(JNTO)訪日外客数(2026年9月推計値、2026年10月21日発表)

全体を押し下げているのは中国です。JNTO は、2025年11月以降、中国政府から日本への渡航を避けるよう注意喚起が複数回あったと記しています。

中国は、2025年の訪日外国人の旅行消費額で1位(1兆9,737億円、全体の21.0%)でした(観光庁)。中国からのお客様が多かった店・施設ほど、影響は大きくなります。

ただし、人数が減っても、お金の流れがそのまま減ったわけではありません。2026年4〜6月期は、訪日外国人旅行者数が前年同期より5.3%減った一方、旅行消費額は2兆5,125億円で0.3%増えました(観光庁、2次速報)。

QUIZ
2026年1〜9月、訪日外客数が前年より増えたのはどちら?
A. 中国
B. 韓国
答えを見る
B. 韓国(21.6%増)
中国は55.5%減でした。韓国は826万2,700人でした。

減ったのは三大都市圏の宿泊

宿泊でも、減り方に差があります。2026年7月の外国人延べ宿泊者数は1,331万人泊で、前年同月比6.5%減でした(観光庁、第2次速報)。地域別に見ると、三大都市圏が9.2%減だったのに対し、地方部は0.9%減にとどまっています。8月は1,264万人泊(10.3%減、第1次速報)でした。

なお、観光庁は2026年1月分から調査の対象の分け方を変えていて、前年との比較にはその影響が含まれる可能性がある、と注記しています。

インバウンド減少の対策5つ

インバウンド減少への対応は、外国人観光客の全体を追いかけることではありません。伸びている国に合わせて、集客の戦略を組み直すことです。

1

自店の客層を国別に分ける
予約の記録・口コミ・会話から、どの国のお客様が減り、どの国が増えたかを確かめる
▼

2

伸びている国の言語を足す
韓国・台湾が伸びているなら、韓国語と繁体字の情報を整える
▼

3

国ごとに検索される時期に発信する
日本旅行が検索される月は国によって違う。その少し前に情報を出す
▼

4

国によって泊まる場所の違いを踏まえる
欧米豪のお客様は東京に、東アジアのお客様は東京以外にも広く泊まる
▼

5

1人当たりの支出が多い国も視野に入れる
人数が少なくても、1回の旅行で使う金額が大きい国がある

1. 自店の客層を国別に分ける

全国の数字が減っていても、自店で減っているとは限りません。まずは、自店に来る外国人観光客がどの国から来ているかを確かめます。予約サイトの記録、Googleマップの口コミの言語、スタッフの体感でもかまいません。中国のお客様の割合が高かった店ほど、ほかの国への切り替えが急ぎです。

2. 伸びている国の言語を足す

2026年1〜9月に伸びた韓国(21.6%増)と台湾(19.1%増)は、どちらも訪日客の多い市場です。韓国・台湾からの訪日客の増加を取り込むには、韓国語と繁体字(台湾・香港で使われる漢字)で提供する情報を整えることが、いちばん直接の対策になります。

調べ方の違いにも注意が要ります。韓国の検索エンジンのシェアは Google 47.97%・NAVER 43.06% でほぼ二分され、台湾は Google が79.48%です(StatCounter、2026年9月)。韓国のお客様に向けては、Google だけでなく NAVER での見え方も確かめておくと安心です。

3. 国ごとに検索される時期に発信する

私たちMILOKUは、12の国・地域について、日本旅行に関する検索がいつ多いかを調べました(2026年10月)。

国・地域 日本旅行の検索が最も多い月
12市場のうち8市場 1月
シンガポール・香港 10月
マレーシア 11月
台湾 3月と11月

夏(7〜9月)は、ほぼどの市場でも検索が平均より少なくなっていました。検索が増える月の前に、英語・各国語のページや Googleマップの情報を整えておくのが効率的です。

4. 国によって泊まる場所の違いを踏まえる

国籍別の外国人延べ宿泊者数のうち東京の割合(2025年)。米国48.8%、カナダ46.2%、英国44.6%、豪州42.3%、全体33.2%、香港24.3%、韓国20.7%、台湾19.1%
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年確定値(従業者数10人以上の施設)から MILOKU が算出

2025年の外国人の宿泊のうち、東京の割合は全体で33.2%でした。国籍別に見ると、米国48.8%・カナダ46.2%・英国44.6%・豪州42.3%は東京に集中し、台湾19.1%・韓国20.7%・香港24.3%は東京以外にも広く泊まっています(MILOKUが観光庁の統計から算出)。

東京の事業者なら欧米豪、東京以外の地域の事業者なら台湾・韓国・香港の旅行者、というように、地域によって狙う国を変えるのが自然です。

5. 1人当たりの支出が多い国も視野に入れる

2025年の一般客1人当たりの旅行支出は、全体で228,782円でした。国別では、英国391,320円・ドイツ392,251円・豪州386,512円が高く、韓国は105,058円でした(観光庁)。

国 1人当たりの旅行支出(2025年)
ドイツ 392,251円
英国 391,320円
豪州 386,512円
米国 339,708円
全体 228,782円
台湾 184,413円
韓国 105,058円

人数の多い韓国・台湾と、1人当たりの支出が多い欧米豪。どちらを主に狙うかで、打ち出す商品(宿泊・食事・体験)も変わります。

やらなくていいこと|減ったからと広告を急に増やす

お客様が減ると、すぐに広告で取り戻したくなります。ですが、代表・川名はインバウンド向けの広告について、次のように話しています。

代表・川名

インバウンド向けの広告は、Google広告、Meta広告といろいろ手段があるんですけども、インバウンド向けに広告を当てるのは非常に難しいです。日本の広告よりもターゲティングが難しく、例えば旅行前か旅行中かによって、見ている広告や欲しい情報がまったく変わってきます。検索の仕方も大きく違います。
また、広告は短期的にお客さんを呼びたいときに使う施策ですが、Google広告もMeta広告も、ある程度運用して最適化させていく必要があるので、実はそこまで短期集客には向いていないのではないか、という視点もあります。

代表・川名

広告代理店に頼んで失敗したというお話は、かなり多く聞きます。ほとんどは、受け皿の整備やSEO対策・Web対策をする前に、広告を打ってしまったケースです。インバウンド集客の1手目として、いきなり代理店に広告を依頼して失敗するケースは、非常に多いなと思っています。

減少への対策も同じです。先に、伸びている国の言葉で、ホームページと Googleマップの情報を整え、外国人観光客を受け入れる環境をつくります。広告で集客を拡大するのは、そのあとです。

中国のお客様が減って、売上が下がっています。広告を出すべきでしょうか。

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店長

店長

M

MILOKU

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その前に、ほかの国のお客様が増えていないか確かめてみてください。韓国や台湾からの訪日客は、前の年より2割ほど増えています。
韓国語や繁体字のページはありません。

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店長

店長

M

MILOKU

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まずはそこからです。Googleマップの説明と、店の紹介ページを1枚。広告は、受け皿ができてからで間に合います。

▼関連記事
中国インバウンドのプロモーション手法|集客の正しい順番
韓国インバウンドの集客とプロモーション|広告の前に整える受け皿
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よくある質問

Q. インバウンドは2026年に減っていますか。
A. 全体では減っています。2026年1〜9月の訪日外客数は3,073万200人で、前年同期比2.9%減でした(JNTO、推計値)。ただし、減っているのは主に中国(55.5%減)で、韓国(21.6%増)や台湾(19.1%増)は伸びています。

Q. 外国人観光客が減った理由は何ですか。
A. JNTO は、中国政府から日本への渡航を避けるよう注意喚起が複数回あったこと、中東情勢による航空券価格の上昇、航空便の減便、台風による欠航を挙げています。

Q. 中国のお客様が減った店は、何から始めればいいですか。
A. 自店のお客様を国別に分け、伸びている国(韓国・台湾など)の言語でホームページと Googleマップの情報を整えるところからです。

Q. 地方の事業者も影響を受けていますか。
A. 2026年7月の外国人延べ宿泊者数は、三大都市圏が9.2%減だったのに対し、地方部は0.9%減でした(観光庁、第2次速報)。地域によって影響の大きさは違います。

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まとめ

2026年1〜9月の訪日外客数は前年より2.9%減りましたが、減ったのは主に中国で、韓国・台湾・米国などは伸びています。インバウンド減少の対策は、広告を急に増やすことではありません。自店の客を国別に分け、伸びている国の言語・検索される時期・泊まる場所に合わせて、情報の受け皿を整えることです。

インバウンド集客でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

調べ方と限界

  • 訪日外客数は JNTO の2026年9月推計値(2026年10月21日発表)。2026年の数字は推計値で、あとで改定されることがあります
  • 宿泊の数字は観光庁「宿泊旅行統計調査」の速報値(2026年7月は第2次速報、8月は第1次速報)。2026年1月分から調査の分け方が変わったため、前年比には見直しの影響が含まれる可能性があります
  • 国籍別の東京の割合は、観光庁の2025年確定値(従業者数10人以上の施設の国籍別の表)から MILOKU が算出しました
  • 日本旅行が検索される月は、12の国・地域で日本旅行に関する検索語を検索データのツールで集計したものです(2026年10月22日)。検索数は推計値です

参考・出典

  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年9月推計値)」(2026年10月21日発表) https://www.jnto.go.jp/news/press/20261021_monthly.html
  • 観光庁「宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報、2026年7月・第2次速報)」(2026年9月30日公表) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002025565.pdf
  • 観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年 確定値(2026年7月6日公表) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002026762.xlsx
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年年次報告書」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020010.pdf
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査 2026年4-6月期(2次速報)」(2026年9月30日発表) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002024946.pdf
  • StatCounter「Search Engine Market Share」韓国・台湾(2026年9月)
  • MILOKU調べ:国・地域ごとの日本旅行の検索の時期(2026年10月22日取得)

この記事を書いた人

川名 友貴

川名 友貴 (かわな ゆうき)
株式会社MILOKU 代表取締役/インバウンド集客コンサルタント

オリックス銀行で法人融資を3年経験したのち、D2Cアパレル事業を創業。その後浅草で人力車の車夫として現場に立ち、マーケティング責任者として人力車業界にいち早くWeb施策を導入。ロサンゼルス支店の立ち上げも担当しました。2025年に株式会社MILOKUを共同設立。

浅草で忍者体験カフェなどをグループで運営しながら、宿泊・飲食・観光施設・自治体まで、セミナー・相談を含めて300社以上のインバウンド集客を支援しています。

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