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二重価格を外国人はどう思う?英語コメントで分かった受け入れられる形

目次
  1. 調べ方
  2. 二重価格の賛否は、動画しだいで大きく動く
  3. 「施設はよい、食事はいや」という線
  4. 反発が強いのは「差が隠れているとき」
  5. 「住民に割引」の形なら受け入れやすい
  6. 出国税・宿泊税と、免税制度の変更
  7. 浅草の現場で見えたこと
  8. 二重価格は違法?
  9. 事業者がやること・やらなくていいこと
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 調べ方と限界

外国人観光客に、日本人とは別の料金を設ける「二重価格」。観光地や飲食店で話題になり、「うちも外国人料金を考えたほうがいいのか」と悩んでいる事業者の方もいると思います。

では、当の外国人はどう受け止めているのでしょうか。

私たちMILOKUは、浅草で忍者体験カフェなどの体験型店舗を自社で運営しながら、観光事業者のインバウンド集客を支援しています。今回、英語のYouTube動画98本に付いたコメントから、観光客が払う値段の話180件を AI で読み取って分類し、数えました。

先に結論です。

二重価格の賛否 触れた58件で理解33件・反対17件。ただし動画の選び方で「ほぼ同数」から「約2倍」まで動く
受け入れられやすい形 寺・城・美術館などの施設(12件中9件が肯定的)、「住民に割引」の形(7件)
反発されやすい形 飲食店(13件中7件が否定的)、値段の差が隠れているとき(英語メニューだけ高い など)
税金は? 出国税・宿泊税はおおむね受け入れられている。戸惑いが多いのは免税制度の変更
飲食店がやらなくていいこと 外国人向けの別料金を、わざわざ作ること
この記事でわかること
  • 調べ方
  • 二重価格の賛否は、動画しだいで大きく動く
  • 「施設はよい、食事はいや」という線
  • 反発が強いのは「差が隠れているとき」
  • 「住民に割引」の形なら受け入れやすい
  • 出国税・宿泊税と、免税制度の変更
  • 二重価格は違法?
  • 事業者がやること・やらなくていいこと
英語のコメントで、観光客が払う値段の話
180件
98本の動画から無作為に選んだ600件のうち
施設の二重価格に肯定的
12件中9件
寺・城・美術館など
飲食店の二重価格に否定的
13件中7件
コンビニを含む

調べ方

YouTubeで「dual pricing japan」「japan tourist trap」「is japan expensive」など6つの英語の言葉を検索し、2025年10月以降に公開された英語の動画98本を選びました。

それぞれの動画の上位コメント(最大100件)を集めると5,887件。そのうち英語で60字以上のもの3,440件から、無作為に600件を選んで AI で1件ずつ読み取り、日本で観光客が払う値段の経験・意見・質問180件を分類しました(2026年10月取得)。読み取りと分類は AI(Claude)で行い、無作為の30件を代表・川名が目で確かめて、すべて一致しています。

これは「値段の動画を見た人が何を語っているか」の答えで、訪日客全体の声ではありません。限界は記事の最後にまとめています。ほかのテーマの結果は「外国人旅行者は日本の何を語っているか(MILOKU調べ)」にまとめています。

二重価格の賛否は、動画しだいで大きく動く

値段の話180件のうち、二重価格に触れたのは58件(32%)でした。値段の話の中心のひとつです。

58件の内訳は、理解・賛成(条件つきを含む)33件、反対17件、賛否が読めないもの9件。数字だけ見ると「理解が反対の約2倍」ですが、そう言い切ることはできません。

二重価格への理解と反対の件数は動画の選び方で動く。全98本で33対17、最多の動画を除くと27対12、締め出した系の動画を除くと23対17、その2本を除くと17対12
出典:MILOKU調べ。英語のYouTube動画98本(2025年10月以降)のコメントから無作為に600件を AI で読み取り、観光客が払う値段の話180件を分類(2026年10月取得)

二重価格を解説した動画1本を除くと27対12、「外国人観光客を値段で締め出した」という系統の動画を除くと23対17になります。後者の動画では、二重価格に触れたコメントがすべて理解・賛成で、迷惑な観光客への不満とセットで語られていました。

ここがポイント

二重価格の賛否は、「どんな動画を見たか」に強く引っ張られます。
「外国人は二重価格に賛成している」「反対している」と、ひとつの数字で言い切ることはできません。

「施設はよい、食事はいや」という線

賛否より役に立つのは、何の値段かで分けた結果です。

二重価格に触れたコメントを何の値段かで分けると、寺・城・美術館などの施設12件では肯定的9件・否定的1件、飲食店・コンビニ13件では肯定的4件・否定的7件
出典:MILOKU調べ。英語のYouTube動画98本(2025年10月以降)のコメントから無作為に600件を AI で読み取り、観光客が払う値段の話180件を分類(2026年10月取得)

寺・城・美術館などの施設の二重価格に触れた12件では、9件が肯定的でした。「文化財の維持費なら払う」という声です。一方、飲食店(コンビニを含む)の二重価格に触れた13件では、7件が否定的でした。

「施設はよいが、食事は反対」とはっきり線を引いたコメントも4件ありました。件数が少ないので傾向として読む必要がありますが、食事は「暮らしの値段」として受け止められているように見えます。

反発が強いのは「差が隠れているとき」

値段やメニューの表示に触れた7件のうち、3件は二重価格への反対でした。その中身は次のようなものです。

  • 英語のメニューだけ値段が高かった
  • 券売機で英語を選ぶと、別の高いメニューになった
  • 日本語だけのサイトに外国人料金が書いてあり、会計で倍以上を払うことになった(美容室)

反発されているのは、外国人料金があること自体より、差を知らされないまま払わされることです。

外国人のお客様だけ少し高くしても、気づかれないかと思っていました。

▶

店長

店長

M

MILOKU

◀

気づかれたときがいちばん反発されます。英語メニューだけ高い、という話はコメントでもはっきり嫌われていました。
では、値段を分けるなら、どうすればいいんでしょう。

▶

店長

店長

M

MILOKU

◀

分けるなら最初から両方を見せることです。ただ、飲食店なら、そもそも分けない選択のほうが無難だと思います。

「住民に割引」の形なら受け入れやすい

二重価格を否定せず、「観光客に上乗せ」ではなく「住民に割引」「2回目以降の会員割引」の形を勧めるコメントが7件ありました。

同じ差でも、見せ方で受け止めが変わります。地元の常連のお客様に還元したいなら、割引の形で示すほうが、外国人のお客様の反発は小さくなりそうです。

出国税・宿泊税と、免税制度の変更

公的な負担に触れたコメントは53件ありました。

公的な負担に触れたコメント。出国税・宿泊税など32件では受け入れる18件・不満7件、免税制度の変更21件では受け入れる2件・不満8件
出典:MILOKU調べ。英語のYouTube動画98本(2025年10月以降)のコメントから無作為に600件を AI で読み取り、観光客が払う値段の話180件を分類(2026年10月取得)

出国税・宿泊税などに触れた32件では、18件が「旅費全体からすれば小さい」「インフラに使うならいい」と受け入れ、不満は7件でした。

戸惑いが目立つのは、免税制度の変更です。21件のうち不満8件・質問8件で、受け入れるとしたのは2件でした。手続きが分からない、という声です。

出国税やビザ手数料の改定は「訪日ビザ手数料5倍・出国税3倍に|2026年7月の制度改定まとめ」、免税制度は「外国人旅行者向け消費税免税制度の基本と改正動向」で解説しています。

浅草の現場で見えたこと

代表・川名

私たちの店では、今のところ、外国人と日本人で値段は分けていません。
値段について、外国人のお客様から特に何か言われたことはないですね。「安い」と言われることのほうが多いです。
飲食店や体験の事業者さんから「外国人料金をつけたい」と相談されたら、否定はしないんですけど、炎上リスクもありますので、慎重に検討したほうがよいとお答えします。もちろん状況にもよるんですけども、今の環境だと、基本的には避けたほうがよいのかなと思っています。
仮に外国人料金をつけた場合でも、例えばプラスアルファのオプションやトッピングがついているなど、何らかの説明がちゃんとつくことが大事だと思います。

二重価格は違法?

「二重価格 違法」と検索する方も多いと思います。この記事では、法律上の判断はしません。

ひとつだけ整理しておくと、消費者庁が「二重価格表示」として考え方を示しているのは、販売価格に「通常価格」などの比較対照価格を並べて表示する場合です(消費者庁「二重価格表示」)。外国人向けの別料金の是非を扱ったものではありません。

外国人料金を設けるかどうか、どう表示するかで迷ったときは、弁護士などの専門家にご確認ください。

事業者がやること・やらなくていいこと

1

飲食店は、外国人向けの別料金をわざわざ作らない
食事の二重価格は否定的な声が多い。日本語と英語で同じ品・同じ値段を基本にする
▼

2

英語メニューの値段を、日本語と同じにする
英語にだけ別の品を載せるなら、日本語メニューにも同じ品と値段を載せて選べるようにする
▼

3

差を設けるなら、最初から両方を見せる
券売機・サイト・メニューで、外国人にも分かる言葉で先に示す
▼

4

地元に還元したいなら「住民割・会員割」で
上乗せではなく、割引の形で見せる
▼

5

施設は「何に使うお金か」を伝える
文化財の維持など、払う理由が伝わると受け入れられやすい

値上げ以外で客単価を上げる方法は「インバウンドの客単価を上げる方法」、飲食店の受け入れ準備は「失敗しない飲食店インバウンド対策」で解説しています。

よくある質問

Q. 外国人は二重価格に賛成していますか、反対していますか。
A. 今回分類した英語のコメントでは、二重価格に触れた58件のうち理解・賛成33件、反対17件でした。ただし動画の選び方で「ほぼ同数」から「約2倍」まで動くため、どちらが多いとは言い切れません。

Q. どんな二重価格なら受け入れられやすいですか。
A. 寺・城・美術館などの施設の二重価格には、12件中9件が肯定的でした。「住民に割引」「会員割引」の形を勧める声も7件ありました。

Q. 飲食店で外国人料金を設けるのはどうですか。
A. 飲食店の二重価格に触れた13件のうち、7件が否定的でした。英語メニューだけ高いなど、差が隠れているときの反発も目立ちます。私たちは、飲食店ではわざわざ別料金を作らないことをおすすめしています。

Q. 二重価格は違法ですか。
A. この記事では法律上の判断はしていません。消費者庁の「二重価格表示」の考え方は、比較対照価格を並べて表示する場合のものです。外国人料金について判断が必要なときは、専門家にご確認ください。

▼MILOKUの支援サービス
インバウンドコンサルティング

まとめ

英語のコメントを読むと、二重価格の賛否は、見た動画によって大きく変わります。それよりはっきりしていたのは、施設なら受け入れられやすく、食事では反発されやすいこと、そして反発の中心は「差が隠れていること」でした。

外国人料金を考えるなら、まず「何の値段か」と「どう見せるか」を決めることです。飲食店なら、別料金を作らず、日本語と英語で同じ値段を見せるのがいちばん安全です。

調べ方と限界

  • 対象:YouTube で6つの英語の言葉を検索し、2025年10月以降に公開された英語の動画98本(コメント20件以上)。各動画の上位コメント最大100件(関連度順)、計5,887件
  • 英語で60字以上の3,440件から、無作為に600件を AI で読み取り、観光客が払う値段の話180件を分類。読んでいないコメントもある
  • 読み取りと分類は AI(Claude)。分類の基準は MILOKU が決め、無作為の30件を代表・川名が確かめて、すべて一致
  • コメントを書くのは動画の視聴者で、訪日客全体の代表ではありません。 二重価格の賛否は動画の選び方に強く左右されます
  • 施設・飲食の内訳は12件・13件と少なく、傾向として読む必要があります
  • 免税制度の中身は、この調査では確かめていません
  • 取得:2026年10月(YouTube Data API)

この記事を書いた人
川名 友貴
川名 友貴 (かわな ゆうき)
株式会社MILOKU 代表取締役/インバウンド集客コンサルタント

オリックス銀行で法人融資を3年経験したのち、D2Cアパレル事業を創業。その後浅草で人力車の車夫として現場に立ち、マーケティング責任者として人力車業界にいち早くWeb施策を導入。ロサンゼルス支店の立ち上げも担当しました。2025年に株式会社MILOKUを共同設立。

浅草で忍者体験カフェなどを自社運営しながら、宿泊・飲食・観光施設・自治体まで、セミナー・相談を含めて300社以上のインバウンド集客を支援しています。

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