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インバウンド向け予約サイト12選|手数料と選び方を実運用者が比較

インバウンド向けサイト
目次
  1. 1. まず、手数料の現実を共有します
  2. それでも、予約サイトを使う価値はあります
  3. 2. 予約サイトは3種類に分かれます
  4. 英語圏の旅行者は、予約サイトを名前で探している
  5. 3. 主要12サービスの比較
  6. 宿泊予約(OTA)
  7. 体験・ツアー予約
  8. 飲食店予約
  9. 4. どう選ぶか|判断の順番
  10. 5. 複数サイトに載せるなら、在庫管理が先です
  11. 6. 予約サイトだけに頼ると、利益が残りません
  12. 実際に計算してみる
  13. 直販を「安く」してはいけない場合があります
  14. 7. 掲載ページで、予約されるかが決まります
  15. 8. ドタキャンと、当日のトラブルを減らす
  16. 無断キャンセルを減らす
  17. 「聞いていた話と違う」を防ぐ
  18. 9. 予約サイトのお客様を、次は直販に
  19. 10. やらなくていいこと
  20. 11. 業種別のおすすめの組み合わせ
  21. 12. 最初の90日と、効果の測り方
  22. 見る指標
  23. 13. よくある質問
  24. まとめ
  25. あわせて読む

「どの予約サイトに載せればいいのか分からない」
「載せてはいるが、手数料で利益が残らない」

どちらもよくいただくご相談です。この記事では、主要12サービスを業態・客層・手数料の考え方で比較し、どう組み合わせるかまでお伝えします。

この記事の結論
  1. 予約サイトは「集客の入口」であって、「利益が残る場所」ではありません
  2. 業態と客層で選びます。全部に載せる必要はありません
  3. 手数料を測ってから決めてください。 数字を見ずに増やすと利益が消えます

私たちMILOKUは、浅草で忍者体験カフェなどを自社運営しています。自分たちも、これらのサイトに出稿している側です。手数料の交渉も受けています。その立場から書きます。


1. まず、手数料の現実を共有します

各サービスの手数料率は、業態・規模・契約時期によって変わります。 そのため「A社は10%、B社は15%」という一覧は、この記事では出しません。実際と違う数字を載せても役に立たないからです。

代わりに、私たち自身が経験したことをお伝えします。

代表・川名

自社の体験を予約サイトに載せる際、コミッション30%を提示されたことがあります。
5,000円の体験を売って、手元に残るのは3,500円。
そこから人件費と材料費を引くと、何のためにやっているのか分からなくなります。

以前は15%だった事業者が、突然30%を提示されたという話も聞きます。予約サイトは集客してくれますが、その対価は年々重くなっています。

契約前に、必ずこの3つを確認してください
  1. コミッション率(税込か税別か、決済手数料は別途か)
  2. 料率パリティ条項の有無(自社サイトで安く売ることを禁じる条項)
  3. キャンセル時の手数料の扱い(キャンセルでも手数料が発生する契約があります)

それでも、予約サイトを使う価値はあります

手数料の話から入りましたが、使わないほうがいいという意味ではありません。

メリット 中身
言語の壁を越えられる サイト側が多言語対応済み。自社で翻訳する必要がありません
決済を代行してくれる 海外のカード、現地の決済手段に対応済み
信用を借りられる 無名の店でも、知られたプラットフォーム上なら予約されます
旅行前の検討段階で見つかる 日本に来る前に手配する層に届きます
キャンセル規定を代行 規定の提示と徴収をサイトが処理します
デメリット 中身
手数料 10%台〜30%。利益を直接削ります
顧客情報が手元に残りにくい 再来店の案内が出しにくい
価格競争に巻き込まれる 同じ枠に並ぶため、比較されます
依存すると抜けられない 比率が高いほど、やめる判断が難しくなります
使い方が問題であって、使うこと自体は問題ではありません

「入口として使い、利益は直販で残す」——この設計ができていれば、予約サイトは強力な味方です。
問題になるのは、入口が予約サイトしかない状態です。


2. 予約サイトは3種類に分かれます

一口に予約サイトと言っても、狙う客層がまったく違います。

種類 何を予約するか 主な客層
宿泊予約(OTA) ホテル・旅館・民泊 旅行前に手配。単価が高い
体験・ツアー予約 アクティビティ、文化体験 旅ナカ(滞在中)の予約が多い
飲食店予約 レストラン、居酒屋 前日〜当日。ドタキャン対策が重要

自分の業態に合わないサイトに載せても、効果は出ません。


英語圏の旅行者は、予約サイトを名前で探している

私たちMILOKUが、米国の英語の検索で日本の飲食店の予約について調べたところ(OpenRushで取得)、予約は「tablecheck」(月2,400回)や「pocket concierge」(月720回)のように、サービスの名前で検索されていました。「予約なしで入れるか」は月30回で、電話や言葉についての検索は見つかりませんでした。

GoogleのAI概要が日本の飲食店の予約をテーマに出典にしたサイトでも、予約サービスが10.8%を占める一方、日本の飲食店の公式サイトは0.13%でした。英語圏の旅行者にとって、店への入口は予約サイトと口コミサイトです。どの予約サイトに載せるかは、そのまま「英語で見つけてもらえるか」に直結します。

(割合は調べる語の選び方で大きく動くので、向きとして読んでください)

3. 主要12サービスの比較

私たちが実際に見てきた範囲での特徴です。

宿泊予約(OTA)

サービス 強い客層 特徴
Booking.com 欧米豪 世界最大級。国内の宿泊施設なら登録はほぼ必須
Agoda アジア圏 東南アジアからの集客に強い
Expedia 欧米・ファミリー 航空券とセットで予約する層が多い
Trip.com 中国・中華圏 中国市場を狙うならここ
Airbnb 個人旅行者(FIT) 民泊が代名詞だが、「体験」の予約枠も強い
JAPANiCAN 訪日全般 JTBグループ運営。国内旅館のラインナップが充実

体験・ツアー予約

サービス 強い客層 特徴
Klook アジアの若年層 香港発。旅ナカの即時予約に強い
GetYourGuide 欧米 ドイツ発。欧米客がツアーを探す際の定番
Airbnb体験 個人旅行者 ローカルな体験を求める層に届きます

飲食店予約

サービス 強い客層 特徴
TableCheck 訪日全般 多言語対応。事前決済でドタキャンを防げます
OpenRice 香港・台湾・東南アジア 「香港の食べログ」。美食家層が使います
ぐるなび/ホットペッパー 主に日本人 多言語ページはあるが、外国人の主要導線ではありません
国内ポータルへの誤解

ぐるなび・ホットペッパーは日本人客には強力ですが、外国人はほとんど見ていません。
彼らが見るのは Googleマップ と、上記の国際OTAです。

国内ポータルは日本人客の入口として残し、インバウンドは別の導線で取る——役割を分けてください。


4. どう選ぶか|判断の順番

全部に載せる必要はありません。2〜3に絞って、きちんと運用するほうが成果が出ます。

1
自店の客層を数える
直近3ヶ月、どの国のお客様が多いか。ここが出発点です
▼
2
その客層が使うサイトを1つ選ぶ
欧米ならBooking.com/GetYourGuide、アジアならAgoda/Klook
▼
3
在庫管理の方法を決める
複数サイトに載せる前に、ここを決めてください
▼
4
運用して、手数料を測る
3ヶ月後、手元にいくら残ったかで判断します
客層を数えずに選ばないでください

「有名だから」「他店も入れているから」で選ぶと、手数料だけ払って予約が入らない状態になります。
まず、いま来ているお客様がどの国から来ているかを数えてください。


5. 複数サイトに載せるなら、在庫管理が先です

ここを飛ばすと、必ず事故が起きます。

同じ枠を複数のサイトで売ってしまい、ダブルブッキングが発生する——これが最も多いトラブルです。

私たちはBokunを使っています

自社の忍者体験と食品サンプル体験は、Bokunで在庫を管理しています。
多くのOTAと連結できるため、複数サイトの在庫を一元管理しながら、自社直販も同じ仕組みで受けられます。

宿泊施設の場合は「サイトコントローラー」と呼ばれる同種のツールがあります。

管理方法 向いているケース
手作業(カレンダーで管理) 1サイトのみ。2つ以上は事故が起きます
サイトコントローラー/在庫連携ツール 複数サイトに載せるなら必須
ツールの仕様は、必ず自分で確認してください

たとえば「時間指定を1つしか設定できない」といった仕様上の制約があるツールもあります。
体験系は時間枠の設計が命なので、契約前に自分の運用に合うか試してください。


6. 予約サイトだけに頼ると、利益が残りません

ここが最も重要な部分です。

予約サイトは入口としては優秀ですが、そこだけに頼ると手数料で利益が消えます。

実際に計算してみる

月商300万円、うち外国人客が4割、その8割が予約サイト経由、手数料20%の店で計算します。

金額
月商 300万円
うち外国人客 120万円(40%)
うち予約サイト経由 96万円(80%)
毎月の手数料 19.2万円
年間 230万円

このうち、直販の比率を3割上げるだけでどうなるか。

金額
予約サイト経由 96万円 → 67万円
毎月の手数料 19.2万円 → 13.4万円
年間で手元に残る差額 約70万円

客を1人も増やさずに、年70万円です。

数字は各社で違います

上の例は計算の仕方を示すためのものです。ご自身の実数で計算してください。
手数料率は契約によって10%台から30%まで幅があります。

直販を「安く」してはいけない場合があります

多くのOTA契約には、料率パリティ(レートパリティ)条項があります。 「自社サイトでOTAより安く売らないこと」を求める内容です。契約書を確認せずに値下げすると、掲載停止などのリスクがあります。

価格ではなく、特典で差をつける

料金は同じにしたうえで、直販だけに特典を付けるのが安全な方法です。

  • ドリンク1杯サービス
  • 記念写真のデータをプレゼント
  • チェックアウト時間の延長
  • 予約変更を無料で受ける

「同じ値段なら、公式で予約したほうが得」という状態を作れば、パリティに触れずに直販比率が上がります。


7. 掲載ページで、予約されるかが決まります

同じサイトに載せていても、埋まる店と埋まらない店があります。差は掲載内容です。

海外のお客様が最初に知りたいのは、たった3つです。

1
どんな雰囲気なのか
写真で伝わるか。文章より画像が先です
▼
2
何ができるのか・何が食べられるのか
体験の中身。所要時間も含めて
▼
3
いくらくらいなのか
税込で。ここを曖昧にすると離脱します
掲載ページの確認項目

□ 写真は明るく、実物と一致しているか(誇張は低評価につながります)
□ 所要時間が書いてあるか
□ 税込価格か(¥5,500 (tax incl.))
□ 集合場所が地図で分かるか
□ キャンセル規定が英語で明記されているか
□ 服装・持ち物の指定があるか

掲載写真のトラブルに注意

予約サイト上で、他社の写真が無断で使われていたり、AI生成の画像が掲載されている例が観測されています。
自店のページは定期的に確認し、実物と違う印象を与えていないかを見てください。
実物と違うと、低評価と返金対応につながります。


8. ドタキャンと、当日のトラブルを減らす

外国人客の予約で最も多いトラブルは、無断キャンセルと「聞いていた話と違う」の2つです。どちらも仕組みで減らせます。

無断キャンセルを減らす

1
事前決済を導入する
最も効果があります。TableCheck等は事前決済に対応しています
▼
2
キャンセル規定を英語で明記する
「前日まで無料、当日50%」など。書いていないと請求できません
▼
3
リマインドを自動で送る
前日にメール。予約サイト側の機能で送れる場合があります
▼
4
時差を考えた連絡時間にする
相手が旅行中でも読めるタイミングで

「聞いていた話と違う」を防ぐ

よくある食い違い 防ぎ方
料金(税・サービス料) 税込総額を掲載。(tax incl.) と明記
所要時間 開始から終了までの時間を書く(受付時間を含めるか明記)
含まれるもの 「ドリンク付き」「写真データ込み」を具体的に
集合場所 地図と目印の建物。駅名だけでは着けません
服装・持ち物 体験系は必須。当日のキャンセル理由になります
年齢・人数制限 「6歳以上」「最大4名」を先に書く
予約サイトの掲載と、自社サイトの記載を一致させてください

両方に載せていると、片方だけ古い情報が残りがちです。
料金改定・営業時間の変更があったら、必ず両方を同時に直してください。
食い違いは、そのまま低評価につながります。


9. 予約サイトのお客様を、次は直販に

一度来ていただいた方に、次は直接来ていただく。これが手数料を減らす最も現実的な方法です。

規約に触れずにできること

□ 店内・現地で、公式サイトのQRコードをお渡しする
□ 会計時に「Next time, please book here」とカードを渡す
□ 施設内の掲示に公式サイトを載せる
□ 公式予約だけの特典を用意する(値引きではなく)
□ 記念写真のデータを、公式サイト経由で受け取れるようにする

予約サイト上での直接誘導は、規約違反になります

サイト内のメッセージ機能で「次回は直接ご連絡ください」と送る、
掲載ページに自社の連絡先を書く——これらは多くのサイトで禁止されています。
アカウント停止のリスクがあります。現地での案内にとどめてください。


10. やらなくていいこと

売り物を否定できるのは、他に売るものがある会社だけです。

優先度が低い、または不要なもの

□ 12サイト全部に載せる — 運用しきれず、在庫事故のもとになります。2〜3で十分
□ 有料の上位表示オプション — まず掲載内容を直してください。写真と価格のほうが効きます
□ 国内ポータルの多言語プラン — 外国人はそこを見ていません
□ 客層を数えずにサイトを増やす — 手数料だけ増えます
□ 値下げで直販を伸ばす — 料率パリティに触れる恐れがあります


11. 業種別のおすすめの組み合わせ

業態 まず1つ目 2つ目 直販の受け皿
ホテル・旅館(欧米客が多い) Booking.com Expedia 公式サイト+サイトコントローラー
ホテル・旅館(アジア客が多い) Agoda Trip.com 同上
体験・アクティビティ(欧米) GetYourGuide Airbnb体験 自社予約+Bokun等
体験・アクティビティ(アジア) Klook GetYourGuide 同上
飲食店 TableCheck OpenRice Googleマップからの直予約
小規模・民泊 Airbnb Booking.com 公式サイト
飲食店は、予約サイトより先にGoogleマップです

外国人が飲食店を探す最初の場所はGoogleマップです。
予約サイトを増やす前に、Googleビジネスプロフィールの整備を優先してください。
無料で、反応も早い。詳しくはMEO対策の完全ガイドをご覧ください。


12. 最初の90日と、効果の測り方

いきなり全部はできません。順番があります。

1
1〜2週目:数える
直近3ヶ月の客層と、いま払っている手数料の総額を計算する
▼
2
3〜4週目:整える
いま載せているページの写真・所要時間・税込価格を直す
▼
3
2ヶ月目:絞る/足す
客層に合わないサイトを外し、合うものを1つ足す。在庫連携を先に
▼
4
3ヶ月目:直販を作る
公式サイトの予約導線と、直販だけの特典
最初の1ヶ月は、新しいサイトを増やさないでください

いま載せているページを直すだけで、予約が増えることがよくあります。
写真と価格を直す作業に費用はかかりません。増やすのはその後です。

見る指標

順 指標 どこで見るか 何ヶ月後
1 手数料の総額 自社の売上データ。減っていれば成功 毎月
2 直販比率(直販売上 ÷ 全体) 同上 毎月
3 サイト別の予約件数 各管理画面 毎月
4 掲載ページの閲覧数と予約率 各管理画面。閲覧はあるのに予約がない=掲載内容の問題 1〜2ヶ月
5 無断キャンセル率 自社の記録 3ヶ月
「予約件数」だけを見ないでください

件数が増えても、手数料の高いサイトに偏っていれば利益は減ります。
手数料の総額と直販比率——この2つが、施策の成否が最も素直に出る指標です。


13. よくある質問

Q. 手数料が高いので、予約サイトをやめたいのですが。

いきなりやめるのは危険です。直販の比率が3〜4割になってから、段階的に減らしてください。入口をゼロにすると、認知そのものが止まります。

Q. 何サイトくらいが適正ですか。

2〜3です。 それ以上は在庫管理の負担が増え、ダブルブッキングのリスクが上がります。数より、1つを丁寧に運用するほうが効きます。

Q. 掲載しても予約が入りません。

まず掲載ページを見直してください。写真・所要時間・税込価格の3つが揃っていないケースがほとんどです。順位を上げるオプションを買うより先に、ここを直します。

Q. 口コミが少なくて不安です。

予約サイト内の口コミは、予約後の依頼が最も効きます。 体験直後、満足していただけたタイミングでお願いしてください。ただし割引や景品と引き換えの依頼は規約違反です。

Q. 開店直後なのに、大量の口コミが付いている競合がいます。

招待客扱いや、一時的な大幅値下げが行われている可能性があります。推測の域は出ませんが、真似する必要はありません。 規約違反のリスクを負って得た評価は、長続きしません。


▼MILOKUの支援サービス
OTA運用代行・掲載サポート

▼支援事例
京都・あかりデザイン工房様|「探される」から「予約される」へ

まとめ

1
数える
直近3ヶ月、どの国のお客様が多いか
▼
2
選ぶ
その客層が使うサイトを2〜3だけ
▼
3
整える
写真・所要時間・税込価格。ここで予約されるかが決まります
▼
4
測る
3ヶ月後、手数料でいくら出ていったか

予約サイトは「知ってもらう場所」、自社サイトは「利益が残る場所」です。 役割を分けて、直販の比率を少しずつ上げてください。

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この記事を書いた人
川名 友貴
川名 友貴 (かわな ゆうき)
株式会社MILOKU 代表取締役/インバウンド集客コンサルタント

オリックス銀行で法人融資を3年経験したのち、D2Cアパレル事業を創業。その後浅草で人力車の車夫として現場に立ち、マーケティング責任者として人力車業界にいち早くWeb施策を導入。ロサンゼルス支店の立ち上げも担当しました。2025年に株式会社MILOKUを共同設立。

浅草で忍者体験カフェなどを自社運営しながら、宿泊・飲食・観光施設・自治体まで、セミナー・相談を含めて300社以上のインバウンド集客を支援しています。

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