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インバウンドのキャッシュレス決済|外国人の声で分かる入れる順番

インバウンドのキャッシュレス決済の入れる順番。日本のキャッシュレス比率58.0%、英語の声で「現金のみ」に触れたのは3%
目次
  1. 日本のキャッシュレス決済比率は58.0%
  2. 訪日客は支払いで困っているのか
  3. 外国人の声を数えると「現金のみ」に触れた話は3%
  4. 困るのは「現金のみ」と知るのが遅れたとき
  5. 英語圏の旅行者は「現金の手に入れ方」を調べている
  6. インバウンド向けキャッシュレス決済の入れる順番
  7. ② カードのタッチ決済から
  8. ③ 交通系 IC カードは「残高の使い道」になる
  9. ⑤ QR コード決済は、お客様の国を見てから
  10. 決済より先にやること:支払い方法を英語で見せる
  11. やらなくていいこと
  12. QR コード決済を何種類もそろえる
  13. 現金をやめる
  14. チップの説明を長く書く
  15. 導入に使える補助金
  16. よくある質問
  17. まとめ
  18. 調べ方と限界
  19. 参考・出典

外国人のお客様が増えてきたので、キャッシュレス決済を入れたい。でも、QR コード決済・クレジットカード・交通系 IC カードと種類が多く、どれから入れればいいか分からない。そんな店の方に向けて、外国人の声と調査の数字から、入れる順番を整理しました。

私たちMILOKUは、日本での支払いを題名にした英語の YouTube 動画65本のコメントから無作為に600件を読み、日本の支払いに触れた156件を分類しました(読み取りと分類は AI〔Claude〕)。

先に結論です。

日本のキャッシュレス決済比率 58.0%(2025年)。8割以上がクレジットカード
支払いで困った訪日客 クレジットカード・デビットカードで困った人は10.7%。困った場所は飲食店が32%
英語の声で「現金のみの店」に触れた割合 3%(156件中5件)。困った話の多くは「知るのが遅かった」
入れる順番 ①現金のみなら英語で先に知らせる ②カードのタッチ決済 ③交通系 IC カード ④現金も残す
やらなくていいこと 英語圏のお客様が中心なら、QR コード決済を何種類もそろえること
この記事でわかること
  • 日本のキャッシュレス決済比率は58.0%
  • 訪日客は支払いで困っているのか
  • 外国人の声を数えると「現金のみ」に触れた話は3%
  • 困るのは「現金のみ」と知るのが遅れたとき
  • 英語圏の旅行者は「現金の手に入れ方」を調べている
  • インバウンド向けキャッシュレス決済の入れる順番
  • 決済より先にやること:支払い方法を英語で見せる
  • やらなくていいこと
  • 導入に使える補助金
日本のキャッシュレス決済比率
58.0%
経済産業省・2025年
英語の声で「現金のみの店」に触れた割合
3%
MILOKU調べ
地図に支払い方法が書かれた飲食店
2.3%
MILOKU調べ

日本のキャッシュレス決済比率は58.0%

経済産業省の発表(2026年3月31日)によると、2025年の日本のキャッシュレス決済比率は58.0%(162.7兆円)でした。国は、2030年までに65%、将来は80%にする目標を掲げています。

日本のキャッシュレス決済の内訳(2025年・決済額に占める割合)。クレジットカード82.7%、コード決済(QR)10.2%、電子マネー3.7%、デビットカード3.4%。キャッシュレス決済比率は58.0%
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日発表)

キャッシュレス決済の中身を見ると、クレジットカードが82.7%と大半を占めます。コード決済(QR コード決済)は10.2%、電子マネーは3.7%、デビットカードは3.4%でした。

なお、この比率は日本の家計の支払い全体のもので、訪日客の支払いだけを数えたものではありません。

訪日客は支払いで困っているのか

観光庁の訪日客向けアンケート(令和7年度・4,110件の回答)では、旅行中に困ったことで「クレジット/デビットカード」を挙げた人は10.7%でした。1位はごみ箱の少なさ(17.2%)、2位はスタッフとのコミュニケーション(15.4%)で、カードは6番目です。

カードで困った場所は、飲食店が32%でした。困りごとは小さくはありませんが、上位というほどでもありません。困る場所は飲食店に集まっています。

外国人の声を数えると「現金のみ」に触れた話は3%

インバウンド対策の記事では、「日本は現金のみの店が多く、外国人は困っている」とよく書かれます。では、外国人自身はどう語っているのでしょうか。

日本での支払いを題名にした英語の YouTube 動画のコメントで、日本の支払いに触れた156件を数えると、「現金のみの店」に触れたのは5件(3%)でした。集める動画を変えても1〜5%で、小さいままです。

日本で実際に経験した話のうち、困った話は25件ありました。中身は次のとおりです。

英語のYouTubeコメントで、日本での支払いの経験122件のうち困った25件の内訳。ICカード(改札など)10件、ATM 7件、現金のみの店4件、カードが通らない3件。現金のみで困った4件のうち3件は飲食店
出典:MILOKU調べ。支払いを題名にした英語のYouTube動画65本のコメントから、日本での支払いの経験を分類(2026年10月取得。読み取りと分類はAI〔Claude〕)

最も多いのは IC カード(Suica など)で、改札で反応しないといった話が中心でした。店の支払いの話ではありません。次が ATM(7件)で、現金のみの店で困った話は4件、カードが通らなかった話は3件です。

反対に、「現金はほとんど要らなかった」という経験の声も12件ありました。「東京で1週間、Apple Pay と Suica だけで過ごせた」といった声です。「前に来たときより、カードが使える店が増えた」と比べる声も8件ありました。

代表・川名が人力車の車夫をしていたころも、外国人のお客様の支払いは変わってきていました。

代表・川名

コロナ以前は現金の方が多かった。コロナ以降はカードの方が多いですね。

困るのは「現金のみ」と知るのが遅れたとき

現金のみで困った4件のうち、3件は飲食店でした。ラーメン店で食べ終わってから現金のみと分かった、注文の直前に「カードは使えない」と言われた、という話です。

困ったのは、現金のみだったことそのものより、知るのが遅かったことでした。「小さな店は現金のみが多かったが、大したことはなかった」という声もあります。前もって分かっていれば、旅行者は現金を用意できます。

ここがポイント

外国人が困るのは「現金のみ」より、「現金のみ」と後から知ること。
決済を入れる前に、まず店の外から支払い方法が分かるようにする。それだけで防げる困りごとがあります。

英語圏の旅行者は「現金の手に入れ方」を調べている

英語圏(米国)の Google 検索を調べると、「how to get cash in japan(日本で現金を手に入れる方法)」は月260回、「how much cash to bring to japan for 1 week(1週間の日本旅行に現金をいくら持っていくか)」は月90回検索されていました。一方、「is japan cash only(日本は現金のみか)」は月10回です。

英語圏では「日本は現金のみか」より、「現金をどう手に入れるか」「いくら持っていくか」が調べられています。現金も使うつもりで準備をする旅行者がいることが分かります。

QUIZ
英語の YouTube のコメントで、日本の支払いに触れた156件のうち「現金のみの店」に触れたのは?
A. 約3割
B. 約3%
答えを見る
B. 約3%(5件)
集める動画を変えても1〜5%でした。困った話は少なく、その多くは「現金のみと知るのが遅かった」という話です。

インバウンド向けキャッシュレス決済の入れる順番

英語の声と調査の数字から、訪日客向けの決済は次の順番で考えるのがおすすめです。

やること 理由(英語の声・調査から)
① 現金のみなら、英語で先に知らせる 現金のみで困った話は「知るのが遅かった」。費用はかからない
② 国際ブランドのクレジットカードのタッチ決済 国内のキャッシュレス決済の82.7%がクレジットカード。「現金はほとんど要らなかった」という経験の声が12件
③ 交通系 IC カード(Suica など) IC カードで店・自販機で払った話が13件
④ 現金も残す 決済障害や災害のときに現金が要る、という声が4件
⑤ QR コード決済は、お客様の国に合わせて 英語の声で名前が出た PayPay は3件。QR コード決済の話は5件だけ

② カードのタッチ決済から

英語の声では、カードのブランド名はほとんど出てきませんでした(Visa は1件)。語られていたのは、カードが使えたかどうかです。

ただし、カードが通らなかった話も3件ありました。チェーンの飲食店で、その店だけ通らなかったという声もあります。端末を選ぶときは、海外で発行されたカードが使えるかを確かめておくと安心です。

③ 交通系 IC カードは「残高の使い道」になる

Suica などの IC カードは、旅行者が電車に乗るときに使うカードです。IC カードで店や自販機で払った話は13件あり、帰国前に残高を使い切りたいという声も出ていました。駅や空港の近くの店、お土産の店では、「IC カードが使える」と表示する意味があります。

ただし、外国の Android のスマホではスマホの Suica が使えないという声が9件ありました。IC カードだけに頼らず、カードのタッチ決済か現金でも払える形にしておくと安全です。

⑤ QR コード決済は、お客様の国を見てから

日本国内では、コード決済が10.2%を占めます。ところが英語の声では、QR コード決済の話は156件中5件、PayPay の名前が出たのは3件でした。

英語圏のお客様が中心の店なら、QR コード決済を急いでそろえる必要はありません。中国からのお客様が多い店は事情が違う可能性があります。今回の調査は英語の声だけで、中国の決済アプリを使う人の声は調べていません。お客様の国籍を見てから判断してください。

外国人のお客様が増えてきたので、キャッシュレス決済を全部そろえようと思っています。

▶

店主
店主
M
MILOKU

◀

英語の声を数えると、QR コード決済の話はほとんど出てきませんでした。まずはカードのタッチ決済、次に IC カードです。
うちは今、現金のみなんです。

▶

店主
店主
M
MILOKU

◀

それなら、決済を入れる前に「Cash only」を入口と Google マップに書いてください。困った声の多くは、食べ終わってから現金のみと知った話でした。

決済より先にやること:支払い方法を英語で見せる

決済を入れても、入れなくても、支払い方法を店に入る前に見せることが先です。ところが、今はほとんどの店でそれが見えていません。

私たちMILOKUが、東京5エリアの飲食店4,740店の地図上の情報(OpenStreetMap)を調べたところ、支払い方法が書かれていた店は2.3%でした。英語のページを持つ飲食店36店の公式サイトでも、英語ページに支払い方法を書いていたのは11店(30.6%)です。

支払い方法は、次の3か所に英語で書いておきます。

場所 書くこと(英語の例)
入口・店頭 Cash only / Credit cards accepted / IC cards (Suica, PASMO) accepted
メニュー 支払い方法を1行。現金のみなら注文の前に分かるように
Google マップ・公式サイト 支払い方法の項目。現金のみなら近くの ATM の場所

Google マップの店の情報を整える方法は、飲食店のMEO対策で詳しく紹介しています。英語ページに何を書くかは、飲食店の英語ページは4店に1店|東京5エリアの公式サイトを調査もご覧ください。

やらなくていいこと

QR コード決済を何種類もそろえる

英語圏のお客様が中心なら、QR コード決済をいくつもそろえる必要はありません。英語の声に QR コード決済はほとんど出てきません。費用と手間は、カードのタッチ決済と表示にかけるほうが効果的です。

現金をやめる

キャッシュレス決済を入れても、現金はやめないほうが安心です。決済障害や災害のときに現金が要るという声がありました。英語圏の旅行者も、現金を用意して日本に来ています。

チップの説明を長く書く

英語の声でチップに触れたのは3件だけでした。「日本ではチップが要らないのがうれしい」という声もあります。体験やガイドの事業者なら、FAQ に一言「No tipping needed」とあれば足ります。

導入に使える補助金

東京都内の飲食店・小売店・宿泊施設などは、東京都の「インバウンド対応力強化支援事業補助金」(令和8年度)で、キャッシュレス機器の導入費用の補助を受けられます。補助率は1/2以内、上限は1施設・店舗300万円です。

受付は令和9年3月31日までですが、申請額が予算に達した時点で終わります。また、交付決定の前に発注・導入した費用は対象外です。端末を買う前に申請してください。ほかの制度も含めて、インバウンド補助金【2026年度】飲食店・宿・店舗が使える制度にまとめています。

外国人のお客様に向けた Google マップや英語ページの整備でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. インバウンド向けのキャッシュレス決済は、何から入れればいいですか。
A. 英語圏のお客様が中心なら、国際ブランドのクレジットカードのタッチ決済から入れるのがおすすめです。次に交通系 IC カードです。現金のみの店は、決済を入れる前に「Cash only」を入口や Google マップに英語で書くことから始めてください。

Q. 外国人観光客は、日本の「現金のみ」の店に困っていますか。
A. 英語の YouTube コメントで日本の支払いに触れた156件のうち、現金のみの店に触れたのは5件(3%)でした。困った話の多くは、食べ終わってから・注文の直前に現金のみと知ったという「知るのが遅かった」話です。

Q. 訪日外国人に QR コード決済は必要ですか。
A. 英語の声では、QR コード決済の話は156件中5件だけでした。英語圏のお客様が中心なら急ぐ必要はありません。中国など、QR コード決済をよく使う国のお客様が多い店は、お客様の国籍を見て判断してください。

Q. 日本のキャッシュレス決済比率はどのくらいですか。
A. 経済産業省の発表では、2025年は58.0%でした。内訳はクレジットカードが82.7%、コード決済が10.2%、電子マネーが3.7%、デビットカードが3.4%です。

Q. キャッシュレス決済の導入に補助金は使えますか。
A. 東京都の「インバウンド対応力強化支援事業補助金」(令和8年度)は、キャッシュレス機器を対象にしています。補助率1/2以内・上限300万円です。交付決定の前に導入した費用は対象外なので、購入の前に申請します。

▼MILOKUの支援サービス
SEO・MEO対策
多言語サイト制作

まとめ

日本のキャッシュレス決済比率は58.0%で、その8割以上はクレジットカードです。訪日客のうちカードで困った人は10.7%で、困った場所は飲食店が32%でした。

英語の声を数えると、「現金のみの店」に触れた話は3%でした。困ったのは、現金のみと知るのが遅かったときです。インバウンド向けのキャッシュレス決済は、まず支払い方法を英語で見せ、次にカードのタッチ決済、交通系 IC カードの順に考える。現金はやめず、QR コード決済はお客様の国を見てから。それが、外国人の声から見えた入れる順番です。

調べ方と限界

  • 支払いの声:日本での支払い・お金を題名にした英語の YouTube 動画65本のコメント3,631件のうち、英語で60字以上の1,945件から無作為に600件を読み、日本の支払いに触れた156件を分類しました(2026年10月取得。読み取りと分類は AI〔Claude〕、結果を代表が確認)。日本で経験した話は156件中43件(28%)で、多くは質問や助言です。困った話の内訳は、経験の言い回しで拾った声を合わせた122件から数えています。件数が小さいため、例として読んでください
  • 何が多く語られるかは、集めた動画の題名で大きく変わります。「現金のみの店」の割合(1〜5%)は、どの選び方でも小さいままでした
  • 英語の声だけです。 国籍は分からず、中国語・韓国語などの声は含みません
  • 地図の情報:OpenStreetMap で東京5エリアの飲食店4,740店のタグを数えました(2026年10月)。地図に書かれた情報の少なさを測ったもので、実際に対応している店の数ではありません
  • 検索数:OpenRush による推定値です(2026年10月取得)

参考・出典

この記事を書いた人
川名 友貴
川名 友貴 (かわな ゆうき)
株式会社MILOKU 代表取締役/インバウンド集客コンサルタント

オリックス銀行で法人融資を3年経験したのち、D2Cアパレル事業を創業。その後浅草で人力車の車夫として現場に立ち、マーケティング責任者として人力車業界にいち早くWeb施策を導入。ロサンゼルス支店の立ち上げも担当しました。2025年に株式会社MILOKUを共同設立。

浅草で忍者体験カフェなどをグループで運営しながら、宿泊・飲食・観光施設・自治体まで、セミナー・相談を含めて300社以上のインバウンド集客を支援しています。

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